サイエンスZERO「被害ゼロを目指せ! 台風予測の最前線」台風の犠牲者ゼロを目指せ!予測精度の向上のため研究者が…

出典:EPGの番組情報

サイエンスZERO「被害ゼロを目指せ! 台風予測の最前線」[解][字]

台風の犠牲者ゼロを目指せ!予測精度の向上のため研究者が航空機で台風に突入する直接観測を敢行。台風の未知のメカニズムが明らかに。台風を制御する野心的な研究も必見!

番組内容
毎年のように台風に襲われ被害を受ける日本。進路の予測は向上したが、中心気圧や風速など「強度」の予測には課題がある。そこで研究者たちは航空機で台風の目の中に突入し直接観測を行うミッションに挑戦。強度予測の向上につながる気圧データの取得や、台風中心部の未知のメカニズムを発見するなど次々と成果を上げている。さらに将来の「スーパー台風」に備えて台風を人工的に制御しようという研究も。台風予測の最前線に迫る。
出演者
【出演】名古屋大学教授…坪木和久,【司会】小島瑠璃子,森田洋平,【語り】利根川真也

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
情報/ワイドショー – 健康・医療

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エンスカイ(ENSKY)

♬~

(悲鳴)

毎年のように日本を襲い
大きな被害をもたらす台風。

去年の台風19号は 急速発達を起こし

中心気圧が 915hPaまで低下。

猛烈な勢力で 東日本に
大きな被害をもたらしました。

一方 今年9月の
台風10号。

去年の19号に近い
中心気圧 920hPa。

非常に強い勢力で

九州に接近すると
予測されました。

鹿児島県の離島では
ヘリコプターによる事前避難など

かつてない対応が取られました。

ところが 実際に近づいた時には
勢力は大幅に弱まっていたのです。

台風が強まるのか
それとも弱まるのか。

予測の難しさが
浮き彫りになりました。

そこで 台風の中心部に突入し
直接観測を行うことで

予測の精度向上を目指す挑戦が
始まっています。

命懸けにも思える 困難なミッションです。

台風予測の科学 その最前線に迫ります。

今回は台風。

もう 私たちが つきあっていかなければ
ならない気象ですよね。

はい。

そうですよね。

そうですか。

台風の発生は
まず 温かい海の上で

水蒸気が
雲になることから始まります。

これが まとまって渦を作ると

中心の気圧が下がっていきます。

海から ますます 水蒸気が供給されて

台風の勢力が強くなる
というふうに いわれるわけですね。

今 台風の予測のうちの
進路については

近年 精度が
上がってきているんですね。

そうなんですか。
こちらをご覧下さい。

これは 台風の進路を
予測する予報円です。

赤い円は 1997年ごろの
予報円です。

そして 現在の
予報円が こちら。

お~ かなり。
黒い円。

大きさが半分以下に
なっているんですね。

ですから これくらい精度が
向上したということなんです。

ところが…

う~ん。

進路は読めるけれど
どういうことなんでしょうね?

どういうことなのか
どうすれば改善できるのか

新たな研究が始まっています。

今年9月 九州に接近した台風10号。

中心気圧 920hPaという
非常に強い勢力で接近すると

予測されていました。

しかし 実際には 945と

予測よりも
大幅に弱まっていたのです。

なぜ 台風は弱くなったのか?

