100分de名著 ヘミングウェイ[新](1)大いなる自然との対峙~“老人と海”1[解][字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

100分de名著 ヘミングウェイ[新](1)大いなる自然との対峙~“老人と海”1[解][字]

巨大なカジキと老人の壮絶な死闘。人間社会とは一切隔絶した大海原の中での老人サンチアゴの闘いを通して、私たち文明人が見失ってしまった大自然との向き合い方を学ぶ。

番組内容
不漁にもくじけず一人小船を操って沖へ出る老人サンチアゴ。圧倒的な孤独の中で彼は大いなる自然と向き合い続ける。そこに、大海原の主ともいえる巨大なカジキが現れる。知力と体力の限りを尽くしたカジキとの死闘を支えたのは、常に心の中にあった、友人マノーリン少年の存在だった。第一回は、人間社会とは一切隔絶した大海原の中での老人サンチャゴの闘いを通して、私たち文明人が見失ってしまった大自然との向き合い方を学ぶ。
出演者
【講師】早稲田大学教授…都甲幸治,【司会】伊集院光,安部みちこ,【朗読】寺脇康文,【語り】小口貴子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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20世紀のアメリカを代表する文豪…

幾度もの戦場体験。

南国キューバでの生活。

男らしさの象徴として知られる
作家ですが

作品からのぞくのは 繊細な素顔でした。

母なる海から 獲物をいただくっていう
尊敬の念も込めて

ほとんど愛の関係っていうのかな
いうふうな感じなんですよね。

第1回は 代表作「老人と海」から

私たち現代人が失ってしまった
大自然との向き合い方を学びます。

♬~
(テーマ音楽)

♬~

「100分de名著」 司会の安部みちこです。
伊集院 光です。

早速ですが ヘミングウェイと聞いて
伊集院さんは 何を思い浮かべますか?

ええ~?

おお~!
ただ 読んだことはないです。

タイトルだけですね。
ご存じですか。

はい しっかり読んでいきましょう。
はい お願いします。

今月は アメリカの作家
「ヘミングウェイ スペシャル」です。

こちらの3作品を読んでいきます。

第1回と第2回で取り上げるのが
「老人と海」ですね。
ああ~。

では 指南役 ご紹介しましょう。

アメリカ文学研究者の都甲幸治さんです。
よろしくお願いします。

よろしくお願いします。
お願いします。

翻訳家としても活躍する
早稲田大学教授の都甲幸治さん。

高校生の時に出会った 「老人と海」。

今 読む方が面白いと語る都甲さんと

新たなヘミングウェイの魅力を探ります。

今回の 「ヘミングウェイ スペシャル」にあたって

都甲さんに
キーワードを挙げて頂きました。

「二人のヘミングウェイ」ですね。
都甲さん どういう意味ですか?

