美の壺 スペシャル「和菓子」[字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

美の壺 スペシャル「和菓子」[字]

世界に誇る食の芸術「和菓子」を大特集!500年続く老舗の生菓子から、京都の極上あんこ、十勝のおはぎ、金沢の和菓子旅まで、和菓子の「美」に迫る90分拡大スペシャル

詳細情報
番組内容
季節を巧みに写す「生菓子」。300年前以上前から受け継がれてきたデザインの秘密!▽京都の老舗がかまどでじっくり炊く極上「あんこ」に、北海道・十勝の農家がとれたて小豆で作る絶品「おはぎ」▽2.5cmに50枚の花びら!精緻な「干菓子」を生み出す、スゴ技の木型!▽果物の化石?!気鋭の和菓子作家が作る、スタイリッシュな和菓子▽茶人に和菓子を学ぶ!木村多江の金沢和菓子旅▽角野卓造×草刈正雄の謎の対決?!
出演者
【出演】草刈正雄,木村多江,角野卓造,【語り】木村多江

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

テキストマイニング結果

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キーワード出現数ベスト20

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  19. 江戸時代
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   ごあんない

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えっ ちょ… ちょっと。
ねえ ちょっと!

困りますよ そんな 勝手に上がられちゃ。

それに私 あなたに
お礼される覚えはないんだ。

まあまあ そうおっしゃらずに。

受け取ってくださいな。 ほら。

あっ 和菓子だ。

日本を代表する食文化の一つ 「和菓子」。

日本人は古くから お菓子を多彩に彩り
楽しんできました。

そんな和菓子の魅力を「美の壺」が大特集!

季節の移ろいを巧みに写す「生菓子」。

300年以上前に書かれた見本帳。

デザインの秘密とは?

京都では 職人が昔ながらのかまどで炊く
極上の「粒あん」。

小豆の名産地といえば
北海道・十勝地方。

風味豊かな 取れたて小豆で作る
絶品の「おはぎ」。

産地ならではの味わい方とは?

そして和菓子を生み出す道具
木型の知られざる製作現場に密着。

精緻な型を作る 職人のスゴ技は必見です。

私 木村多江も
菓子どころ 金沢へ。

食べて 作って 和菓子の魅力を探ります。

今日は時間を拡大して お届けする
「美の壺」スペシャル。

食べて おいしい。 見て 美しい。

和菓子に秘められた美を
たっぷり味わい尽くします。

室町時代後期 京都で創業し
500年続く老舗の菓子店。

毎朝9時の開店に合わせて
店頭に並ぶ菓子があります。

作りたての生菓子です。

どれも色や形に
趣向を凝らしたものばかり。

主に茶席や行事などの
もてなしに使われてきました。

店では 生菓子の品ぞろえに心を砕きます。

大体 一年で 150種類ほどの生菓子を
ご用意しております。

生菓子には季節ごとのモチーフが
こまやかに表現されています。

10月は 緑から黄色 赤に色づく かえで。

秋が深まるとともに移ろう様を
一枚の葉に表しました。

11月は「初霜」。

今にも消えてしまいそうな霜の風情を
新引粉という米粉で表しました。

11月も下旬になると
りんごが ほんのり色づいて…。

深まりゆく秋を 小さな菓子の中に
見ることができます。

和菓子屋に立ち寄って頂ければ

そういった季節感を感じて頂けるのでは
ないかと思います。

今日 最初のツボは…

和菓子の多彩なデザインは
どのように生まれたのか?

