又吉直樹のヘウレーカ!「なぜボクは酔っ払いたくなるのか?」[解][字]…の番組内容解析まとめ
出典:EPGの番組情報
又吉直樹のヘウレーカ!「なぜボクは酔っ払いたくなるのか?」[解][字]
1月はお酒の機会が多く酔っぱらうこともしばしば。「酔い」を神経科学で読み解くと脳内で何が起きているのかが浮かび上がり、お酒との程よい付き合い方が見えてくる!
番組内容
「酔っ払う」とわかっているのについ飲みたくなる経験、ありませんか?酔いのメカニズムは、実のところ謎だらけ。大阪大学名誉教授の小倉明彦さんは神経科学の分野から「酔い」にアプローチ。するとアルコールは脳内の報酬系に作用することが判明。そして、脳の抑制性の神経系に影響を及ぼすことが分かった。そう、酔っぱらって現わになる姿はあなたの本性かも!?お酒との程よいつきあい方を探りたいみなさん、必見です!
出演者
【司会】又吉直樹,【解説】大阪大学教授…仲野徹,【ゲスト】村上健志,【語り】吉村崇ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
テキストマイニング結果
ワードクラウド

キーワード出現数ベスト20
- 抑制
- 又吉
- 先生
- お酒
- 自分
- 本性
- 本当
- アルコール
- 面白
- アセトアルデヒド
- アッツ
- 知識
- 二日酔
- 料理生物学
- 快感
- 記憶
- 授業
- 状態
- 大体
- 分解
解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気の配信サービスで見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?
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(又吉)そうですね
お酒は好きですね。 はい。
週に多分
全く飲まないのは
1日 2日とかですかね
仕事がなければ。 はい。
僕は 大体 ビール 最初飲んで ウイスキーを
ソーダ割りで 飲む感じですかね。 はい。
そうですね。 とりあえず
仕事が終わったあと 寝れないんで
一旦 お酒飲んで 終わったよ みたいな
雰囲気を作って 寝ることが多いですかね。
はい。
ありますね 何度か。
残らない感じでやったつもりが え~
起きた時に あれ? 最後の一杯飲んだ時と
ほぼ同し酔い方してるなみたいな。
ちょっと 計算違いみたいなことは
ありましたね。
毎回 思いますもんね。
あの 朝起きて 苦しい時とか
昼間ぐらいに なんか
トイレに駆け込んでる時とかに…
…って思うんですけど…
これは 何なんでしょうね。
不思議ですよね。
いろんな失敗 もっとあるでしょ?
ねぇ 又吉くん。
(小倉)
又吉さんは お酒で だいぶ つらい思いを
されたことがあるみたいですね。
そうですね 主に 二日酔いですかね。
はい。
でも なぜ そんなに つらい思いしながら
飲むのか 不思議だって
おっしゃいましたけど むしろ
そのほうが自然っていうか
当然なのかもしれないという気もします。
ああ そうですか。
苦しみながらでも 飲みたくなるっていう。
えっ 二日酔いで苦しむのに それでも
飲みたくなるって どういうこと?
♬~(テーマ音楽)
♬~
大阪大学名誉教授の小倉 明彦さん。
専門とは別に 小倉さんは
「料理生物学」という講座を開き
大人気だったんだ。
そのテーマのひとつが 「酔っ払う」だった。
♬~
料理生物学。 料理っていうのは あの…。
その料理ですよね。
お料理の料理ですよね。
生物学。
そうじゃなくて もっと身近なものに
感じてほしいっていうので
料理生物学っていう名前にしたんです。
なるほど なるほど。
学生さん 授業をすると
面白いっていう顔は全然してなくて。
もう まじめに こう 本に向かって
先生に向かって ノートとってんですね。
それはね とっても悲しいことで。
先生方が面白いんだよって言ってるのに
学生さんが面白くねえって顔してるのが
とっても しらけるんですね。
もったいないですね。
だから 僕が料理生物学ってしたのも
料理に限らないけど 科学って
面白いんだよっていうことを
実感してもらおうというふうに
思ったところが きっかけなんです。
♬~
先生 僕たちは…
うん。 なぜ お酒を飲むと 酔っ払うか。
へぇ~! えっ いろんなこと
わかってますよね。 でも 人間は もう 今。
…であるという意味では それは
わかっていると言うべきでしょうけども。
麻酔。 はい。
はい。
脳の中には 興奮性の神経と
神経系というべきですかね。
抑制性の神経系というのがあって
ふだんは…
微妙なバランスですが
バランスを取って
ちょうど いいところに
社会的に ちょうど いいところに
振る舞いを決めているわけですけども。
酔っ払いますと 抑制のほうが
先に外れちゃうんです。
ふん ふんふん。
そうすると。
興奮が残る。
興奮が残る。
結局は こちらも 麻酔されて
結局は バターンって
いっちゃうってことなんですけども。
ほんまに酔っ払ったみたいに
なりましたね。 お酒を飲んで 先に…
ああ。
理性で ふだん
バランスを取って隠している。
なるほど。
酔っ払うと 脳の神経系に作用をもたらす。
酔っ払ったから「豹変する」っていうより
酔っ払ったときの姿こそ
本性っていうことか…。
又吉さんの周囲にですね 酔っ払うと
急に 態度が豹変するとか
そういう方 いらっしゃいません?
