SWITCHインタビュー 達人達「佐久間良子×遠藤秀紀」[字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

SWITCHインタビュー 達人達「佐久間良子×遠藤秀紀」[字]

昭和の銀幕スターで、82歳になる今も第一線で活躍する女優・佐久間良子。対談するのは職業も世代も全く異なる東京大学総合研究博物館教授・遠藤秀紀、「遺体科学者」だ。

番組内容
「遺体科学」とは動物の亡骸を解剖し進化の歴史を探る学問で、遠藤が名付けた。さまざまな発見を発表、ジャイアントパンダに7本目の指があることを見つけたのも彼だ。大の映画好きでもある彼が帝国劇場を訪れ憧れの佐久間と対面。東映にスカウトされた時から今に至るまでの佐久間の仕事や生き方を聞く。後半は大の犬好きという佐久間が博物館を訪問し動物の進化に迫る遠藤の思いを問うていく。最後の質問は「犬は夢を見るのか?」
出演者
【出演】女優…佐久間良子,遺体科学者…遠藤秀紀,【語り】六角精児,平岩紙

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

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NHK
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エンスカイ(ENSKY)

白黒模様のパンダ。

首の長いキリン。

頭を たてがみが囲むライオン。

地球上に暮らす動物たちの姿は
実に 多種多様だ。

「なぜ そんな体になったのか?」。

謎を解き明かそうと研究に取り組む
一人の男がいる。

遠藤秀紀。
動物研究のエキスパートだ。

専門は…

動物の死体を解剖し そこから
5億年にわたる進化の歴史を探る学問。

動物園や水族館で生き物が死んだとき

遠藤は すぐに駆けつけ メスを振るう。

ネズミからゾウまで
解剖するのは 年に数百体。

その中で 新しい発見をし続けている。

1999年 ジャイアントパンダに

7本目の指があることを
世界で初めて見つけたのも遠藤だ。

ほかにも研究で分かったことを
著作や講演で次々と世に発表している。

実は 無類の映画好きでもあるという遠藤。

本日 対談をするのは こちらのお相手。

女優 佐久間良子。

樹木に耳を当てると

かすかに音が響いてくる。

82歳となった今でも

精力的に
舞台に立ち続けている。

19歳で映画デビューして以来

東映の看板女優として
100本以上の作品に出演。

男性中心だった当時の映画界で

主演女優としての道を切り開いてきた。

お前様は それほど
出世なさりたいのか。

その活躍は
映画にとどまらない。

NHK大河ドラマ
「おんな太閤記」では

初の女性単独主演を務め
大ヒット。

そんな佐久間

実は 動物 とりわけ 犬が大好きで

遠藤との対話を心待ちに。

遠藤先生が 動物のことをね
研究してらっしゃる…。

私も…

そのお話も伺いたいなと思ってます。

あの佐久間さん あのせりふをしゃべり

あの表情を作ってる佐久間さんと
お話ができるんですかねっていう…

動物って 本当に面白いんですけど…

なので ぜひ その
動物を好きだという佐久間さんに

お目にかかりたいですね。

職業も年齢も性別も異なる2人が

仕事について
そして 命について語り合う。

♬~

どうも こんにちは。

(取材者)今日は よろしくお願いします!
こちらこそ よろしく!

もう 何か 舞い上がってて。

劇場 行くまでに 何か もうね

ハイテンションになっちゃいそうで
怖いです。

遠藤が向かった先は
東京 日比谷にある帝国劇場。

110年の歴史を持つ この劇場が
対談場所だ。

ようこそ。
はじめまして。

遠藤秀紀と申します。 こんにちは。
佐久間良子でございます。

今日は よろしくお願いいたします。
こちらこそ。 ようこそ。

どうぞ。
ありがとうございます。

佐久間さんのご自宅に
招かれたような気がします。

何か 支配人になったような気がします。

ここは 私が 本当に…

そうですか…!
そのころは もう 本当に

ここのロビーですけど…

男のクズってのは お前さんのことだよ!
何だって?