この店に貴重な資料が残されています。

こちらが…

元禄8年 1695年のもので

現在の商品カタログにあたるような
資料です。

今から 300年以上前に作られた
和菓子の見本帳。

当時は まだ砂糖を使う菓子は高級品。

顧客の多くは公家や武家 豪商など
裕福な人々だったといいます。

見本帳には菓子のデザインと
その名前 「菓銘」が記されています。

「なすび餅」と名付けられた白い菓子。

夏の野菜 白なすの姿を もっちりとした
ういろうで かたどりました。

こちらも春の風物詩の一つ。

意匠だけ見ると すごくシンプルな
お菓子ではあるんですが

「水山ぶき」という趣のある名前が
付けられていまして

上下段の黄色が やまぶきの花の色

中段が川の流れを表しているというふうに
言われています。

鮮やかな黄色の花を咲かせる「やまぶき」。

その美しさは
「万葉集」などにも詠まれてきました。

つくね芋を使い しっとり仕上げた生地を
黄色に染めて表現。

あんを使った生地を川の流れに見立てて

水辺に咲き乱れる やまぶきの情景を
表しました。

こちらは「友千鳥」。
群れ飛ぶ千鳥の姿を表しています。

千鳥は冬の風物詩として
和歌や俳句の題材にもなってきました。

白小豆で作った 蒸しようかんに

千鳥に見立てた小豆を散らして
表現しました。

この時代に そういう上生菓子を
楽しんでいた人たちというのが

お公家さんだったり 武家だったり
裕福な商人層だったり

そういう知識も持った人たちの
階層だったので

古典文学に関しての知識が
あったりですとか

美術に関する知識ですとかっていうのを
想像を広げることで

目の前にない自然の情景も
想像できたりとか

古くからあるストーリーに
思いをはせることができたりとか。

和菓子というものを楽しんでいた
というのは

見ていると すごく
よく分かるかと思います。

こうした和菓子のデザインは
職人の手で緻密に形づくられます。

薄紅色の生地で作るのは 3月の生菓子。

それを木型に詰めて…。

菓銘は「手折桜」。

たなごころに春が咲きました。

2月には同じ生地を使って
違う花を作ります。

生地に白小豆の粒あんをのせて
5弁の花びらに仕立てます。

砂糖蜜を塗って 艶を与え…。

そぼろにした黄色いあんをのせたら
梅の花に。

菓銘は「寒紅梅」。

寒さの中に咲く 一輪の紅梅が
春の訪れを告げてくれます。

3等分というのは比較的 簡単なんです。

4も わりと簡単です。

やっぱ 5というところが
すごく難しいところで

それをやはり いかに きれいに5弁を
作ってあげるかというところが

非常に難しいところだし 一年間 四季…

こちらは6月の生菓子。

薄緑に染めた あんをこして
そぼろにします。

あん玉を 白あんと求肥を練り上げた
生地で包んだものに

そぼろにしたあんを
少しずつ つけていきます。

水辺に生い茂る草むらの姿。

菓銘は「沢辺の螢」と名付けられました。

歳時記のごとく
季節をこまやかに表現する。

和菓子ならではの美しさがあります。

さあさあ 寄ってらっしゃい
見てらっしゃい!

3色だんごに 草だんご。
忘れちゃならない おかきにせんべい。

私は入れ歯で 歯が立たない。

持ってけ ドロボー!

いや あの…
気持ちは うれしいんですけどね

私 あなたのこと知らないし
お礼をされる覚えはないんで。

何を今更。 問題!

問題?

私が好きなのは 粒あんでしょうか?

こしあんでしょうか?
え?

だから 私が好きなのは
粒あんか こしあんか。 どっち?

えっ… 粒あん!

正解! ほら 私のこと
ちゃんと分かってるじゃない。

適当に言っただけじゃないの。

粒あん たっぷりの大福には
濃い~お茶が よ~く合うよね。

ねっ?

お茶? お茶ね お茶。

そう お茶!

京都市西京区にある
明治16年創業の老舗菓子店。

店先には きんつばや まんじゅうなど
20種類近く。

ふだん使いの和菓子が並びます。

午前7時 厨房では まず
日もちしない餅菓子を作ります。

つきたての餅で作るのは
創業時からの看板商品。

北海道産の小豆を
やわらかめに炊いた 粒あん。

かつて 農作業の合間のおやつとして
重宝したという

食べ応えのある餅菓子です。

午前9時 餅菓子が一段落したら
次は日もちする菓子を。

はちみつを入れた生地を
銅板で じっくり焼いて

どら焼きを作ります。

こちらも あんこ。

餅菓子より かために炊いた粒あんが
しっとりした皮と ぴったりなんだとか。

あんこは こんな姿にも…。

「きんつば」です。

丹波の大納言を使ったあんを寒天で固め

小麦粉と もち米の粉を溶いた生地を
つけて焼き上げます。

口に入れると ほろりと崩れ
小豆の食感が存分に楽しめます。

お店によって 力の入れようは
いろいろやと思うんですけど…

でも やっぱり
お菓子として成立するのは

皮とのバランスであったりとか
するんですけど

最終的には お菓子の形になる時に

あんこにかかる…
余分なと言うと あれですけど

必要以上の細工は 生菓子に関しては
あんまり かけないようにっていう。

あんこは店で一から作ります。

この日は 粒あん。
北海道産の大粒の小豆を使います。

まずは「渋切り」と呼ばれる下準備。

小豆をゆでると あくが出てきます。

渋みや苦みが残らないよう
下ゆでして煮汁を捨てます。

次に圧力鍋にかけて 豆をやわらかく。

小豆は ふっくら ゆで上がり
倍ほどの大きさに。

それを あんこにするのは「かまど」。

小豆と砂糖を銅鍋に入れて
炊いていきます。

混ぜるのは機械ですが
火加減は職人の手作業。

ガスを試みたものの
やっぱり かまどに戻ったのだとか。

くぬぎです。

(取材者)何か くぬぎを使った理由って
あるんですか?

