逆転人生「殺人のえん罪を晴らせ 43年がかりの逆転劇」[解][字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

逆転人生「殺人のえん罪を晴らせ 43年がかりの逆転劇」[解][字]

身に覚えのない殺人の罪で、一度は無期懲役の判決を受けた男性。裁判のやり直しを求め、逮捕から43年越しで無罪を証明した。殺人えん罪の裏に秘められた人生ストーリー。

番組内容
主人公は桜井昌司さん。かつて布川事件という殺人事件の容疑者として逮捕され、無期懲役の判決を受けた。当時、判決の根拠となったのは、警察の取り調べで作られた“虚偽の”自白調書。桜井さんは、身に覚えのない殺人の罪で29年もの獄中生活を送る。日本の司法制度では、一度結審した裁判をやりなおすのは、ほぼ不可能。桜井さんは獄中から一万通もの手紙を書き、“開かずの扉”をこじ開け、奇跡的な逆転劇を巻き起こしていく。
出演者
【司会】山里亮太,杉浦友紀,【ゲスト】桜井昌司,【出演】田村淳,【語り】坂口哲夫

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
バラエティ – トークバラエティ

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ABEMA



NHK
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エンスカイ(ENSKY)

(歓声と拍手)

私は かつて
身に覚えのない殺人の罪を着せられ

えん罪被害者となりました。

今年8月 当時の捜査や取り調べが
違法だったことが認められました。

どうやって殺したのか言え!

殺人犯の汚名を着せられて 半世紀余り。

留置場や刑務所

獄中生活は
29年に及びました。

お前の兄さんは
うちに来てないと言ってる。

実際には やってません。

じゃあ なんで
あんなに細かく話せるんですか?

絶望的な状況の中で
私の危機を救った恩人が

今回 初めてテレビで証言します。

日付が打ってあっから
日付順に…

(拍手と歓声)
≪再審無罪! 再審無罪と書いてあります。

殺人のえん罪を晴らすまで

43年越しの大逆転劇。

全ての裁判が終わった今

長く苦しかった闘いの日々を
お話しさせて頂きます。

桜井昌司さんにお越し頂きました。
よろしくお願いいたします。

桜井さんは 1967年に起きた

布川事件の容疑者として
20歳のときに逮捕されました。

その後 43年7か月かけて
えん罪を晴らしました。

僕が今44歳なので 僕の人生とほぼ同じ間
ずっと闘い続けてきたと。

いや すごいですけど
淳さん いかがですか?

絶対に俺はやってないんだっていうことを
43年間 思い続けたってことに

もう まずね よく心折れなくてね
訴え続けたなと思いますし

その辺り 今日は たくさん
お話が聞けたらなと思います。

では桜井さん そもそも何がきっかけ
だったのかお話し頂けますでしょうか。

自分では ほんとに
思ってもいないっていいますかね

想定外の出来事が
続いたっていうことですね。

(セミの声)

54年前の夏。

私が暮らしていた茨城県の小さな町に
激震が走りました。

お~い。 おはよう。

最初に異変に気付いたのは
私の近所に住む男性でした。

お~い。

不自然に物が散乱した部屋…。

はあっ!

はっ…。

足首を縛られ 衣類で首を絞められた
死体が見つかったのです。

警察は強盗殺人とみて捜査を開始。

しかし 犯人につながる証拠は
一切出てきませんでした。

すると 事件から1週間がたった頃。

(ノック)
≪すいませ~ん。

は~い。

あ どうも…

あ はい。
桜井昌司くん いますか?

昌司。
(桜井)うん?

警察が 私の家に
聞き込み調査にやって来ました。

君 事件のあった日 どこで何してた?

え~っと…。

事件の捜査は難航し

警察は 町の不良を一斉に洗って
犯人を捜していました。

当時の私は ろくに定職にも就かず

母に金をせびっては
競輪で遊びほうけていました。

あげくの果てに
遊ぶ金欲しさに

盗みを働いたことも
ありました。

刹那的な興奮というか
そういうものにしか

喜びを見いだしてなかったんですかね
当時はね。

1か月後。

再び 警察が私の前に現れました。

そして突然…。

動くな!

逮捕されてしまったんです。

当初 容疑は窃盗でした。

しかし 取り調べで聞かれるのは
なぜか殺人事件のことばかり。

お前…

(刑事)よ~く考えてみろ。

桜井 お前 その日
布川に行ってたんじゃないのか?