名字 付けてもらって
刀 差して お侍だって?

1983年 帝国劇場で佐久間が初演した
「唐人お吉」。

幕府の命令によって
人生を翻弄された女性の物語だ。

お吉の10代から50歳前後までを
一人で演じ

迫真の演技で観客を魅了。

佐久間の代表作となった。

あたしゃ 卒中で
ぽっくり逝きたいと思ってんだから。

お吉ちゃん!

生きていたって
面白いことなんか ありゃしないよ。

「唐人お吉」 私 映像で拝見しました。
そうですか そうですか…!

ありがとうございます。
すばらしい舞台で。

若いころは元気なんだけれども…

その演技を見せられてね。

年代年代によって やっぱり
いつまでも美しい声では あれですから

やっぱり 最終的に お酒に溺れて
手が不自由になって

体も重くなってきた…

1939年
東京の裕福な家庭に生まれた佐久間。

家から ほとんど出たことがないような
おとなしい子どもだった。

高校を卒業したら短大へ進み
いずれは お嫁にと考えていた。

しかし 卒業目前のある日
佐久間のもとに東映からのスカウトが。

ここから
銀幕の女優への道がスタートする。

とても そういう…

映画界なんてのは 大体 どういう所か
分かりませんから 親は。

だから 絶対反対で。

私も 全く そんなこと…
考えてませんし。

でもね 人間って おかしなもんですね。

「駄目だ」「駄目だ」って言われて それで
東映のほうから「お願いします」って

そういう板挟みになって。

でも「駄目だ」「駄目だ」と言うと…

反発みたいなのが
起こってくるんですね。

近くにね 龍神様っていう神社が
あるんですね。

そこの龍神様へね
ちょっと お参りに行って

「神主さん 私は こういうふうに
言われてるんだけれども

どうしたらいいでしょうか?」
っつったら

「あなた おやりなさい」って ひと言。
ハハハ…!