たまに いますね。
暴力的になったりとか
声が大きくなりすぎたりとか
っていう人は見たことありますね。
急に泣きだしたりとか。
いますね。
急に笑いだしたり 急に怒りだしたりとか。
はい。
そうですよね。 お酒が こと
その人の隠れた性格を表してくると。
う~ん。
僕 酔ったら むしろ 人なつこいというか
あんまり こう そうですね。
つんけんしない感じですかね。
飲んでないときのほうが
緊張してるかもしれないですね。 ほう。
な~んて言ってるけど 酔っ払った
又吉くんに困っている後輩芸人が
いるんだって…。
誰ですか。
わかるな もう 誰か。
これ 声 変える必要あります?
迷惑かけてるみたいですね 僕も。
でも わかります。
やりたくなるのが。 これ 村上ですよね。
フルーツポンチの。
(村上)どうも。
やっぱりや。
そうなんですよ。 すいません。 又吉さん。
そういうとこ ある?
困ってます。
そんな困らしてることはないと思うけど
ただ わかります。
解放される感じはあるんで
そういう なんか とこありますね。
自覚してます それは ある程度は。
又吉さんの本性は 実は…
おふざけ人間であったということなんじゃ
ないでしょうか。
その興奮も取れたあとやと
思うんですけどね。
いやいやいや あれは ホントに。
飲み始めると。
興奮状態。 状態で しかも わからないのが
その 変な声出す 変な顔するって
基本的に 目的って
人に笑ってほしいじゃないですか。
うん そやな。
みんな マジで あれ やられる後輩って
本当に困ってるだけなんで。
なるほど。 困らせたいっていう。
やったあかんこと やりたいんですよね。
う~ん なるほど。
やったらあかんことの中で 一番やっても
大丈夫なことを やりたいんでしょうね。
はぁ あははっ…。
本性 本性の部分かもしれないですね。
そういう意味で言うと。
本性が現れるって言いましたけれども
もしかすると その本性を
理性で覆い隠してる そこが本性なのかも
しれないっていう気もしますけどね。
そこが その人の知性であって その知性を
出せるか出せないかが本性なんだって。
そうなんすよ。 だから 本当は
理性で隠してる それを取っ払って
本当の自分を出したいけど
出せないのもあるでしょうしね。
出したくないのに出ちゃってるのも
あるでしょうしね。
僕らの脳の中には 興奮する神経と
抑制する神経が 半々あって。
っていうか どっちかというと
抑制のほうが
多いかもしれないぐらいの数 あって。
…っていうことが 示すことがあります。
このカップに
熱~い紅茶が入ってたと
思ってください。
はいはい。
そのカップを持ち上げたら 熱かった!
その時 どんなリアクション します?
普通に熱かったですよね。
熱かった。
アッツ! ですよね。
ですよね。
だけど このカップは 実は
1脚50万円するんだとします。
はぁはぁはぁはぁはぁ…。
その時に熱い紅茶が入っていた。
そしたら。
アッツ アッツ アーッツ。
アッツ アッツ。 アッツイ。
やばい 50万円のものなんかを
普通に使うんじゃなかった!