最後まで じんわりと燃えていくんです。

温度自体は ガスとかより低いんです
木の場合は。

確か 800度とか。
ガスの場合は 1, 200度とか言いますしね。

豆に ダメージがあるんかな?とは
思ってるんですけど。

じっくり火を通しながら およそ1時間。

へらに粒が残るくらい
とろみが出たら…。

これで OKです。

粒あんが出来上がりました。

艶やかに光る 赤い粒。

豆の姿を残しながらも しっとりと
仕上げた 店自慢の粒あんです。

バチッと決まった時は
やっぱり最高の味が出ます。

やっぱり ガスでは出せへんレベルの味に
仕上がることがあるんで…

今日 二つ目のツボは…

あんこを語るうえで欠かせないのが小豆。

赤い色には魔よけの意味もあるとされ
さまざまな場面で使われてきました。

江戸時代になると砂糖の流通が増え

甘い小豆のあんこが
広く作られるようになります。

街道筋の宿場には名物のまんじゅうや
あんころ餅が登場。

あんこの菓子は
人々の楽しみになりました。

今 国内で生産される小豆の9割以上が
北海道で作られています。

中でも一番の産地が十勝地方。

昼夜の寒暖差が大きいため

でんぷん質を豊富に蓄えた小豆が
育つといいます。

10月 さやが茶色く色づいてくると
小豆が熟してきた合図。

農家では収穫を前に
小豆の出来を確かめます。

今年の小豆は どうでしょう?

これは いいですよ。
きれいに そろってますね。

風味豊かで あんこに最適な品種と
いわれる「エリモショウズ」。

小豆を育てるのは 手間がかかるのだとか。

ここで今年 作ったとしたら

8年後じゃないと いい小豆が取れない
というふうに言われてるんですよ。

小豆らしい風味と…

この日 農家の女性たちが集まり
今年の小豆の味を確かめます。

地元 十勝で いち早く取れた
エリモショウズです。

明るいルビー色は 新鮮な証し。

最初に作るのは 粒あん。

水に入れて やわらかくなるまで
1時間ほど煮ます。

やわらかくなってきたら お砂糖 入れて
今度こねて 水分 飛ばしていきます。

取れたての小豆は あくが出ないため
渋切りをしません。

豆が やわらかくなったら 北海道の甜菜で
作った上白糖で甘みを加えます。

ここからは今度 あんこになるまで
かき混ぜながら

焦がさないように煮ていきます。

地元の農家に生まれ育った
前佛由美子さん。

あんこは 子どもの頃に食べた味を手本に
作るといいます。

どうしても見らさりますよね。

取れたての豆は 水分量に むらがあり
煮える時間に差がありますが

粒のさまざまな食感を味わえるのだとか。

今年のエリモショウズの粒あんです。

粒あんができたら まずは おはぎに。

包み方は家庭によって さまざま。

新豆ならではの やわらかな口当たりが
優しい粒あんのおはぎです。

もう一つ 新豆をおいしく頂く
十勝のおやつ。

小豆と合わせるのは 地元で
取れたばかりのジャガイモ「キタアカリ」。

潰して かたくり粉を加え よく混ぜます。

甘く煮た小豆に
丸めたイモを入れれば出来上がり。

私の小さい頃には 夕食 ごはん足りないよ
といったら おしるこ出てきましたね。

小豆を炊いた中に
だんご作って こうやって投げ入れて

浮いてきたら出来上がりだからね
というふうに。

イモと豆さえあれば 簡単にできる。

香り高い取れたての小豆と
新ジャガの甘みを頂きます。

収穫の合間のひととき。

秋の実りを こうして仲間と味わいます。

小豆を炊いてる時から
豆の香りが すごいするので

やっぱり新豆という感じは受けます。

やっぱり他の方も…

十勝の大地で育まれた小豆。

今日も多くの人に愛されています。

あ~ 和菓子には やっぱり お茶だね。

全部 食べちゃった。

ご心配なく。 まだまだ あるよ。

じゃ~ん おはぎ! ぼたもちとも言う。

どっちでもいいけど
あなた 一体 誰なんです?

問題!
また?

私は一体 誰でしょう?

だから それが分からないから…。

じゃあ おはぎでも食べながら
考えましょうか。

お茶も合うけど
コーヒーも いけるんだよね。

コーヒー? コーヒーね コーヒー。

お礼とか言って 人使いが荒い。

やっぱり こいつは半殺しかな。
それとも…?