そう言われてね

「あっ そうか… それじゃあ 1年間だけ
やってみようかな」という

そんな安易な気持ちで入ったんです。

親の反対をばねに東映に入った佐久間は

瞬く間に売れっ子となる。

当時は 日本映画の黄金期。

世の期待を背負い
休む間もなく働き続けた。

デビューされてからの
1960年前後になりますか

ものすごい量の映画に
出てるんですよね。

それは もう 主演っていうのは
本当に あまり… 少ないですけれども

大体…

東映というのは。 ですから

男性の方のお相手とか 誰かの妹とか。

例えば
朝9時開始というのがあるんですね。

9時開始 A組。
それが 12時まで。

1時から 今度 B組。

で それから 3時から
定時の5時までC組。

せりふもあるし…。
あるし…。

何にも分からないです 新人で。

ですから 恋人の名前を
こっちの人の名前を

こっちで言ってしまって…。
間違えてしまって。

間違って。
監督に叱られたことも随分ありました。

そして それが
まあ 定時に終わりますでしょ。

定時に終わると
撮影所の前に車が止まってて

それに乗せられて
東京駅へ運ばれるんです。

今と違いますから 夜行ですから
8時間ぐらいかかって。

向こうへ着くのは6時ですよね。

それは 今の言葉で言う
精神的なストレス…。

潰されることなかったんですか?
まあ そうです…。

とにかく 台本は どんどん来ますから…

東映には わりと
ドンパチのあれが多かったので

そこで逃げ惑ったり何かしたり

そういう役とか
そういうあれが多かったので。

でもね こればっかりだったら…

そういう 何か…
あれはありましたね 反発みたいな。

花形女優になった佐久間の
転機となった作品がある。

時代劇や任侠ものが主流だった東映で
初の純愛映画だった。

原作は 富島健夫の「雪の記憶」。

この本に心を打たれた佐久間は

社長に直談判し 映画化を実現させた。

佐久間の好きな一節が こちら。

海彦さん 東大に入って 勉強して。

で いつかは
雪子と一緒になりたいと思ったんでしょ。

それで 卒業して帰ってきて。

でも 雪子は亡くなってしまってる
っていう本当の純愛物語ですよね。

今までの東映とは違った
映画でしたから。

だから 私が 本当に 責任を持って
これを言ってしまって…。

お客さんの入りもね あるでしょうし

すごく…
寝られなかったぐらい大変でしたけどね。

反響は いかがだったんですか?
ええ おかげさまで。

東映は びっくりしましたね。
すごい入りで。

いわば
会社の社風すらも変えてくれる魅力が

佐久間さんにあって成立してった話だと
思うので。

やっぱり そのエピソード自体が
佐久間さんが 実力で

勝ち取ったものだと思うんですけども。

まあ でもね ずっと 何本も何本も
そういうお相手をさせていただいて…

女優さんとしての心持ち 心境の変化

今までと違う段階にいったな
というのは…?

それは やっぱり 何ていうのかな…

それは 責任感は本当にありましたよね。

これを きっかけに 佐久間は

運命に翻弄される女性を
次々と演じていく。

初の主演映画「五番町夕霧楼」では

貧しい家に生まれ 遊女となった夕子を。

ありがとう…!

実在の人物をモデルにした舞台
「唐人お吉」では

恋人を思い 川へ身を投げるお吉を熱演。

佐久間は どのように
役に命を吹き込んできたのか。

今 いくよ!

「唐人お吉」…。
はい。

お吉に 命のやり取りをしているような
気がするんです。 佐久間さんが。

実際 演じられるとき どういうふうに
入っていかれるんですかね。

私 この話 頂いたときね

お墓参りに行ったんです。 お吉さんの。

私個人としてね。

「私なりの思いでさせていただく」って
言って

お墓に お酒を回して お参りをして。

それなんで 何か 私が
いろんな こう… だんだん だんだん

演技の中に入っていく それを…

ですから 何か 私も 素直に
何か それを演じていかれたような…。

そうですね。

皆さん方に 納得していただかないと。
「納得」?

見てるお客様にね。

そういう意味でも 本当に 何か…
お吉じゃないと。

うそは…。
あっ…。

本当に…

そういうことで

素直に まあ 私なりに演じて

それは あの… 観客にも
伝わったんじゃないですか。

決して うそな芝居っていうのは
私 しませんから。

ちょっと 話題を変えまして…。
はい。

女優さんをしているんだけれども
家庭もあって 子育てもして

これ 人を演じるという仕事の中で

きっと 何か 影響があるんじゃないかと
思うんですけれども。 そうですね。

結婚して 子どもが出来て。

それで ちょうど まあ 本当に

NHKの大河ドラマ

「おんな太閤記」なんてやってたときには
1年間でしたからね。

お前様は
その時々のお勤めを

精いっぱい なさりたいと
おっしゃっておられた。

あれは偽りじゃったのか。

大河ドラマ「おんな太閤記」。

佐久間は 豊臣秀吉の妻・ねねを演じ

大河史上初となる女性単独主演を務めた。

秀吉が ねねを呼ぶ「おかか」は
流行語にもなり

佐久間の名は
幅広い世代に知られるようになった。

とても 秀吉殿のおかかは務まりませぬ。

当時 プライベートでは
俳優の 平 幹二朗と結婚し

双子の子育ての真っただ中。

しかし 佐久間は どんなに忙しくても

心に決めていたことがある。

私のモットーとするのは

仕事が忙しくても 決して…

どうするかっていうと やっぱり
稽古場で もう 全部 覚えて。

もし あれでしたら 子どもたちが
全部 休んだあとに せりふなんか…。

そういうことはしてました。
そうですか…。

「おんな太閤記」のときに 私が高校生で。
お子さんは…?