めっちゃ ちゃんとやってくれる。
想定をはるかに上回るぐらいの
忠実に再現してくれましたね 先生。
そうですね。
そこまで求めてないから 怖かった。
怖いとか ないですよ。
めっちゃ やってるやんて。
アッツってなるけど こう。
今 イメージしただけでもなりましたもん。
熱いけど 大事に。
多分 やけどのほうを取るっていう。
うんうん。
熱いものを触ったら
手を離すっていうのは
もう これは理性の問題じゃなくて
反射で。
動物は熱ければ 痛ければ
手を引っ込めるわけですね。
そこを 僕たちは…
これは離しちゃいかんと思ったら…
すごいな。 でも これ 僕ら 意識しないで
自然に ふだんやってることですけども
実は 裏に抑制があるってことの
表れですよね。
確かに だから 熱くなくても
そうですよね 先生。
安いものやったら 割と こう
すぐ あげれるけど
高いって聞くと ゆっくり触るもんな。
なんか 高いものは。
先生 その説明聞くと 僕は やっぱり
基本ずっと 変な顔したり
変なこと言ったり むちゃくちゃしたい
っていうのは ずっと あるんです。
自分の中で 一定で。 子供の頃から。
子供の頃 それをやってて 注意されたり
気持ち悪がられたりしたから
人前では やらんとこうって止めて。
だから 僕 ギャグとかネタとか作るとき
考えてないです ほとんど。
はい。 やっていいよって言ってもらって
やってるから
他の人より そういうの 作ったりするのは
楽なんですよ 僕は。
やっていいよってのが
抑制の解除なんですね。
いわゆる 僕の芸風がやるような
ギャグじゃなかったりするもんな。
もの静かな又吉さんしか
知らない人からすると
この物静かな人が 急に これを
やったっていう笑いになってるけど。
ってことですもんね。
そうそうそう。
本来は それが僕が一番 気持ちいい表現。
お笑いのライブで
自分の打席が回ってきたから
解放してやっちゃうっていうのは すごい
共通しますね 感覚としては。
神経科学の神髄が 実践されてらっしゃる。
先生 決まりましたね 先生の理屈が。
いや マジに でも わかりますわ。
だから 何のフリもないのに 変な顔したら
やっぱり 変な人だけど
やっぱ その抑制の解除のタイミングが
合うと 変な顔が お笑いにつながる。
けど…
そう。 それは あの なんて言う…
そのシステムに乗っかりたくない。
わざと外して 俯瞰で見て
困ってるみんなと 自分も込みで
俯瞰で見て 面白い状況が
整ってるんですよ。
飲みの席まで フリがバシバシ決まって
変な顔 何してるんですか
一件落着じゃないんですよね。
いかに なんて言う…
トラブルを起こすかっていう。
そうですね 笑わせたいんじゃなくて
変な顔をしたい。
そうそうそう。
♬~
又吉さん ビール
お好きだってことでしたけど
飲んでると 塩辛いもの欲しくなったり。
ああ なりますね。 はい。
ここに 「燻製ソーセージ」って あるから
頼んでみましょうか。
そうですね。
じゃあ 燻製ソーセージをお願いします。
えっ 先生 自由だなあ…。
ソーセージはテーマと関係ないでしょ…。
おいしそうだけど。
ビールなんか 1リットル飲むと
おしっこ1.2リットル出すっていうぐらい。
おしっこを出しやすくする作用が
あるからなんですね。
あの 水を出しすぎちゃうというか
脱水症状 起こすんですね。
これも さっき言った抑制なんです。
脳は ふだんは 尿を作ることを抑えてる
抗利尿ホルモンっていうので
尿を ここでは作るなよっていう
抑制の命令が出てるんですけど
それが麻酔されてしまうと 抑制が
抑制されて 尿を作っちゃうんですね。
そうすると 体から水が失われる。
それと一緒に 塩も失われる。
そうすると 体は 水と塩とを
両方 欲しがるはずです。
だから それを 僕らは お酒を飲むと
ちょっと しょっぱいものが食べたいね
っていうのは 自然な欲求。
塩が食べたいと思わせるように
脳がしむけて その塩の補給を図っている。
水の補給を図ってるんですね。
しょっぱいつまみが欲しくなるのは
そういうことか!
おいしそうですね。
おいしそうですね。
実は 僕の料理生物学の授業の中でも
ソーセージを自分で作るっていうのが。
(2人)へぇ~!
あの なんて言うんですかね
ハイライトの一つの講義でした。
学生が自分たちで肉を挽いて 腸に詰める。
さらに 燻製にして試食するまでが授業。
燻製の中には さまざまな「化学」の要素が
詰まっているんだって。
♬~
たき火をたいたりして煙が目にしみるって
そういうジャズもありましたけど
経験ありません?