1, 000年を超える菓子文化が根づく京都で
愛されてきた和菓子があります。

「干菓子」です。

箱ぎっしりに 四季折々のモチーフ。

2~3センチほどの小さな菓子に
表情豊かに刻まれています。

こうした趣向を凝らした干菓子は

茶会のもてなしや贈答品に使う菓子として
発展してきました。

京都・祇園で 300年近く続く老舗菓子店。

江戸時代から変わらぬ製法で
干菓子を作り続けています。

代表的なのが「打物」と呼ばれる
型を使った干菓子です。

材料は色を付けた砂糖と 蒸したもち米を
乾燥させて作った「寒梅粉」。

合わせたら ふるいにかけ 型の隅々に
行き届くよう 目を細かくします。

そして木型へ。

模様によって
型を2枚 使うものもあります。

厚みが増して ふくよかな花になりました。

この店で使っている木型は 500本以上。

季節や用途ごとに保管されています。

ここは いわゆる お正月のもの。
干支のものが たくさん。

これは寅ですね。 十二支。

こういう干支だったら
絵馬形の感じのものを使う。

寅のもんでっていう人が いないかぎり
12年に一度しか来ないですね。

使われなくなった古い木型も
大切に残されていました。

中には江戸時代に作られた貴重なものも。

今では あまり見られないデザインも
あります。

自由ですよ。 もう何かね この辺の古い
カニとかでも 何か本当に自由。

鳥も鶴も 何か
好きなように飛んでますし

何かね 面白い世界だなと思います。

生き生きしてますよね デザインがね
昔のものはね。

僕ら 何か もうすごく型に はまるような
木型だけに型に はまるじゃないですけど。

今日 三つ目のツボ…

菓子の木型を作る職人は
今では全国で数えるほどしか いません。

その一人 田中一史さん。

岡山市で3代にわたり
和菓子の木型を専門に作ってきました。

これは山桜材になります。

木目が細かいのと 水に強い あと耐久性
あと ひずみにくい。

粘りがあって 彫刻には適してます。

木型は全て オーダーメード。

その店の その菓子に合わせ
一から作っていきます。

この日 田中さんが手がけるのは…。

祇園の菓子店に伝わる 菊の干菓子の型。

江戸時代から幾度と新調し
受け継がれてきた歴史ある木型です。

この木型は2枚型。

まず上の板を作り
輪郭を下の型に写していきます。

一本の木型に 9つの模様。

花の膨らみを少しずつ
同じように彫っていきます。

ところどころで定規を使い 深さを確認。

細かく調整します。

模様は 型紙をなぞって書き写します。

まずは菊の中心。

周りを深く彫ります。

こういう断面が左右 整ってるかとか。

例えば これだったら
ちょっと ここ浅いなとか

こっち深いけど こっち浅いなんか分かる。

光の当たり具合を見て
均等な深さになっているか確認します。

再び型紙を当て 今度は花びら。

花びらは まず輪郭にだけ刀を入れます。

そして 一枚一枚に
僅かな段差をつけながら

花が立体的に見えるよう彫っていきます。

うちの場合は なるべく こう…

一本 仕上げるのに 丸2日。

最後に粘土で型を取り 彫りを確かめます。

あまたの職人によって
受け継がれてきた模様が また一つ

新たな木型に刻まれました。

お買い求めの際は よく
しっかり模様を見て 食べてもらえば

それが一番の楽しみというか
そのまま パクッといっちゃわずに

いったん こう 模様を見て頂いて

口に入れて頂くというのをして頂ければ
ありがたいですね。

僅か 2.5センチに刻まれた 50もの花びら。

この一本から数十万 数百万個の
干菓子が生まれます。

職人たちが受け継いできた
和菓子のかたちです。

半殺し 半殺し 半殺し…。

人の良さそうなふりをして 実は殺し屋?

でも命を狙われる覚えはないし…。

うん… そうか!

家を間違えたんだよ。

そうに決まってるよ。

あちっ あちっ!

あの… どちら様か存じませんが

入るうちを
間違えられたんじゃないでしょうか?

私どもは 虫も殺さぬ一般の市民でして…。

動くな!
えっ。

ほら 足元。

おはぎの小豆が「食べられたくない」って
逃げ出してしまってね。

おはぎは やっぱり米粒が残るくらいに
潰した「半殺し」が一番だよね。

半殺しって おはぎのこと?