幼稚園から
学校に上がったころですかね。

ですから…

小さいときから そういうところに

なじませるのは
あんまり好きじゃなかった…。

そんな佐久間の意に反して

息子の岳大が
突然 会社を辞め

役者の道に転身した。

デビュー作は…

しかも 佐久間と幹二朗の息子役。

直前まで何も聞いていなかった
佐久間にとって

寝耳に水のことだった。

僕には母親なんかありません。

そう…。

「鹿鳴館」…。
はい。

親子3人で共演されたんですよね。
そうです。

何か… 思いがあるんじゃないですか?

全く 俳優の基礎を… まあ 息子
岳大ですけど したことがない子が

息子役で出るっていったとき…

芝居の訓練もしてないのに

急に こんな「鹿鳴館」という
三島由紀夫の原作の。

普通の やっぱり
勉強をなさった方たちも

なかなか難しく…
役でしたからね。

佐久間さんで言えば
夜行列車に乗って

500km向こうで
次の仕事が待ってるっていう

そのプロセスを学んできた
佐久間さんにとっては…

もう とんでもない…。 とんでもない!

とんでもないんですけど
まあ いろいろありましたけど

見事に演じたんですね。
ああ…!

それをもって…

そうなんですよ。 そうそう そうそう…。

そうですね。 私も小さいときにね
この世界に入るとき

「反対!」「反対!」で。

でも 結局 最後は 自分の意思で
こうなってしまいましたけれども。

そうだと思いますね。

親だって そのときになって
腹立たしいこともあるし

いろいろ 感情もあるから
そういうことで

バッと怒ってしまうことも
あるかもしれないけど…

どうして?
ハハハ…!

佐久間は 82歳になった今でも

毎年 舞台に立ち続けている。

今年10月には
オーケストラの演奏に乗せて

自身が作った詩を朗読した。

テーマは「ブナの森」。

数年前 白神山地を訪れたときに

ブナの新芽が芽吹く様子に
胸を打たれたという。

そんな佐久間の詩に
インスピレーションを受けたのが

世界的に活躍する指揮者の西本智実。

今回のコンサートを企画した。

佐久間さんの
お書きになった詩をですね 読みながら

また さらに 何か こう…

いろんな想像が
わき立ってきまして。

そういったものが…

63年にわたる女優人生を

立ち止まることなく歩み続けてきた
佐久間。

そのエネルギーは どこから来るのか?

佐久間さんは こう いつまでも

前に 前進する 前進する
というふうに見えるんですけど

エネルギーは何なんですかね?

最終的には やっぱり…

だから 好きだったから
どんな つらいことも

耐えられたと思います。

だから
ここまで来られたんだと思います。

自分自身がね
わき上がるもので仕事してきて…

何ていうのかな
不安じゃないんですけど

謎めいたところにいるんですよ。

数年で還暦なんですけど 自分が
どうなっちゃうのかなと思ってましてね。

私も 何か… 何かをしなくちゃっていう
決めてしまうと

何か そこへ
向かわなくちゃならないでしょうね。

だから そういうことじゃなくて…

自然体。

ですから その「ブナの森の物語」を
書いたときも 自然ですよね。

「ああ… そうだ そうだ。
あのとき見たものを

書いてみようかな」とか

そういうふうな
自然に思いついてくるんです。

忙しい日々の中

佐久間の心を癒やしてきたのが

飼い犬の存在。

犬について
日々 不思議に思っていることを

遠藤に尋ねた。

話し言葉。
うん。

ああ そう…!

言語を持ってるわけではありません
犬は。

だけど…

犬には。
ああ…。

何か こっちの心情を
すごく分かるような気がして。

動物への興味は尽きない様子。

続きは このあとで。

後半は 舞台をスイッチ。

あっ こんにちは…!

どうぞ 今日も…。
どうも ようこそいらっしゃいました!