そんなはずはありません。

(鐘の音)

その日は
夕方 競輪に出かけて遊んだあと

夜は東京へ行き 居酒屋で飲んでから

兄の家に泊まっていたんです。

アリバイしっかりしてますもんね。

私は 自分のアリバイを正直に伝えました。

しかし…。

調べはついてるんだよ。

(刑事)お前の兄さんは
うちに来てないと言ってる。

刑事は 私の記憶を
真っ向から否定したんです。

お前が犯人だってことは分かってんだよ。

(桜井)だから… やってません。

もう逃げられないぞ。

私は 近所に住む不良の杉山と共に
犯行に及んだと決めつけられました。

取り調べは 連日深夜まで続き…

それが非常に こう…

逮捕から5日目。

私の言い分を一向に信用しない刑事は

私を 嘘発見器にかけました。

もう逃れらんないぞって言われた瞬間に
ポキッと ほんとに

ほんとに折れましたよね。

殺人した覚えなど ない。

でも 連日続く取り調べで
疲れ果ててしまった私は

ひとまず犯行を認めて

裁判で真実を明らかにしてもらおうと
思いました。

認めちゃうんすね…。

けど… 俺が犯人じゃないと分かったら…。

クビを覚悟してもらいますからね。

そんなことを言ってるから
いつまでも俺に世話焼かせんだよ!

やってもいない罪を認めると
調書作りが始まりました。

刑事が作ったシナリオに沿って
私が自白していきます。

ええっ。

名前んとこに ぼ印押せ。

反抗すれば
また 苦しい取り調べに戻ってしまう…。

そんなにつらい取り調べなんですね。

その年の暮れ
私は強盗殺人事件の犯人として

杉山と共に起訴されました。

私は殺人をしていないし
物的な証拠も何一つない。

裁判所なら
私が無実だと理解してくれる。

そう信じて疑いませんでした。

ご起立下さい。

ところが…。

あなたの自白は

犯行を実際にした者でなければ
答えられないような内容ですね。

いや… これは 何回も刑事から
取り調べを受けてるうちに

しゃべれるようになってしまったんです。
実際には やってません。

私が必死に否定しても
裁判官は聞き入れてくれません。

証拠が一切ない中 あの自白調書が
有力な証拠と見なされました。

そして…。

主文 被告人両名をそれぞれ…

(心臓の音)

(桜井)有罪だと思った瞬間に 心臓の音が
耳に だんだん だんだん届いてきて

ここに心臓がついてるように もう
何も聞こえなくなっちゃった。

ドッキン ドッキン ドッキンって
音がして。

私は 身に覚えのない殺人事件の

犯人にされてしまったのです。

いや ちょっと衝撃だったんですけども。
(桜井)はい。

淳さん まず いかがでした?

この苦しい状況から早く抜け出したいから
ウソでもいいから調書をまず協力して

まず この苦しいところから逃れよう
っていう桜井さんの そんときの気持ち。

そんなつらい状況って
想像つかないんですよね。 そうですよね。

絶対に ありえないことじゃないですか
やってないことを… やったって言って。

しかも やってること作文ですもんね。
そうそう。

で 出来上がったものが
自分を一番苦しめる証拠になるって…。

それが証拠になるっていう感覚は
えん罪者はないですね。

はあ~ まず。
ですから その絵空事に協力することが

大変なことになるという現実感は
ないんですよ。

なるほど。
しかも二十歳の少年ですもんね。

ほんとに あんちゃんが ちょっと…
なっただけですからね。
うん。

ただし 自分自身が ほら

疑われてもしかたのない
生き方してたじゃないですか。

そういう負い目が
やっぱり ありましたよね。

こういうふうに
言われてしまうかもしれないと。
それは ほんとね。

どうやって
自白調書って作られたんですか?

山ちゃんが じゃあ 今 こっちに
迎合すると思って答えて下さいね。
はい。

8月28日 夜 25度を超えてる。

長袖か半袖かって どっち答えます?

まあ 半袖ですね。
半袖ね。

色は どんな色?
えっ 色?