「美の壺」スペシャル「和菓子」。

「美の壺」のナレーションを担当する私
木村多江も和菓子の魅力を探ります。

訪れたのは歴史情緒あふれる街
石川県金沢市。

日本の古き良き風情を求めて
多くの観光客が訪れます。

そんな金沢で忘れてはならないのが
和菓子。

正月は 梅をかたどった もなかを食べて
新年を祝い…。

桃の節句には おひな様と一緒に
色鮮やかな砂糖菓子「金花糖」を飾ります。

暮らしの中に和菓子の文化が根づく金沢は
日本有数の菓子どころと呼ばれています。

どんなお菓子が あるんでしょうね。

そして なぜ菓子どころなのか。 謎ですね。

まず お邪魔したのは
創業170年になる老舗の菓子店。

こんにちは。

涼しげな ようかん。

お~ おいしそう。 抹茶入り。

店頭には ようかん 落雁 もなかなど
さまざまな和菓子。

特別に おすすめを頂くことに。

きれいですね。
ありがとうございます。

いちょうと松葉と あとは弊社の
代表的な生落雁となっております。

生落雁?
はい。

なかなか落雁って 生というよりは
何か かたいイメージですよね。

そうですね。

あっ きれいな緑が出てきました。

頂きます。

落雁って ちょっと かたくて 口の中で
溶かしていく感じなんですけど

これ やわらかくて ふわっとして
それで かんだ瞬間に こう

きな粉の香りが 何とも言えない
懐かしい感じで ほっこりする。

茶菓子に ぴったりですね。
そのとおりです。

お茶菓子に使えるように
というふうなことを意識して

日々 お菓子作りをしておりますので。

ということは お茶会とかで よく
こちらでは使うってことなんですか?