よろしくお願いいたします。
こちらこそ。 ありがとうございます。

佐久間が訪れたのは
東京大学にある総合研究博物館。

これも全部! はあ~…!

東大が収集した さまざまな分野の
専門資料が保管される この博物館に

遠藤が解剖した標本も

ずらりと並んでいる。

すごい よく集められましたね!

これは先生が集められたの?
僕一人で ここまでは できないですよね。

何人もの人が長い時間かけて…。

うわ~ たくさん。

こちらは
遠藤が監修した骨の展示スペース。

これ サイのね。 どうぞ どうぞ。

瀬戸物みたいなもんですよ。

重量感 どうですか? いかがですか?

どれどれ…。
どれどれ どれどれ…。

すごいな…。
結構 重いです。
重い。

ふ~ん…!

この中で一番 大きいのは あれですか?
これですよね。

何か 想像つきません? 何でしょう?

頭の骨です これ。
頭…。

ゾウですね! これ アジアゾウですね。

メスのゾウです。
それが死んだときに引き取ってきて

最後 骨にしました。
頭蓋骨に下あごですね。

解剖なさって
少し乾かさないといけないんですか?

骨って奥のほうにありますよね。

そうすると…

そういうことを繰り返して
ここまで きます。

ただ 一回 作っておけば
100年でも200年でも

博物館には残すことができますね。

骨っていうのは 本当に
いつまで たっても…

先生の…

はい。
その理由は どういう…?

私が付けてしまった名前でね

どのぐらい浸透してるか
分かったもんじゃないんですけども。

「解剖学」っていうと 世の中では…

それ ちょっと悔しくてね。

僕は…

これ 新しい学問として
育てたほうがいいなと思って

それで「遺体科学」というふうに
名付けましたね。

動物のなきがらから
その進化の歴史を読み解く

「遺体科学」という学問。

遠藤は 動物が死んだと聞けば

種類を問わず引き取り メスを入れる。

人は彼を「解剖男」と呼ぶ。

これまでに遠藤が解剖した動物は
国内外合わせ 数百種類にも及ぶ。

研究で明らかになったことを
広く知ってもらうため

専門書以外にも
さまざまな場で発表している。

解剖することによって
どんなことが分かってくるんですか?

あの… 死体を前にしたときに

やれること 研究って
いろいろあると思うんですね。

私が 一番 興味を持っているのは…

それは きっと その動物の死体から

解き明かすことができると
思うんですね。

佐久間さん 例えば お仕事で
戦国武将の奥さんを演じられる。

戦国武将が そのときに何をしていたか
奥さんが 何を言ったか

歴史を研究しないといけませんよね。
そうですね。

例えば お寺を訪ねると

戦国武将が書いた 武士が書いた手紙が
残ってる可能性があります。

それを
まず調べるというのがありますね。

それから 少し後の時代に
歴史書が たくさん書かれますよね。

そのときに信長が どうだったか…。

歴史書を調べるのも
歴史学者の仕事ですよね。

そうですね。

だんだん
体の中身を見ながら「そうか!」。

歴史があるんですね。
履歴が 経歴があったんだなというのを

見つけていきます。

今まで そうなさってらして
面白かった動物なんて いるんですか?