夏 8月。

色は まあ 基本的には白…。
ああ 白ね。 と こうなるんです。

じゃあ 今のTシャツのやつが
「いや 黒ですかね」っつったら

白に持ってかれちゃうんですか?
「黒? そうか?」って聞くんですよ。

あ 違ってるなって分かるじゃないですか。
「紺」「いや違うな」って言うんですよ。

「じゃあ灰色」
「いや違うんだな」とかって。

ええっ。
ですから 何でも

彼らの都合よく考えてしまって。
そっか… え~。

今日は えん罪事件に詳しい
指宿 信さんにもご参加頂いています。

指宿さん
よろしくお願いいたします。

よろしくお願いします。

指宿さん これ 警察はどうして

桜井さんと杉山さんをここまで
犯人として追い込んだんでしょうか?

今だったら こういう事件が起きたら
その周りの防犯カメラの映像を

徹底的に集めて 犯人を調べようと
追跡しようとすると思うんですが

当時は そういうのないですから
その土地のですね

素行のよくない人たちを
片っ端から調べて

その中でアリバイがはっきりしない人に
目星をつけて絞り込んでいく。

それが
杉山さんと桜井さんの2人だった。

一度そういうふうに決めつけてしまうと
人というものは

違う仮説をもう求めなくなるんですね。

これは心理学の世界で
「確証バイアス」と呼ばれている現象で。

だから 無実だ やってない
というふうに反論しても

もう聞き入れてくれないんですね。
え~?

その自白調書が
裁判所で認められてましたね 指宿先生。

日本の刑事裁判は基本的に
非常に迫真性のある

真犯人しか語れないような
作文で調書が作られて

それが裁判所に提出されて

客観的な証拠よりも
この自白調書をもとに

有罪判決が
ずっと出てきている。

…という気持ちに
なってしまってるんですね。

いや 淳さん すごいことですね これは。

だから簡単に
その証言も ねじ曲げられるし

真実っていうところに到達することの
調書ではなく

都合のいい証言を誘導していくっていう
調書になっていくって

ここは もう
ものすごく怖いとこだなと思いますね。

思いがけず殺人犯にされてしまった私。

東京拘置所に送られました。

ふるさとでは 父と母が
「殺人犯の親」とレッテルを貼られ

肩身の狭い日々を送っていました。

(桜井)ほんとに
親不孝の極みっていいますかね…。

ずっと ずっと こう…

私は 判決を不服として控訴。

ですが 裁判は遅々として進まず

結局 母は 私の罪が晴れるのを
見届けられずに

亡くなってしまいました。

事件の報道は すぐにやみ
世間は私のことを忘れていきました。

しかし 地獄で仏とは
よく言ったものです。

私の無実を信じてくれる
心強い味方が現れました。

弁護士の柴田五郎さんです。

…って言ってましたから。

うれしかったですね。
もう ほんとにうれしかった。

このままでは
裁判では勝つことはできません。

支援してくれる人を増やして

その人たちに
裁判を見守ってもらわないとだめです。

これは えん罪だと
世間に知ってもらいたい。

私は 柴田さんにすすめられ

ある人権団体に
手紙を出すことにしました。

はい はい… あ はいはい。

お手紙です。
あ… 少々お待ち下さい。

「日本国民救援会」は 戦前からある団体。

政治弾圧の被害者や
労働問題などへの支援をしてきました。

しかし 助けを求める声が
続々と寄せられるため

私の出した手紙は
なかなか読まれなかったようです。

それでも私は 手紙を送り続けました。

お手紙です。
あっ そこ置いといて下さい。

お願いします。

すると ある日。

あ… また小菅の拘置所からだ。

偶然 手紙に目を留めてくれた人が
現れました。

当時 会計事務員として
働いていました。

係じゃないのよ。
だから読んじゃいけないのよ。

フフフフフフッ!

本来ならば。 でもね…

(高橋)あら~ じゃ これ
何か訴えじゃないかしらって。

それでね 日付が打ってあっから
日付順に開けて読んじゃったの。

やっぱり繰り返し もう基本は変わらない
助けて下さいだからね

それは信じると思うよ。

(取材者)何回も何回も
書いてくるんですか?

一生懸命。

勝子さんは 上司に
私の支援を訴えてくれました。

ここから始まるんですね。 だから。

さらに 支援に理解がある方々の名簿を
切手まで添えて送ってくれたんです。

桜井。
(桜井)はい!