江戸時代 加賀藩の城下町として栄えた
金沢。

藩を治めていた前田家は
「加賀百万石」と称される

豊富な財力を誇っていました。

その経済力を背景に
藩は さまざまな芸術文化を奨励します。

繊細な装飾を施した「金沢漆器」。

鮮やかな色絵の「九谷焼」。

地の魚や野菜を絢爛豪華に彩る
「加賀料理」。

そして「茶の湯」。

京都から茶人を招くなど普及に努め
武士だけでなく町人も たしなむように。

同時に茶席で使う和菓子も
発展していったといいます。

金沢の茶人を訪ねました。

お邪魔します。

ごめんくださ~い。

金沢の和菓子に詳しい 大島宗翠さん。

ちょっと こう
ころころっと転がして頂くと

中から ころころと
お菓子が転げ出てきますので。

よし いきます。 よっ。

ちょっと こう ころころっと
前後に くるくるっと。

ころころ あ~。
転がりますね。

ころころ…。

あっ かわいい。
まだ もう一色あるんですけど。

小さな壺から小粒の干菓子。

「振出」と呼ばれる 主に野外の茶席で
菓子を楽しむ趣向なんだとか。

色とりどりで かわいいですね。
そうですね。

まず お菓子というのは目で楽しむことが
まず大事なので 次に味を楽しむと。

ちょっと ブドウみたいな感じがする。

ブドウです。
あ~ すごい。

ちょうど ブドウの収穫の季節だもんで
何か そんなお菓子がないかなと思って

ちょっと お菓子屋さんに注文しちゃった。

こちらは大島さんが考えた干菓子。

乾燥させたブドウを もち米を使った
やわらかい生地で包みました。

色ごとに巨峰やマスカットなど
さまざまな味を楽しめるんです。

茶の湯では 茶席に出す和菓子を

亭主自ら考えることが
少なくないといいます。

大島さんも これまで
茶会のテーマに沿った

さまざまな和菓子を考案してきました。

今回 こういうお菓子を
ちょっと考えたんです。

へえ かわいい。

こちらが大島さんが今 構想中の
和菓子のデザイン。

毎回 絵に描いて イメージを伝えます。

テーマは 苔の上に色づいた葉が
落ち積もった景色だといいます。

この日 菓子職人が
試作品を持ってきました。

本日は よろしくお願い致します。
はい。

先生 こちらのほうをご拝見頂いて。

あ~。

あ~ きれい。

(大島)大変でしたね。
ありがとうございます。

大島さんの注文をもとに作った
試作が7つ。

よく見ると
色合いや質感が少しずつ異なります。

(大島)これが ういろうですか?
そうですね。

やっぱり ういろうは透明感があるから
ちょっと やっぱり下の色が写るのでね

やっぱり ちょっと くすむよね。
あ~ そうですね。

ようかんになると もっともっと
透明やから。

やはり これもね イメージとしては

やっぱり ちょっと違うような気が
するので

やっぱ こなしで いきたいと思いますね。

見せ方にも こだわります。

こういうふうに少し のぞく。

色合いが もう ほんのちょっとだけ

赤い色が濃いめにして頂いたほうが
いいような気がします。

さらに ようじで切った時の姿も確認。

やはり ちょっと ういろうは
こういうふうにして姿が崩れちゃうね。

じゃあ次 ようかんの ちょっと これね。

あ~ これは皮が やっぱり ちょっと
乾いてきちゃったかな。

これも潰れちゃって
姿が悪くなっちゃったね。

う~ん 難しいな。

こなしのほうを。

これも少し 時間的なものがあるから
ちょっと潰れちゃったけど

潰れても この辺の色のね
混ざるコントラストも

こういうところも大事なんで。

やっぱり切ってみないと
分からないもんですね。

やはり自分でね 考えて
それが形になるということは

非常に楽しいことだと思うんですよ。

本当ですね。

大島さんが選んだのは こちら。

あんと小麦粉を蒸して もみこなした
「こなし」という生地で

柿のあんを包んだもの。

…と ここで大島さんから 私も和菓子を
デザインしてみては?と思わぬ提案が。

ということで…。

秋だもんね… そうだな…。

今 ちょうど秋に向かって
季節が移ろっていく時期ですもんね。

何か そういう移ろいみたいなものが
表現できたらいいのかなって思います。

やっぱり桜っていうと
春の桜が咲いてる時期と

もみじっていうと秋の赤く色づいた時期が
あるんですけど

でも一年中 そこに存在していて
夏も春も秋も冬もあるんですよね。

だから何か 今は表面的には
秋なんだけど

でも その四季の移ろい そのものが

一つのお菓子に入ってたら
楽しいのかなと思って。

着物でいう ぼかしみたいに
やわらかい色合いになって

全体が やわらかく優しい色合いに
なってると いいのかなとか。

ごめんなさい。
とんでもない。

イメージって 言うほうは簡単ですよね。

考えるのも我々の仕事でございますので
是非 挑戦させて頂きたいと思います。

わあ すいません。

わがまま言っちゃいましたけど
よろしくお願いします。

いや こちらこそ よろしくお願いします。

代々 茶席で使う和菓子を
主に作ってきた吉橋さんのお店。

父の廣修さんも一緒に考案。

そして翌日。

こんにちは。

お二人が試行錯誤を重ねた試作を
拝見します。

わあ きれい!

わあ きれいですね。 すてき。
ありがとうございます。

もう ちょっと今 すごい気持ちが
興奮してしまいました。

ありがとうございます。 何よりです。

漠然とした私のイメージが
さまざまな和菓子に変身しました。

こちらがですね 紅葉を
イメージしたものを多めに散らしまして

秋以外の季節の彩り ピンク 緑 白を

時の流れと川の流れを掛け合わした
イメージで作りました。

こちらは金沢に「起き上がり」という

伝統的の おめでたいものが
ございますけれども

そちらのほうをイメージして作りました。

本来 真ん中に
松竹梅が飾られておりますけども

それぞれ四季の彩りを植えつけました。

こちらがですね 秋を代表する花の一つ
菊をイメージした形になっております。

その中に緑が夏 黄色が冬 ピンクが春を
イメージして形づくりました。

和菓子のさまざまな技法を使って
表現して頂いた 四季のイメージ。

上品なデザインと
華やかな色使いが印象的です。

確かに こう 障子が閉まって
雪が外しんしんと降ってて

一面 雪景色の中で
こういう華やかなお菓子が

すごく心豊かにしてくれそうですもんね。

全部 魅力的ですが これは試作。

どれか一つを選ばなければなりません。

あ~ もう本当にね どれも
あ~ 本当に捨てがたいですが

これにします。
かしこまりました。

見た目の この優しい感じ。

迷いに迷って決めた 菊の生菓子。

この美しさの裏には
こまやかな職人技がありました。

材料は3色の生地。

白あんと求肥で作る
ねりきりという生地を染めました。

それを一つに まとめ
さらに白い生地と重ね 2層にします。

これを芯にして 今ほど のばした
ねりきりを包み上げていきます。

色の付いているほうを内側にして
あんを包みます。

だんだん… だんだん 包まれていく。

簡単そうに見えるけど
これ 難しそうですね。

わあ きれい。

色は中に隠れてしまいました。

そして「三角べら」と呼ばれる道具で
花びらの模様をつけていきます。

続いて 押し棒で
花びらの表面を形づくります。

わあ 中の色が透けてきた。

最後に 菊の花びらの しべを押して。

かわいい。 このような色合いが
浮かび上がってきます。

一輪の花が あっという間に咲きましたね。

私も体験してみることに。

最後は少し こう スッと上げるような
イメージで。

押して 上げる。
こんな かわいいのを うまくできるかな。

よし 頑張ろう。

そうです それぐらいの。
あっ 出た。

でも こうやって先っちょが…
こういうのは取っちゃいけないんですか?