はい ヘミングウェイには 2つの顔がある
というふうに思ってるんですよ。

1つ目はですね マッチョなというか
男らしいというか

戦争が起こったら もう戦場に行っちゃう。

戦争ない時は 闘牛 見にいったり

大きな魚 釣りに行ったり
あるいは アフリカにハンティングとかも。

めちゃくちゃ男くさい みたいな。

で もう一つが
実は すごく弱いところがあるんですよね。

例えば 批評家に批判されたりすると
ものすごく怒る。

傷つきやすい部分がある。

漠然としたヘミングウェイなんていうのは
やっぱり マッチョイメージですかね。

マッチョイメージだし
豪快に お酒飲んで

それこそ 今 おっしゃってた
批評家に何か言われても

「言いたいやつには 言わせておけよ。
ハハハ!」の…。

イメージありますね。
イメージです。

豪快寄りになってたので
そうじゃない…

両方見ていくと今までのヘミングウェイの
男っぽい読み方とは

違う読み方ができるんじゃないかなと
思って 今回 お話ししたいと。

じゃあ
基本的なところから見ていきましょうか。

アーネスト・ヘミングウェイは
外科医の父親と

声楽家の母親の間の
2番目の子どもとして

1899年
アメリカ・シカゴ近郊で生まれました。

都甲さん この幼い頃に 一つ強烈な
エピソードがあるんですよね。 はい。

どうやら お母様がですね

私は 双子の女の子が欲しかったと。

で まあ お姉ちゃん生まれて

1年後に ヘミングウェイ自身が
生まれたんですけども

私は 双子の女の子だと考えて育てる
という宣言をして

ず~っと 女の子の格好をさせた
というのがあるんですよね。
おお。

で そういうようなこともあって
本人の中で…

落語家って 江戸時代のことを書くから
豪快な男と 繊細な女の役を

1人でやるっていう
そういうことだから

ある意味
心の中に その両方を持ってる人の

その 落語の抜群のうまさみたいのを
見てきたから

そうすると 恐らく それがいける人は
もしかしたら 文章を書く時にも

才能が発揮されるような気も
ちょっとするかな。

そして ヘミングウェイは 高校卒業後に
半年間 新聞記者生活を送るんですね。

で そのあと イタリア戦線に赴いて
スペイン内戦も取材。

そして 1944年には 第二次世界大戦の
前線を取材しているんですね。

とにかく 第一次大戦が始まったと聞いて
居ても立ってもいられなかったと。

そうなんですけれども すぐに
迫撃砲を食らって 本当に大けがを負う。

懲りることなく そのあとも
何回も スペイン内戦とか

あるいは 第二次大戦とかを
見にいったりするんですよね。

最初に その すごく大きい傷っていうかな
トラウマを受けて

で そういうようなところに
何度も行ってしまうという

反復して
行ってしまうというふうなところが

彼に すごく あったんじゃないかな
というふうに思ってます。

そして ヘミングウェイは

たくさんの 映画化された
長編なんかも あるんですけれども

今回 なぜ 「老人と海」を
都甲さん

ここで取り上げようと
お考えなんでしょうか?

はい。
みんな 「老人と海」だったら

読んでなくても 読んだ気にはなってる
みたいなとこがあって。

「老人が 海 行くんじゃないの?」
みたいな 何か そういう。

実際に読んでみると やっぱり

ヘミングウェイの作家生活の
集大成みたいな部分もあって

それは 内容もそうですし
文章の完成度もそうだと思うんですよね。

あと それからですね
自然との共生っていうのかな。

一緒に自然と生きる みたいな
テーマが 色濃く入ってて

そのことについても 今回は
話したいと思ったので 選びました。

では 「老人と海」を読みましょう。
朗読は 俳優の寺脇康文さんです。

(波音)

キューバのハバナ近郊に暮らす
年老いた漁師 サンチアゴは

84日間 一匹も魚が取れない日々を
過ごしていました。

老人の世話をしているのは

彼を尊敬する少年漁師
マノーリンです。

85日目の早朝 老人は
いつものように マノーリンに見送られ

小舟で 海に こぎだしました。

トビウオ 軍艦鳥 電気クラゲ。

生き物たちに話しかけながら
老人は 手製の針を 水中深くに垂らし

様子をうかがいます。

すると…。

突然 ガツンと
とんでもなく大きな当たりがきました。

まず 先生 見ていきたいのが

老人は 海を 女性と言っていましたね。
「ラ・マール」と。

母なる海から 獲物をいただくっていう
尊敬の念も込めて

「ラ・マール」って 女性形で語っています。

例えば 自然をねじ伏せて

そこから 獲物をもぎ取って
お金に換えよう みたいな人たちは

こう 敵みたいな感じで
男性として 海を考えるんですけども…

下からというか そういうような部分が
結構 強いんですよね。

長年 海で暮らしてきた人の
感覚的なもんでしょうね。 うん うん。

ここで 作品の情報を
一つ 見たいのですが

この「老人と海」は 1952年に

アメリカの全国誌「ライフ」に
一挙掲載されました。

532万部が 48時間で完売し

発表の1週間後には 単行本が出版された
ということなんですね。 すごいな!