手紙だ。
はい。

勝子さんのくれた手紙は
獄中の私に垂れてきた 蜘蛛の糸。

いちるの望みを託して 私は名簿の方々に
無実を訴える手紙を書き続けました。

(セミの声)

拘置所から
一日に送ることができる手紙は10通まで。

蒸し暑い夏も 凍てつく冬も
休むことなくペンを走らせ

5年間をかけて
1万通の手紙を書きました。

心がけたのは
自分の過去を正直に書くことです。

手紙には 過去に泥棒をしていたことも
包み隠さずに書きました。

(桜井)小さな もし ウソついたら

ああ あいつは
ああいうウソを言うんだから

こっちもウソだと思われるのが嫌で
ウソをつけなくなった

つかなくなったっていうのはあります。
間違いなくね。

(刑務官)桜井。
はい。

(鍵を開ける音)

すると 少しずつ
返事をくれる人が現れたんです。

「がんばれ」。

そのひと言に
どれだけ励まされたことか。

さらに 奇跡が起きました。

手紙を受け取った人たちが集まり

裁判のやり直しを求める活動まで
始めてくれたんです。

(高橋)公民館なんかで借りて
事前学習したり

で 現地を見たり… やったのね。

だけどさ
そもそもさ… 無実なんだからね。

無実なんだからね。

31歳のとき 私の無期懲役が確定します。

(扉が閉まる音)

刑務所で やってもいない殺人の罪を
償うことになりました。

鉄格子に囲まれ
一人 出口の見えない日々。

拘束期間が長引くと

外の世界への焼けるような衝動が
湧き上がってきました。

(桜井)「あ~ だめだ だめだ」と思って
深呼吸して…

…と こう
深呼吸しながら抑えたんですよね。

私が刑務所に入って5年後

柴田弁護士の呼びかけで
集まった弁護団が

裁判のやり直しを求める
「再審請求」をしてくれました。

しかし 再審が認められるには
高いハードルがありました。

無罪を明らかに示すような証拠を
新たに発見したときっていうのが

刑事訴訟法435条6号に規定があるので

まあ それがやはり
まずハードルなんですね。

「開かずの扉」ってことを
まず よく言われまして。

再審なんてことは
ほとんど考えられない

というのが 日本の司法の
実態として続いていた。

弁護団は
裁判のやり直しを実現するため

検察に 取り調べ時の録音テープや
供述書を公開するように

強く求めました。

開示請求した証拠品を
早く出して下さい。

(佐藤)そういう回答ですね。

証拠開示は一向に進まず
8年がかりで審判が下されました。

再審請求は…

名誉を回復する機会は
結局 与えられませんでした。

桜井。
はい。

上がりだよ。

上がり!?

49歳のとき
私は 刑務所での態度が認められ

仮釈放を言い渡されました。

あの逮捕から
すでに 29年の歳月がたっていました。

いやぁ… 分厚い壁 開かずの扉

全く開く気配もなく
何年もずっと闘い続けて

仮釈放ということですけども。

その えん罪に翻弄された桜井さんの人生
年表にまとめてみました。

ご覧頂いたように
二十歳のときに逮捕され

そこから留置場 拘置所と11年過ごします。

その後 無期懲役が確定して
刑務所に収監されるんですが

18年 過ごすことになります。

桜井さん どういうふうに
過ごされてきたんですか?

31歳で無期が確定したときに
「人生は一度限りだし

今日は1日しかない。
だったら 刑務所に行っても

明るく楽しく生きてようじゃないか」と
思ったんですね。

どうせ一回きりの人生ですからね。

仕事するときは 仕事一生懸命。

靴 縫ってたんですけど
法務大臣賞もらったこともありますし。

音楽クラブがあったんです。
えっ やったりするんですか?

ええ。 下手なトランペット吹いてました。
へえ~!

そこで作詞作曲 覚えて
一応 シャバへ出てきて

CDなんかも出しましたし。
へえ~!

歌手もやってますんで。
そうなんですか?