あります あります。
たき火が目にしみるのは
木を焼いてというか
不完全燃焼させたときに メチルアルコールとか
フェノールとか クレゾールとか
ホルムアルデヒドとか
そういう気体が出てきて
それが目に刺激を与えて しみるんですね。
つまり 毒なんですよ。
燻製を作るっていうのは
まさに殺菌してるんですよ。
ホルムアルデヒドの薄い溶液
ホルマリンといいますけれども
ホルマリンって いろんなものを
生物の標本だとか 保存するために
防腐剤として使うわけですよね。
それは 要するに 細菌にとって
毒だからですよね。
消毒になるわけですよ。
こういう ねらいなんですね。
料理生物学では 焼き肉をしながら
牛の胃の構造などを学んだり
ラーメンを作りながら
タンパク質の変化を感じたりする。
これが 小倉流 化学の楽しみ方。
こんな授業なら 絶対にサボらないなあ。
今 何が起きてるのっていうことを
実際 体験することで
知識の身体化 知識のからだ化とか
身体化って 僕は言うんですけども
知識が 教科書の中とか 本の中から
あるいは 授業の中からの話じゃなくて
自分の体験で 実感する。
っていうのを 面白さの中で伝えたい
というふうに思って 始めたんですね。
僕の講義って 大体 こんなふうにですね
どんどん 話が脱線していって
神経の話から 歴史の話だとか まあ
全然違うとこ 脱線しちゃうんですよ。
知識が 断片的な知識が こう つながって
こう リンクして 輪になるって。
科学の醍醐味の一つだと 僕は
思うんですけど そう思われません?
思います 本当に。
思いますし 何か 一つの研究が独立して
深めていったら それこそ 他のこととか
異ジャンルと関わりながら 深めていくと。
あっ それでいけんねや そっちのやり方で
みたいなことが できていったりして
より深まっていくから
いいんじゃないかなと思いますね。
いや めちゃくちゃ楽しいですよね。
ただ その もう もともと…
…っていうのが だいぶ遠い記憶になって。
確かに何の回やったか 全く忘れてました。
お酒です。
♬~
うわっ。
ん~。
こんにちは。
小倉先生と又吉くんがやって来たのは
東京 芝。
♬~
ここに 23区で唯一の
日本酒の醸造所があるんだ。
♬~
ビルのベランダで米を蒸し
上から下に 材料を移動。
4階建てという特徴を生かして
日本酒造りをしている。
♬~
蒸した米を冷やして いよいよ仕込み。
(寺澤)ここ 寒いですよ。
大体10度から15度です。
日本酒造りに重要な温度管理。
ここに 22坪という狭さが有利に働く。
広~いとこで造ると
温度管理は むしろ しにくい?
(寺澤)そうなんです。 はい。
お酒の出来を左右する水にも
東京らしい特徴がある。
東京の誇る…
う~ん 水道水でやってるんですか。
はい。 なんか意外ですね。
お米とか お酒とかって なんか
お水がおいしいとこで
つくるっているイメージが
なんか あったんですけど。
東京の水は 高度浄水処理をされて
不純物の少ない
お酒に適した水なんだって!
ちょうど 京都の伏見の
酒どころのお水に よく似てます。
う~ん。 そうなんですね。
知らなかったですね。
意外に あの 意外に思われる方 多いです。
へぇ~!
杜氏の寺澤さんは 規模が小さいから
さまざまな工夫を重ねた
酒造りがしやすいと言う。
(寺澤)3週間目ぐらいですね。
ああ 生きてる生きてる。
♬~
う~ん。 う~ん。
生きてるんですか?
生きてる生きてる 生きてます。
お~ ほんまや。
日本酒は「生き物」。
ほら 発酵が進む音が聞こえませんか?
(発酵の音)
すごい いい匂いですね。
そうですね。
水道水をね 東京都の
使ってるっていうので。
はい。 それだけでも なんか
飲んでみたくなりますよね。
はい。
ああ 甘みのある匂いですね。
どんな味なの? 又吉くん。
うん おいしい。
ああ。
香りと味で こう
マッチしてる感じ しますね。
うんうんうん。
あ~あ 又吉くん そんなに飲んじゃうと
また二日酔いになっちゃうんじゃないの?
大丈夫?
でも 寒い日に キューッと一杯。
たまらないですよね…。
ああ 僕は飲めないんですけどね。
♬~
先生 なぜ 酔っ払うのかっていう
メカニズム
わかってないってことでしたけど。
最初に そういうフリだったのに
すっかり忘れてしまいました。
もともと その話でしたよね。
…は わかっているんですか?