この作品で ヘミングウェイは
ピュリツァー賞を受賞して

ノーベル文学賞も受賞したという
作品なんですね。

文学的な特徴というと
何になるんでしょうか? はい。

すごく簡潔な文章。
語彙も そんなに多いわけじゃない。

しかも 深い内容を表す
というふうな部分が すごくあります。

で それは 新聞記者時代の経験ですね。

高校を出て すぐ
新聞記者になったんですね。

まあ
半年しか やってなかったんですけど。

このような教育を受けていたんですよね。

こういう 文章を書く時の
教育を若い頃に受けて

なんと 生涯 そのまま
こう ず~っと保ったまま

深めていったっていうふうなところが
あります。

でも 僕としたら ありがたいですよ。

何か すごく難解…
難解なために 難解にしてあるような

そういう小説もあるじゃないですか。

あれは僕は 1行目から
ウエッてなっちゃったりしますから。

それまでの文学は やっぱり

どれだけ 文章を 巧みな凝った文章を
書けるかっていうような

競争みたいな部分は
あったんですけれども

ちょうど その時に 20世紀初頭に
モダニズムというふうな

文学だけではなくて
いろんな芸術作品とかに

大きく関係する流れがあったんですよね。

で そのモダニズムの影響を受けて

その 新聞記者らしい 簡単な言葉で

芸術的に研ぎ澄ましたのを合わせられる
というふうに見つけたのが

ヘミングウェイなんですよね。

じゃあ 続きを読んでいきましょうか。

臨場感あふれる戦いの描写を
見ていきましょう。

カジキが食いついたまま
老人の漁は 2日目を迎えました。

ついに 巨大なカジキが姿を現しました。

頭から背にかけては 濃い紫色

側面には 薄い紫色のしま。

くちばしは長く
剣のように細く とがっています。

カジキは 全身を海面に躍らせたのも
つかの間

スルリと 水中に身を隠しました。

戦いは 再び 夜を迎えました。

夜空に 最初の星が現れ
じきに 他の星々も見えてきます。

老人は 釣り綱で つながっていた
カジキを思いました。

実はですね この 何ていうか
「老人と海」って全体の設定が

すごく 書くのが
難易度高いと思うんですよね。

冷静に考えると 老人が小舟で海に出て
一人で 釣りやってるだけで…

作業をこなして
帰るだけになっちゃうんで

何がなんだか ちょっと
分かんない感じになりかねない。

だけど 生き物とかと対話する
というふうなシーンを入れることで

すごく 気持ちのやりとりもあるし

読んでる人も飽きないような
構成になってるというふうに思います。

で 実際 老人は ちょっと止まった鳥にも
話しかけるんです。

鳥を見下す みたいなことじゃなくて

もう 何ていうか…

で それがまた
ちょっと気持ちいいじゃないですか。

小鳥を相手にしてるんだけど
僕を相手にしてくれてるような。

ああ 確かに。
何か そんな感じもするし。

一人で漁をするようになってから

だんだん
ただ思ってるのか しゃべってるのか

分かんなくなってきた
というふうなところもあって

でも 老人は 実はですね…

…というふうなのも
すごく考えてるんですよね。

だから 例えば あのカジキに
こういうふうにエサを食ってほしいとか

口に出しちゃうと
それがダメになるから

だから 「いけない」っていって
そこは黙るんですよね。

うわ~… 僕 勝手に
すごい しびれてるわ 今。

だから
無口とも おしゃべりとも言えない。

何ていうか…

で 自分でも どうして そういうふうに
動いてるか よく分からないけども

すごく最適に動いていく
っていうふうなことが どう起こるかを

ず~っと追跡していく話なんですよ これ。

ヘミングウェイ自身
すごく釣りが好きで

特にですね 1940年 キューバの首都
ハバナの近郊に家を建てて

それから20年間
そこを拠点にするんですよね。

で 自分でも クルーザーを持って

カリブ海を回りながら 大物を