すごいですね。
(桜井)はい。

闘いの中で 何とかこう 自分でね
いろいろ見つけ出して。 そうですね。

でも あの1万通…
俺 手紙を1万通 書いたことないから。

5年間ですよ。

しかも その 同じね 思いを
ずっとつづって。

お手紙を通じて その 桜井さんの無実を
信じてくれる人たちの存在が

どんどん どんどん
増えていったと思うんですが。

自分に寄ってきても
何の得もないじゃないですか。

そん中で寄ってくる人ほど
本物っていいますかね。

だから 何の疑いもなく信じられる人と
出会えるっていうのは

こんな 人間として爽やかなこと
ないんですよね。

そのうちの 支援の輪が広がる
きっかけとなった

高橋勝子さんですよね。

その高橋勝子さんから送られてきた手紙を
今日ちょっとお持ち頂きました。

いろんなことが書かれてるんですが
本人の許可を得ましてですね

ちょっと
代読させて頂ければと思います。

これは 桜井さんのご実家に

勝子さんが
行ったときのことなんですけれど

そこで お線香をあげたときの
お手紙なんですが…。

…とつづられて
いるんですよね。

いかがですか?

つらいですね。

思い出しますね ほんと。 はい。

高橋さんの存在は…。

もう やっぱり高橋さんって ほんとね
姉であり 母であり。

すごく自分は えん罪になったおかげで
いい人たちと出会えたって思いがあって

だから不思議ですよね。

過ぎてしまった過去を悔やんでも
取り返しはつかないですしね。

だったら あした あることに対して
いいことがあるように

生きていくしかないっていうのが
自分は 29年間失っての思いなんで。

もう一つ桜井さんを支えたのが
当時つけていたノートなんです。

いくつか今日 スタジオに
お持ち頂いています。

拘置所の時代から つけていらっしゃった。
(桜井)書いてましたね はい。

毎日起こった出来事などを
日記として書かれていて。

もう ご本人も分からないほどの
冊数あるそうなんですが。

(桜井)そうなんですね。

これ いきなり びっくりしたんですけど
すごいたくさんの方のお名前が

びっしり書いてあるページが
あるんですけど これ…。

(桜井)それは支援者の方のことを
忘れないようにと思って書いといた。

はあ~ すごい方々。 たくさんの。

わあ~。 「もう何度 同じ言葉を
書いただろうか」から始まってるな。

「私は自白をしました。
それは 嘘の自白でした。

でたらめな自白を理由に
犯人とされているのです」。

この文章は もう
桜井さん 何度も書いてる文章ですよね。

何百回 何千回書いたか分かんないです。

仮釈放された私は
ふるさとに帰ってきました。

(桜井)自分のお金で
自分の生活するなんていうこと

したことない人間なんでね。

それが50歳になって シャバへ出てって
果たして できるんだろうかっていう。

そうですよね。

私は 知人の紹介で
新たに建設現場の仕事を得ました。

心に固く誓っていたことがあります。

…という思いで 一日一日を
全力で尽くす生き方を開いたっていう。

毎日懸命に生きていると
思いがけない縁に恵まれました。

難しいなあ。

普通だったら
いくらでもできるのに。

(桜井)いい格好すっから。
フッフフ!

恵子さんとは 知り合いの新年会で出会い
意気投合しました。

私は 殺人のえん罪で仮釈放の身であると
包み隠さずに伝えました。

すると なんと交際を申し込まれたのです。

あ そういう人なんだ と思ったけど
それよりも もっと別な印象があって。

そのことが
私にとっても

生き方の上でプラスになる
っていうのがあったから。

支えるとか そういうことよりも
一緒に過ごす時間の中で

自分も共有できることが喜びだった。

仮釈放から5年。

私は 裁判のやり直しを求めて
再び立ち上がりました。

わびてほしいとも思わないし
わびたことで許すとも思わないし。

許す代わりに やっぱり彼らがしたことを
ずっと追及していきたいと

私は思ってますけども。

実は 弁護団が検察に
証拠開示するよう求め続けた結果

ある検察官が思いがけないことを
打ち明けました。

すごい…。

腹立ってきましたね。 こんな隠して
許されるんだっていう思いでしたよね。

弁護団が
粘り強く証拠を開示するよう求めると

新たに 120点以上の証拠が出てきました。

…と私たちは思いました。

新たな証拠は
これまで裁判で認められてきた

「有罪の根拠」を揺るがすものでした。

例えば 遺体から推察される
犯人の殺害方法。

あれ…。

新たな証拠の中には

検察が長年「存在しない」と
言い続けてきたものもありました。

当時の取り調べを録音したテープです。

弁護団と共に そのテープを聴いたところ
私は ある異変に気が付きました。

すいません。

おかしいというと?