あの… 大体のところは わかってます。
なんですか それ。
これ アルコールだというふうにします。
アルコールって 体の中に入りますと
血液で肝臓に行って 肝臓で代謝されて…。
アセトアルデヒドという分子になります。
アルコールデヒトロゲナーゼっていう酵素が働いて
アセトアルデヒドができます。
アルコールが分解されて アセトアルデヒドに
アセトアルデヒドは 更に分解され 酢酸
そして 炭酸ガスになって吐き出される。
これが アルコールの体内での分解。
これ スムーズに こう行ってくれれば
アルコールは体に残らず
炭酸ガス 息になって
出て行ってくれるわけですが…。
このアセトアルデヒドが分解されて
酢酸にする。
酵素が人によって
活性が大きく違うんですね。
で 人によると これが 体の中に
長い時間 残って いろんな悪さをします。
交感神経系を刺激してっていうか
亢進させて いろんなことを起こします。
例えば 顔が真っ赤になるとか 逆に体表の
血管を縮めさせるから 青くなるとか
交感神経ってのが活動するときには
闘争的な状態になるんで
けんかっぱやくなるとか
文句を言いだすとか
気持ち悪くなったり 吐き気を催したり
そういう 体の生理的な反応が
一連の反応が起きてくる。 だから
アセトアルデヒドを分解する能力が速ければ
すぐに酔いは消えるはずなんですけど。
村上さんは どうですか?
二日酔いになりがちですか?
なります! ああ そしたら あまり
アルデヒドの分解酵素が
強くないっていうことなんだと。
ところが 西洋人はですね
大体 分解活性が強いんです。
僕らが学会へ行って 前日に
レセプションパーティーなんかあると
しこたま 飲んじゃうわけですよ。
旅の なんて言うのかな 解放感もあって。
飲んじまうと 翌朝 朝9時から
会議始まるというのに 遅刻したり
行くは行ったけど とても英語の
講演なんか聞いてられないっていう
状態になるんですが 西洋人は
その参加者は
そこで ガンガン
議論をしたりするわけですね。
彼らは議論ガンガン 僕ら 頭ガンガン
という状態になるんですけど
その時にね 僕ら
すげえなあと思うんですよ。
こいつら根性入ってるなと思うんですけど
そうじゃないんですね。
単に アルデヒド分解酵素の活性が
違うってだけなんですね。
なるほど。
飲んで アルデヒドが たまって
苦しくなったら どうします?
水飲む。 水飲んだり 寝たり。
迎え酒ってしたこと ありません?
はい あります。
あれは 非常に体に毒なんですね。
迎え酒っていうのは 要するに そういう…
…っていうことをしてるわけですから
二日酔いが 三日酔い 四日酔いに
なってしまうことになりかねないので。
この苦しみさえ取ってくれたら
もう 何でもええわと思うときあるもんな。
そうですね 持ち越し持ち越しでっていう。
うん。 気をつけないと。 はい。
(立川談志)酒をやめようとかね う~ん
たばこをよそうっていうのはね
やめたっていうのは 意志の弱いやつが
やることですからね。
え~ 意志の強い人は
そういうことをしない。
酒は 人間を
ダメにするものではないのです。
人間はダメなもんだというのを
確認させるために
酒が存在してるんです。
(笑い声)
僕は お酒を飲むようになったのは
リラックスしたいからだと思うんですね。
それは さすがに効果ありますよね。
はい。 あると思います。
それを説明するには
報酬系っていうことを お話しすると
理解しやすくなると思うので。
脳の中にはですね 自分で
いいことがあったときに
快感といいますかね
…を生み出すための「報酬系」と
それから つらいこと
悪いことがあったときに
わざと 脳が罰を与える「罰系」っていう
回路が組み込まれてます。
一方…
脳の中で 腹側被蓋野っていう
部分ですけども 働いて
そこから ドーパミンという
快感神経伝達物質を放出させて
それで 僕らを 快感に
導くっていうものなんですけど。
一番 直接に活性化するのは
麻薬だったり 覚醒剤だったり
大麻だったりするんですけど。
これは 快楽物質ドーパミンを
だだ漏れにするような効果があって
それで快感を作っているんですよ。
依存性 中毒と平たく言いますけど。
頼り切ってしまうという性質を持ちます。
ですから 好き 嫌いという問題とは
一つ 別にして
生理的に
もう抵抗できない仕組みとして…
そうですね よく聞きますよね。
本当に アルコール中毒っていうのは
もう 本気になって治さないと 治せない。
とても 止められないぐらいのとこまで
いってしまうケースってあるんですよね。
ある意味 自然の反応なんですね。
そういう性質を持った
まあ 物質なんだというふうに
言うことができると思います。
なるほど。 報酬系って 何のために
あるのかっていうと
ここで 僕の専門である記憶の研究に
なってくるんですけども。
あの… 動物にとってですね 報酬って
どんなときに来ると思います?