取ると かえって花びらの輪郭が
あれなので。

そうか だめなんだ。

同じ力加減で 同じ長さで
同じ色の出具合。

で しかも失敗できないっていう
この一回勝負。 そうですね。

完成した和菓子を頂くのは
前田家ゆかりのお屋敷。

江戸末期 13代藩主・前田斉泰が

母・真龍院の隠居所として建てた
風格ある建物です。

ここで大島さんが
茶席を設けてくれました。

まずは大島さんの「紅葉衣」。

こなしの もっちりとした生地を

柿のあんの優しい甘みとともに
頂きます。

一挙に秋の気分になりましたね。

このお色みと そして景色が

苔の上に もみじが落ちている様を
おっしゃってたので

それを想像しながら食べたら
また世界が広がっていくようで。

そして…。

秋を中心とした四季の様子を
イメージして作って頂いた私の菓子。

金沢伝統の大樋焼の器を
合わせて頂きました。

とても周りと 中の栗の味が合わさって
とっても おいしいお味でした。

あっ 中は栗でしたんですか。
そうなんです。 あ~ 秋の味ですよね。

どういう銘を
付けられましたんですか?

皆さんの話 伺ってると何か こう

すごく楽しむ心を大切に
してらっしゃるんだなと思いまして。

楽しむ心って書いて「楽心」というのは
どうだろうと思って。

あ~ そうですか。 それは いいですね。

なぜ金沢が菓子どころと呼ばれるのか?

分かったような気がしました。

楽しむということを一番に考えて

皆さんが 皆さんを喜ばせたい
自分も楽しみたいっていう

何か そういうのって
一番 大切なことかなと思って。

人としても おもてなしの心とともに
自分も喜びになっていく。

みんなが 心が豊かになっていく
世界なんだなというふうに思いましたね。

あと 今回は作ってくださる方とも
お目にかかれて

金沢の風土と伝統と技術が共にある

菓子どころといわれる
ゆえんなのかなと思いました。

半殺しって… おはぎのこと?

おいおい 大丈夫かい?

一体 あなた… 誰よ?

まだ分からないのかい。

ある時は 粒あんをこよなく愛する
謎の男。

また ある時は 半殺しのおはぎを愛する
謎の男。

謎のままじゃない。

果たして その正体は?

正体は?
おじ…。

おじ?
おじ…。

おじさん?
違う!

お地蔵さん?