えっ…。
≪何だって?

そこで このテープを音声分析の専門家に
鑑定してもらうことになりました。

自白テープを分析した専門家が
鑑定結果を法廷で証言する場が

設けられました。

≪えっ?
≪何だって?

あなた 今
大変なことを言っておられること

分かっていますか?

ですが… これは紛れもない事実です。

テープの音声を映像化して
分析したところ

録音が中断されたり 編集された跡が
13か所も見つかったのです。

(中田)この赤い線
これが時間軸上に存在するノイズですね。

これは 本来であれば
ずっと入ってる必要あるんですね。

ただ ここで切れてますね。

真ん中で…

そこを鑑定した結果…

…ってことが
分かりました。

(途切れるノイズ音)
おお…。

(途切れるノイズ音)

なぜ 途中で録音を止めたのか。

(途切れるノイズ音)

それは
取り調べで誘導していることを隠し

私が進んで自白しているように
見せるためだったと思われます。

(舌打ち)

そんときは ぶん殴ってでも
金とってやろうと思ってました。

うわあ…。

ぶん殴ってでも
やってやろうと思いました。

(刑事)で? それからどうした?

その後も 嘘発見器の結果が
警察の出任せだったり

都合の悪い目撃証言を隠したり

私たちが犯人であることを揺るがす事実が
次々と明らかになりました。

裁判所は 次のような判断を示しました。

裁判のやり直しを求め続けて 26年。

裁判所はついに 再審開始を決定しました。

(拍手と声援)

2011年5月 やり直しの裁判で

運命の判決の日が訪れました。

≪再審無罪!
再審無罪と書いてあります。
(拍手と歓声)

≪43年の闘い 再審無罪というふうに
書いてあります。 (拍手と歓声)

逮捕から43年。

多くの人に支えられた
逆転無罪の判決でした。

(拍手)

いや でも とんでもない闘いだったんだな
ってのを見て思いましたけれども。

桜井さん 無罪を勝ち取ったときの
お気持ちって いかがでしたか?

再審で無罪になったときは ただ1つ!

「無罪」って
言われた瞬間 スッと肩が軽くなった。

肩の荷を下ろすってね。

だから あれだけしか覚えてないですね。
は~。

ほっとしたっていうのもありますけどね。

ちなみに この布川事件なんですけど
真犯人は見つかっていないんですね 今も。

なので 改めて桜井さんのお話も含めて

えん罪事件って
ほんとに何も生まないっていうか

悲しみしか生まないっていうのを
ほんとに すごく感じますよね。

被害者の家族の方もね いらっしゃるし
いろんな思いはあるでしょうから。

今回 NHKでは 茨城県警に対し
取材を申し込んだところ

次のような回答が寄せられました。

…ということでした。

腹立ちますね。

「引き続き」っていう言葉は
日本語的に言えば

「今までと同じに」ってことなんですよ。
その間違ったことを

間違ったとも思ってないっていう。
そっか。

なぜ その…
テープを編集するのか。

で その編集した人は
今 どういう気持ちでいるのかとか

その証拠があるのにも
それを倉庫に置いとこう

で 保管し続けたことに
力を貸した人たち

この人は今 桜井さんに対して
どんな思いでいるんだろうとか

組織怖いし 人間が怖い。
うん。

向こうが謝りにきたとか そういうのは?
ないですね。 ひと言もないです。

ただ自分は 真面目な警察官が
多いとは知ってるんですね。
うん。

私はやっぱり その真面目な警察官が
真面目でいられるように

ウソを言ったら
あんたが責任取りますよっていう法律

作ってあげたいなと思ってるんですよね。
うん。

最後に桜井さん いくつか詩を残していて
今日は その中でも1つ

桜井さんご自身に
朗読して頂こうと思っています。

はい。 「待つ」っていう詩で

自分が 社会 出る日を待ったりね

いろんな思いをつづった詩の
ちょっと 一部分なんですけど。

事件から54年。

ようやく自分に背負わされた呪縛から
解き放たれました。

自由! ハハハッ。

全てを離脱したような感じ。

ほんと不思議ですね。 もう ほんとに…。

(すすり泣き)

まあ…

…しかないですね。

生きられて ほんと楽しかったんで。

父ちゃん 母ちゃん

今 俺の上には
こんなに自由な空があるよ。