釣ったりしてたみたいですね この人。

じゃあ やっぱり 実体験で知ってることが
いっぱいあったんですね。

よく知ってるがゆえにですね

ちょっと なかなか普通は ちょっと
調べたぐらいじゃ気付かないような

例えば
どういうプランクトンが発生するとか

ホンダワラが流れてくると
その中に エビがすんでて… とか

ほんとに ちょっとした こう
細部の描写が分厚いんですよね。

全体として量がないのに 一個一個が
知ってる人しか分かんないこと尽くしで

そこが もう
楽しくてしょうがない 読んでると。

へえ~。
で 効いてくるのは

あの
新聞記者時代のコツに書いてあった

余計なことは
限りなく捨てるっていうことは

要は 必要な
そのホンダワラのことは書くんだけど

いや これ以上 余計だなと思ったら
恐らく 捨てるのが うまいんでしょうね。

過剰に揺らすと 逃げるじゃないですか。
ああ~!

その感じがして。
うまい! 伊集院さん。

いや ほんとほんと。
過不足なく入れてきて。 ああ 確かに。

キャッチしたら もう そのまま引っ張るし
余計なことしない みたいのを

何かもう やってるわ。
俺がカジキかと思い始めた。

ほんとですね。
こっちが釣られる 絶妙な加減で。

3日目の朝。

ようやく カジキが弱り始め
徐々に海面に上がってきました。

老人は 残る力を振り絞り 綱を引きます。

そして
銛を 胸びれの後ろに突き刺しました。

長い戦いの末 ついに息絶えたカジキ。

老人は 舟の脇にくくりつけるため
引き寄せます。

この番組 長くやってると 他の名著と
急に響き合うことがあって。 ええ。

僕は 「遠野物語」の クマと猟師の話に
すごい似てると思った。

猟師は クマに対して
大変な敬意を持ちながら

クマをしとめてるっていう
まあ 短い話があるんだけど

そこに すごい似てる気がした。
ああ~。

カジキを ただ取ってやって

やってやったっていうふうなのでは
ないんですよね。

すごく こう…

ここで こういう縁で出会ったというのも
運命だと。

こうなったら カジキが自分を殺しても

自分が相手を殺しても
同じようなもんだと。

何ていうか こう
ほとんど 愛の関係っていうのかな

いうふうな感じなんですよね。

仲間同士というか
針とか銛とかで つながった

こう 一体化した存在みたいなとこまで
いっちゃうんですよ。 うん。

何か 釣らしてくれよって。

いや お前に釣る権利があるかどうかを
今 俺は試してるだけだ みたいな。

そういう感じ。
対話されてる感じですよね。

で 最後 その心臓に触ったところで

よし 主はお前 今からお前っていう
感じかな。 そうですね。

「老人と海」で
老人が遭遇するっていうのは

自分の体が 思いどおりにならないとか
海の状態とか 気候とか

もう とにかく…

…というふうなところが
すごくあるんですよね。

現代社会においては
我々 例えば 台風が来ても

電車 動いてるんだったら会社行こうか
みたいな …いうふうな感じで

できるだけ そういう 何ていうかな
不安定なというか

予測不能な要素を排除して…

だから その…

でも あの「老人と海」は
3日間の出来事を書いた小説なんですよ。

で 3日目の朝まで もう今 来ていて。
はい。

しかも カジキ 今 しとめましたよね。
しとめちゃったの。

第2回に取り上げることがあるのか
心配になるんですが。

短い作品の中でも
もう7~8割 きてるんですけれども

しかしながら カジキを釣ってからも

ものすごく
いろんな内容があるんですよね。

なので もう一回やる価値は 十分
あるんじゃないかというふうに思います。

なるほど。
はい。

都甲さん ありがとうございました。
ありがとうございました。

ありがとうございました。

♬~

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