これは スーパーコンピューターで
解析した 台風接近時の海面水温です。

九州の南側は
赤からピンクの28度以上と

台風が発達しやすい高温でした。

ところが
台風10号が接近する3日前

台風9号が北上。

すると 海面水温は27度以下に低下。

台風9号が 海をかき混ぜたのです。

その後 この水温が低下した領域が
海流に運ばれ 東に広がっていきます。

台風10号は
偶然にも

この水温が
低下した領域の

真上を通過したため

勢力が急激に弱まったと
考えられるのです。

僅かな海の温度差で大きく左右される
台風の強さ。

より正確な予測のためには
海面だけでなく…

観測は困難です。

そこで ある意外なものから
海の中の温度を探り

予測を行う研究が始まっています。

注目したのは…

これは 衛星から捉えた

海面の高低差を示したデータです。

赤いエリアが海面が高い場所。

青や紫が低い場所を示しています。

温かい水は膨張して 海面が高く

冷たい水は収縮して
海面が低くなります。

そのため 海面の高低差を読むことで

海の中の冷たいエリアと温かいエリアを
推定することができるのです。

海の中の温度が高ければ
水蒸気の供給が維持され

台風の勢力は保たれます。

一方 海の中の温度が低いと
水蒸気の供給が減り

台風の勢力が弱まります。

伊藤さんは この原理を使って

実際の台風で 勢力の
予測シミュレーションを行いました。

これは 台風の進路となる
日本南西の海面水温。

一面 ほぼ同じ温度に見えます。

ところが 海の高低差を見ると…

ご覧のとおり 全く違って見えます。

海面が低い 緑の部分に

海の中の冷たい水のエリアが

隠されていることが分かります。

この冷たい水のエリアを

台風が ゆっくりと移動。

これを考慮し 計算します。

左のグラフは

時間とともに
変化する気圧を

計算したものです。

冷たい水のエリアを
通過する時に

勢力が弱まっていく
という結果が

はじき出されました。

こちらは 海の中の温度を
使わなかった 従来の予測です。

実際の気圧変化と
比較します。

比べてみると
伊藤さんの予測が

より実際の観測結果に
近いことが分かりました。

詳しく 専門家に伺っていきましょう。
はい。

今日は 気象シミュレーションの専門家で
災害に詳しい

名古屋大学の坪木和久さんと
つながっています。

よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。

はい。 よろしくお願いします。

そうか。

う~ん。

おっ。 海の中にある。

うん。

ただ一方で その台風の強さの予測を
困難にしている

もう一つ 大きな問題があるんですね。

それが 急速発達というものなんです。

これ 文字どおり 急速に
台風の中心気圧が下がっていって

具体的には 24時間で

風速が15m以上も強まってしまう
という現象なんですよね。

だからこそ この急速発達の実態を
解き明かそうと

探ろうという研究が進んでいます。

1959年
5, 000人以上の犠牲者を出した…

そして去年 東日本を中心に
大きな被害を与えた台風19号。

2つの台風には共通点があります。

それが 日本に近づいてくる途中で
急速発達が起きていたことです。

急速発達の謎に挑む…

どのような場合に
急速発達を起こしやすいのか

筆保さんは…

すると…

最も急速発達しやすいのが
フィリピンの東側で

モンスーンと偏東風が ぶつかって
生まれるパターンでした。

更に 進路も分析しました。

これは過去の台風の進路。

赤い部分は その中で

急速発達が起きた場所を示しています。

分析の結果 赤色で囲った部分で

急速発達が多く起きていることが
浮かび上がってきたのです。

う~ん。

そうですよね。

そうなんですね。

さあ ここでは ちょっと
こちらをご覧頂きましょう。

台風ですけれども
その強さの予測に欠かせないのが

目の中の気圧 中心気圧ですよね。

これが低ければ低いほど 勢力が強い
ということになるんですけれども。

実は この中心気圧…。
はい。

正確に測定することは
非常に難しいんですね。

う~ん。

そうなんですか。

直接 やっぱり
測っているわけではないんですね。

(坪木)ですので 現在は どのように

台風の中心気圧を
推定してるかというと

気象衛星から
雲 台風の雲のパターンを見て

この雲のパターンだったら
これぐらいの中心気圧だろう

あるいは これぐらいの風速だろうと
そのように推定をしているわけです。

そうなんですか。

ふ~ん。

ちょっとした誤差っていう言葉は

その 台風予測においては
ないんだなっていうのは分かりましたね。

となると やはり 正確な数値が…。
そうですね。

測定したい。 というわけで
坪木さんたちの研究グループは

実際の 台風の
直接観測に挑んでいるんです。

坪木さんたち研究チームの
台風直接観測の挑戦が

3年前から始まっています。

民間のジェット機をチャーターして
台風へ向けて飛行します。

ターゲットは
日本に近づきつつある超大型の台風です。

2日にわたって 観測を行う予定です。

安全のため 台風の目には入らず

目の周辺に ドロップゾンデという
観測装置を投下。

台風の中心部に
徐々に近づいてきました。

窓の外は 厚い雲に覆われています。

この時 パイロットの後ろにいたのが
研究チームのメンバー…

山田さんは 機内のレーダー画像を
パイロットと一緒に見ながら

飛行経路を相談していました。

台風の目を取り囲む 壁雲と呼ばれる
部分の中に

雨が強くないことを示す

緑色のエリアがあることに気付きました。

当初の予定を変更して

急遽 台風の目に突入することが
決まったのです。

突入の判断をしてから数分後

ついに その時がやって来ました。

厚い雲を抜けて入ったのは
研究者たちが初めて目撃する

台風の目の中の世界。

うわ~!