なるほど。

アザラシの仲間に バイカルアザラシ
っていうのがいるんです。

ロシアのバイカル湖に住んでる…。
ええ バイカル湖の。

これがですね ものすごく
目が大きいんですよ。

眼球が大きいんです。

で 頭蓋骨に…
我々は 頭蓋骨に

目が ちゃんと
入ってますよね。

はみ出てしまって
上とか横とかが…

それは 解剖して
分かったことですか? はい。

よく 水族館で観察してても

「目の大きいアザラシだな」とは
ふだんから言われておりました。

我々 解剖しますと 大きさを測り

この頭蓋骨に対して
妥当な大きさの目っていうのは

このぐらいだろうって当たりをつけて…

今でも 北極海に

祖先と
ほぼ同じであろうアザラシがいます。

そうすると そのアザラシは
まだ目が大きくないんです。

ああ~…。
これ 2つ 比べると

ちょうど サケが
川を上ってくるみたいに…

その間に…

…っていうのを
過去を見てきたようにね

語ることができる。

まさに…

仕事の場所をご紹介しましょう。 どうぞ。

博物館の中には
遠藤が解剖や標本作りを行う部屋がある。

骨を取り出す過程を見せてもらった。

開けてみましょう。

「煮骨機」と呼ばれる この機械。

解剖した動物を入れ
38度前後で ゆっくり加熱し

2~3週間かけて肉を溶かしていく。

一体ずつ 網に入れ
ほかの動物と交ざらないようにしている。

これはマーコールという
ヤギの一種の骨だ。

よいしょ!

最後は 水洗いして
余分な肉を そぎ落とす。

ヨーロッパなんか行くと

フランス革命ぐらいのときに作った骨が
まだ 普通に活躍してるわけですよ。

ですから 私も 自分が作ってるものを…

…と思いながら 最後 洗うわけです。

こうやって また一つね
骨が出来上がって

博物館の収蔵庫に
加わってくれるわけですね。

いろんな動物がね いますけれども

大きいものって すごい ゾウみたいな
そういうものも そうでしょ?

そうですね。 最大級になると
ゾウ… アフリカゾウなんていうのは

7トンとかね 体重がありますよね。

それは どうやって運ぶんです?
あっ なるほど!

例えば 動物を飼育する建物の中で
死んでしまったというときには

最初に考えなければいけないのは
何はともあれ これをつり上げて

車に載せられるとこまで どうやって
ずらそうかというのを考えます。

そこまでの間は 基本…

それと すでに そのときから

解剖の最初の刃物を入れる
という意味では作業が始まります。

ああ~…! その現場で?
ええ。 …というのは

5トンだ 7トンだというのが
一塊になって倒れていたら

塊のまま動かすことは不可能ですよね。

そうすると
これ 解剖の前に

死体に刃物を入れて…

…ということを
現場で行いますね。

そうですか。
時間はかかります。

先生 お一人じゃなくて
何人か お弟子さんとか…。

そうですね。
もう 大きなものが死んだときには

学生と一緒に取りかかります。

それが またね…

ああ そう…! 実際に現場でね。

僕の研究室を出て
東大を卒業していったときには

そういう仕事が 自分で できるように
なっててほしいと思うんですね。

ですから 必ず
経験をしてもらうようにしてます。

ああ そうでしょう。
はい。

先生 その 命の死と
向き合ってらっしゃるけど

そのとき 何を
一番 大切にしてらっしゃいますか?

自分の扱ってるものは

死んでしまっていても…

…っていうのが 心のうちでは

僕を突き動かしています 常に。

それが 自分が
この仕事を 遺体科学をやって

死につつある命と
向かい合ってることの

自分なりの意味 動機ですね。

…という そういう気持ちです。

ああ…。
死んでしまってるんですけれども

博物館で 私が解剖して
何か 発見をして。

で 骨として
また 歩み始めてるんですよね。

そういう…

気持ちのやりとりかな?
…を死体と共にね

やってると思いますね。

解剖してらっしゃると
あれでしょうけど やっぱり

その動物と 何か
会話みたいなことがあるんでしょうか?

ハハ… なるほど。

死んじゃった動物が
口 利くわけもないのに

私 語りかけてますね。
ああ~…。

僕が そこの骨は丸いと思ってたのに
解剖してたら とがってた。

これ
大切な発見の一つだと思うんですね。

そのときには…

心のうちでは
語りかけながらやってますね。

そうすると 動物は
答えてくれるのかしら?