木の枝が差さった 鉱物のような和菓子。

かめば シャリシャリとした食感が
楽しめる「琥珀糖」です。

こちらは無数の突起が飛び出す球体。

白小豆と ヤマノイモのあんを絞り出した
舌触りのいい生菓子。

夏に白く輝く 半夏生の葉をモチーフにした
琥珀糖。

中には ピスタチオが入っています。

どれも SNSでも話題の
独創的な和菓子です。

作ったのは気鋭の和菓子作家
杉山早陽子さん。

京都の老舗和菓子店で伝統的な技法を学び
独立しました。

和菓子の茶席菓子というのは
「万葉集」だったりとか「古今集」とか

花鳥風月を表す世界なんですけど
何か もう少し…

…というのも 一つやりたいと思った
きっかけになってます。

杉山さんは自然の造形や
さまざまな物語から着想を得て

和菓子にしていきます。

黄身あんを白いあんで包んだ球体に
さらに花のように あんをつけていきます。

使うのは 和菓子界では ほとんど用いない
絞り袋。

テーマは「種子」。

タンポポの綿毛のような球体に
無数の花を咲かせ

生命の力を表現しました。

今度は レモンの皮を使って
香り高い和菓子を作ります。

レモンや ユズなど
そのままでは食べられない果実を

人の手で食べられるようにするのが
心地いいと杉山さん。

レモンの皮と寒天と砂糖を
煮溶かしたものを合わせて「琥珀糖」に。

ゼリー状に固まったら 1.7センチ角の
立方体に切り分けてゆきます。

そして全ての角を切り落とします。

そこに クロモジの枝を差します。

すると まるで果実のような姿に。

これを一日 乾燥させると…。

表面が固まって
みずみずしい果実が鉱物のように。

この不思議な和菓子は
杉山さんの ある思いから生まれました。

でも それが ただ単に…

この菓子の もう一つの原点は中国茶。

中国茶の世界では 干した果実やナッツを
合わせることが多いことから

かんきつの和菓子を作りたいと
考えたといいます。

レモンの爽やかな風味が
花の香りがする中国茶と よく合います。

食べてなくなっても
人々の心に残る和菓子を目指しました。

今日 最後のツボは…

青森県弘前市。

390年続く 老舗の菓子店があります。

常連客が いつもの菓子を買いに訪れます。

ようかん2本ください。
はい。 小豆 お茶 黒砂糖。

黒砂糖。
黒砂糖2本ですね。

城下町だった弘前。

江戸時代には藩へ納める御用菓子を

その後は冠婚葬祭に使うまんじゅうなど

土地の暮らしに根ざした和菓子を
作り続けてきました。

中でも古い歴史を誇るのが こちら。

薄い板状の菓子が箱に ぎっしり。

パリッとかむと ほのかな甘みと
そばの香りが広がります。

どこか懐かしさを感じさせる
昔ながらの焼き菓子です。

江戸時代後期に店の4代目が考案し
弘前藩主にも献上されたといいます。

およそ250年もの間 作られてきた
伝統の焼き菓子。

生地は小麦粉に糖蜜を混ぜたもの。

そば粉をまぶしながら のばしていきます。

麺棒を使い 薄く長く。

そして 7センチほどの幅に切ります。

さらに短冊状に。

のばした生地から およそ900枚。

これを焼いていきます。

オーブンの温度や鉄板の位置によって
焼き具合に むらが出ます。

そのため 焼けたものだけを取り出し
あとは再び オーブンへ。

火の通りが早いため
頃合いを見計らいながら取り出します。

一枚一枚 形が崩れないよう
素手で素早く。

熱いうちに 形を平たく整えて出来上がり。

地元の鉱山で作られていた
金の板を模したという

歴史を伝える一品です。

うちでは一番 手間暇のかかる
頭数も一番 いなきゃならないお菓子で

粉が焼けてるもんですので
熱いことは とにかく熱いんです。

それこそ 金べらで取れば
いいんでしょうけども

なぜかしら
形が崩れたりなんかしますんで

昔から何も変わってません。

13代目の福井さんが
大切に受け継いでいる菓子が もう一つ。

粉砂糖をたっぷり まぶした「軽焼」です。

軽焼は江戸時代
全国的に流行したという菓子。

手間が かかることから
今では作る店も ごく僅かだといいます。

軽焼は この餅だねから作ります。

餅に砂糖と青大豆のきな粉を混ぜて
短冊状に切り

それを数か月かけて乾燥させました。

昔は とにかく はやってたお菓子

日本全国 はやってた
お菓子だそうなんですけども

今ね 日本国じゅうで2~3軒しか
作るとこがないっていうので。

餅だねは 代々伝わる専用の銅鍋で
焼いていきます。

鍋につかないよう転がしながら
およそ15分。

ふっくら きつね色に。

この音が軽焼の命。

しょうゆせんべいみたいなやつは
がらんどうになりますけども

これの場合…

でも全てが うまく膨らむとは
限らないのが 軽焼の難しいところ。

餅だねの乾燥具合が膨らみを左右するため
半分以上 膨らまないこともあるのだとか。

焼き上がった軽焼に
さらに もう一手間。

4代目が考案したという 味の決め手。

熱した糖蜜をかけて よく絡ませます。

熱いうちに素早く 形を崩さないように。

蜜を絡めたら砂糖の中へ。

和三盆と粉砂糖を
まんべんなく まぶします。

仕込み始めてから4か月

手塩にかけて育てた まゆ玉のような
菓子が出来上がりました。

ご覧のとおり
手間暇が かかるもんですから

ましてや今度 歩留まりが悪いし
う~ん なかなか難しいお菓子です。

上品な甘さと 軽やかな口当たりで
人々を魅了してきた軽焼ですが

手間の多さから 先代の頃まで
作る機会は ごく僅かでした。

それを福井さんは 職人にも製法を伝え

いつでも作れ いつでも客が
店で買えるようにしました。

そんな苦労するもの
作んないほうがいいっていうふうに

よく おやじには
言われたものなんですけども。

しかし例えば
確かに見た目は 品がいいし

自分で言うのも変ですけども
いい菓子だし。

今日のは うまくできました。

日常から人生の節目まで

日本人の暮らしをさまざまに彩ってきた
和菓子があります。

お地蔵さんが なぜ うちに?

そなたは いつも
和菓子を供えてくれたであろう?

あっ もしかしたら
うちの前の お地蔵さま?

うん 礼を言うぞ。

いえいえ お礼なんて めっそうもない。

甘いお菓子は みんなを笑顔にするって
いうんで お地蔵さまにもと…。

うん その優しき心…。

感謝するぞ。

あっ 私は粒あんが大好きだが

こしあんも いける口でな。

はっ。

頼んだぞ。

食いしん坊も ほどほどにしてくださいね。

♬~