はるか下には海が見えます。

球場のスタンドのように広がる
壁雲の構造も 確認できました。

いよいよ…

台風の目に
ドロップゾンデを投入します。

ドロップゾンデが 台風の情報を
1秒ごとに送信してきます。

その結果は 坪木さんら研究者を
驚かせる内容でした。

衛星画像から推定する方法で出された
中心気圧は 935hPaでした。

ところが ドロップゾンデによる
実測値は926。

こんなに差があるんだ。

10hPa近くもの差があることが
分かったのです。

更に 次の日の衛星画像を見ると

目が小さくなっていくように見えます。

一般的に 目が小さくなれば

勢力が強まることが
知られています。

衛星画像からは

915hPaまで中心気圧が下がり

台風は強まったと推定されました。

ところが 実測値では929hPa。

勢力が強まっていないことが
分かったのです。

なぜ 台風の目が小さくなったのに
勢力は強まっていなかったのか?

その理由も
ドロップゾンデの計測で分かりました。

台風の強さを決めるのが

目の中の
暖気核といわれる温度の高い領域です。

この部分は 周囲よりも10~20度
温度が高くなっています。

この暖気核の熱によって
中心付近の気圧が下がり

台風の勢力が決まるのです。

観測では
高さごとに

暖気核と
周囲の気温差を
測りました。

1日目と2日目の
データを重ね
比較すると

暖気核の勢力は
ほとんど変わっていないことが

明らかになったのです。

では なぜ 目の大きさが変わったのか?

撮影した写真に
そのカギが写っていました。

この雲が 台風の目を隠すように
覆いかぶさったことで

衛星から 目が小さくなったように
見えていたのです。

うん。

そして ここの 私の横にあるのが
ドロップゾンデですね。

あっ 軽い。 へえ~。

これ ドロップゾンデは投下してから

そのあと どういうふうな
動きをするんですか?

はい。
飛行機から射出されますと

そのまま重たい方が下になって
落ちていきます。

そこに 温度センサーと湿度センサーが
入っていて

このボディーの中に 気圧センサーが
入っている。

見た目はですね 発泡スチロールで
できてるように見えるんですけれども

実は 全部 トウモロコシを素材とした
生分解性素材なんです。

海に落ちても っていうことですか?

海に落ちたあと 分解して

また自然に戻っていくように
作ってあります。 すご~い。

もう役に立ってるというか
もう生かされているんですね。

(坪木)翌年 24号に 6回
入ったわけなんですけれども

観測したデータっていうのは
リアルタイムで

飛行機から名古屋大学を経由して
気象庁に発信させると。

そうなんですか。
(坪木)ですので 24号の予報には

我々の観測値が
使われてるわけなんです。 へえ~。

そうですか。

こちらは
大手通信会社が開発中の無人機です。

成層圏を数か月にわたって飛行します。

モバイル機器の基地局として

活用することを目指して
開発中なんですね。

坪木さんの研究グループでは
このような無人機を利用して

台風の観測を行う計画を進めている
ということなんですね。

翼に 全面に
ソーラーが張ってあるんですね。

(坪木)そうですね。

とても意義のある研究分野ですよね。

台風予測の最前線を
見てきましたけれども

温暖化の影響で 近い将来

我々の常識では 太刀打ち
できないような強さの台風

スーパー台風が 日本を襲うかもしれない
とも考えられているんですね。

2013年に
フィリピンを襲った…

最大瞬間風速90mという
すさまじい規模でした。

フィリピン中部に
壊滅的な被害をもたらしました。

これ ひどいわ。

この規模のスーパー台風が
今世紀末に日本を直接襲う。

そんなシナリオが 坪木さんの
シミュレーションによって 描き出されています。

何とか勢力を弱められないか。

実は 台風を人工的に弱めようという
実験が 過去に行われたことがあります。

50年前のアメリカで…

「効果があった」と報告されましたが

自然に弱まった可能性もあり

疑問視されています。

しかし 現在は
コンピューターシミュレーションにより

台風に対して何をすれば
勢力を弱めることができるのか

詳細に実験できるようになりました。

坪木さんが シミュレーションを
繰り返したところ

台風を弱めることができる
ある方法が浮かび上がってきたのです。

その方法です。

台風の上空を
将来 実現が期待されている…

水素エンジンは 水を排出します。

あっ 確かに。

すると 台風上部の…

へえ~。

こちらが その計算結果。

台風上部に水を散布することで

雲の位置が下降。

気圧にして 15hPa

勢力が弱まることが示されたのです。

本当ですね。

さあ 小島さん 今日は 台風について
見てきましたけれども いかがでしたか?

台風とは もう
切っても切れないものがありますから

台風が来る度に 地球全体と私たちは

向き合っていかないといけない。

この台風に関する研究というものが
私たちに もたらしてくれるものは

ものすごく大きいな
ということが ほんとに分かりました。

坪木さん 今日はありがとうございました。
ありがとうございました。

それでは「サイエンスZERO」

次回も お楽しみに。