言葉では答えてくれないですけども
自分の指先で

目で見るだけじゃなくて
結構 指先で触って

形を 自分の頭の中に入れるんです。

佐久間さんが 演じる相手に
語りかけてるんじゃないかと

勝手に思ってるんですけれど。
フフフフ…!

そうですね。

対話ですね。 対話ですね。

1965年 東京で生まれた遠藤。

動物好きなのはもちろんのこと

鉄道などの乗り物も
大好きな子どもだった。

これは 幼いころ
毎日のように眺めていた「交通の図鑑」。

中でも 一番 心惹かれたのは…

次第に 動くものの仕組みに
興味を持つようになっていく。

そんな遠藤が 解剖の道へと進む
きっかけとなった出来事が…。

今でも 強烈に記憶に焼きついている。

解剖するようになったのは
いつごろからなんですか?

原体験という意味では

私 たくさん 動物 飼ってたんですよ
自宅で 幼いころ。

で 金魚が好きでね。

これに 死なれたこと ありましてね。

死んでしまうのは悲しいんですけども

悲しんでるより先に…

昨日まで元気だったのに
翌朝 起きてきたら

裏返しになって浮いてたわけですよ。

で 母に「何で 死んだんだ」って
しつこく聞いた覚えがあるんです。

小学校の2年か3年でしょうか。
あんまりしつこかったんでしょうね。

めんどくさかったんだと思うんですよ
母親は。

そこにあった事務ばさみを
取ってですね ぽんと渡して。

…って ぽんと渡されたんです。
ああ~…。

これは 「解剖」と呼べるようなものでは
ありませんが

はさみで切り出したということが
あります。

そこが やっぱり 原点なんでしょうか?
原体験でしょうね。

あの… 何が分かるでもないですよ。

理屈も勉強しているわけではないですし。
だけど

非常に鮮やかに覚えていますね。

動物の生と死への関心が高じ

東京大学へ進み
解剖学を研究するようになった遠藤。

1999年 ある発見で注目される。

上野動物園のジャイアントパンダを解剖。

中でも ずっと 疑問に思っていた

器用に動く…

クマって こう 爪の生えた…

何つったらいいんでしょう…
がさつな手で

シカとかウサギとか捕まえて
食べる動物ですね。

本当はね クマの仲間というのはね。

…っていうふうに思っていたんです。

佐久間さん 病院で CTスキャナーって
入ったことあります?

あります あります…。

ふだんは 人体を入れてる
装置なはずなんですけど

パンダの手を
あの筒に入れて。

そうすると…

…を見せてくれる装置なんです。

そうやって 骨のつながり方が
画になって出てくると

今まで… どうやら 指らしいものが

一生懸命 数えると
6つあるといわれていたのに

私が見ると 7つ目が
見えてくるんですよ。

それが 僕の発見の瞬間です。

どんなお気持ちでした?

普通 発見って 学者って

新しいことを発見すると
うれしいんですよ。

「これは自分の仕事だ」って。

パンダのときだけは…

「おそろしかった」? ああ…。

70~80年前には

6本目の指でパンダが生きてる
というような研究も

大々的に発表されてます。

「何で 今 自分だけが
違うことに気が付いているの?

なぜ 自分だけが こんなことを
発見しつつあるの?」…。

これは… 畏れです。

あの… 大したことない発見は

ちょっと うれしいな
っていう程度なんですよ。

だけど パンダのときは…。
これまでにないものを…。

おそろしかったですね。
ねえ そうでしょうね。

パンダの7本目の指の存在は

世界中の動物学者を驚かせた。

その後も 遠藤は 数々の発見を重ね

人生をかけて「知る」ということを
追求している。

人生においてね
「知る」っていうことね

それは やっぱり
テーマだと思うんですよね。

ものを知るって。

人との巡り会いとか自分の体験とか
そういうこと あって

やっぱり 知るっていうことは
やっぱり その人間が

深くなっていくんじゃないかと
思うんですけど。

人間って…
人を人たらしめるものって…

今 科学とかね 研究とかが
こういう言われ方するんですね。

私が パンダの指の本数を数えても

別に どっかの会社さんが
潤うわけじゃないですよね。

これは…

昔 「聖書」にね

「地球の周りを宇宙が回ってる」
って書いてあったときに

一生懸命 望遠鏡を作って

毎晩 星を見た天文学者っていうのが
います。

彼らは 気付いてしまったんですね。

…っていうことをね。
それ 無意味ですかね?

いやあ… やっぱり…。
非常に意味あることですよね。

人間が知って…

僕 これがね

人間のやれる 一番 大切な
本質なんじゃないかと思います。

それが 僕にとっての
「知る」という意味ですね。

そうですね。 それで
「知る」っていうことは やっぱり

それで 気が付くっていうことも
大切ですよね。

動物の進化を研究してきた遠藤だが

人間の進化については
どう考えているのか。

これから 人間は
どう進化してってしまうんでしょう。

人間が これから
どう進化するかですか? う~ん…。

何になるんでしょうね?
ねえ。

ちょっと この 人間ってものが
ヒトってものが

頭が良くなりすぎた。

良いというかね…

どんなに ある意味
粗暴な動物であったとしてもね

ライオンがシマウマを殺す。
そこまでじゃないですか。

ところが 人間はね
もっと よけいなこと考えますね。

ものすごく いっぱい
燃料を使ってね

地球の温度が
上がっちゃってるわけですよ それで。

そうそう そうそう。
これ 人間 住んでいけなくなるの

早晩 見えてますよね。
そうですよね…。

進化するのには
それなりに時間がかかるので。

…ような気がしますね。

戦争を起こすのも
人間の その頭脳ですよね。

どっかに悪い部分がありますよね。

ところが この大きな脳みそは
絵を描くことができますね。

科学でいえば
「宇宙とは何か」を語ってますよね。

哲学だったら
「人間とは何か」を語ってますよね。

だから この…

映画を作る。 舞台を創造する。

もう これ以上はない 人間の頭の
芸術的な使い方だと思うんですよ。

僕は その辺に 人の未来を

少しでも
いい方向に向けていくヒントが

あるんじゃないかなと思います。

よく 私は 分かりませんけれども

いろんなものを 今まで演じてきて…

そろそろ 終わりの時間。

けれども 佐久間には
どうしても聞きたい質問が。

やっぱり 犬のことだ。

…って言いますけれども
ことわざがあるけど

犬は 心情っていうのは
分かるんでしょうか?

はい! 犬の場合には
そういう また 能力を持っていてね。

もともとがオオカミだっていうことも
恐らく それと関係が深くて。

お互い同士が コミュニケーション
取ってるんですよね。

オオカミ同士が 同じ群れの中でね。

どういう気持ちを持ってるのか。
何を欲してるのか。

それを 連絡を取り合って生きてきた。
そういう もとの姿があってね。

こっちの気持ちを読んでるんですよね。

しっかり分かってるんですよね。
分かりますね。

それとね 一つね…

何か「クンクン…!」って言ってるから
夢見てるんだなと思うんですけど

現実とは異なった夢っていうことを
認識するんでしょうかね?

どうやら…

何を見てるかは 最後まで
分かんないんじゃないでしょうか。

何か いろいろ
記憶が混ざったりするせいか

夢ってのは 必ず
現実とは破綻した

何か 全然 違う
おかしなところがありますよね。

犬も そんなの見てたら面白いですね。
そうですね。

好きなことを
続けてるということでしょうかね。

しかもね 「うそのない芝居でなきゃ
いけない」って おっしゃいましたよね。

本当の気持ちね あれが

科学者が のめり込んでるところと
もしかしたら 似てるんですよ。

やっぱり 本当に
真実を突き詰めてらっしゃる。

でも これだけの作品を
残していくっていう そのエネルギーね。

もう すごい…!

生まれ変わります!