何か 例えば 運動とかして
それが終わって 一段落ついたとき。
あっ ストイックだな~。
えっ?
いや もっと直接に
すてきな彼女に 会った時とか。
(2人)あ~!
楽しい時とか そういうことですか。
そうですね。 そういう時には 脳は 快感を
こう 感じるように仕組んでるんですよ。
で あの 記憶って 残すべき記憶と まあ
それこそ ホテルの部屋の番号のように
そのホテル引き払ったのに 覚えてたら
むしろ 困るっていうものがあって
残すもの 残さないもの。 短期のものと
長期に残すものと ありますね。
…おそらく 動物にとって…
それこそ 配偶相手に出会ったときに
快感を覚えないようでは
種の存続にかかわるわけですよ。
あるいは になるのか。 それは 食べたら
毒なのかっていうことを覚えないと
本人のというか 本動物の生死にかかわる。
死活的に重要な情報 そういう情報は
本当に
長期に残る記憶になると思うんですね。
脳の中に沈めるというか固めるためには…
すてきな彼女に出会ったことを
もう一度 繰り返すって
名前も知らない 住所も まだ知らない
家も知らないのに
どうやって 繰り返すと思います?
思い出す。
思い出す。 どういうときに?
寝る前。 寝る前に思い出す。
ははぁ それは理性的ですね。
えっ? 僕はね その 思い出すのは
夢の中だというふうに思ってるんです。
ロマンチックですね。 寝てる間って
本当に泥酔してしまったら
違うかもしれませんけど
バーチャルに それを繰り返して
回路を強化しているっていう
作業なんだと思うんです。
何度も繰り返して それを忘れないように
長期化する 固定化するっていう作業を
まさにしているのが 夢なんじゃないか
というふうに 考えております。
だって 夢って すてきな夢か
怖い夢かが 多くて
なんでもない 普通のことって
夢に あんまり見ないんじゃないですか。
あ~。
う~ん。
普通のことのように見えて
実は その人にとっては
とても重要なことだから それを残して
刻印するために必要だったんじゃないか
というふうに 僕は思ってます。
確かに。
その理屈が本当に正しければ
あの 井上 陽水さんが「少年時代」の中で
「夢は つまり 想い出のあとさき」
って言いますけど 歌いますけど。
僕に言わせれば あとじゃない。
思い出の先なんだ。
だって 思い出は 夢によって
作られるんだってのは 僕の理屈なんで。
これを 小倉さんが
趣味の漢詩で表現。
「夢は追憶に先んじ
微かに美に修す」。
♬~
又吉さん お酒を ちょっと飲んで
飲みながら 筆を走らせると
スムーズに進むとか アイデアが どんどん出てくる
っていうようなことはないですか。
飲んで考えるはありますけど
飲んで書くってのは あんまりなくて
もう ゴールが見えてて
あと2行で終わりで
体力的に限界来てる時とかに
その2行だけをもって 飲み始めたら
ちょっと復活して。
仕上げを 最後の1杯2杯 飲んでる間に
やって そっから もう書かないんですね。
逆に もう 酔っ払ってる状態で
書き始めると
わけ わからんもんになっちゃいますね。
過ぎちゃうんだな。 そうですか。
僕は 俳句とか 例えば やるんですけど
短歌とか。
ある程度 出来上がってるものを
形にするのは無理なんですけど。
例えば 学校 テーマで
俳句 作ろうってなったときに
学校といえば何があるかなみたいな…
うん。
うん。 それは できるよな。
まさに そういう実験を
神経科学的にやった研究があって。
酒は創造的にするっていうか
クリエイティブにするっていう
効果もあるんだっていう。
2010年にアメリカの心理学者
ジャローズが発表した実験。
被験者は40人。 これを半分に分け
片方のグループには 缶ビール2本分ほどの
アルコールを摂取してもらったんだ。
♬~
そして 両方のグループに出題。
「純粋な」「青い」「落ちる」
これに共通するものは何?
若さじゃないですか。
若さ。 ほう~。
やっぱり純粋だし まあ こう ブルーって
言ってるから あれですけど この 青春
そして こう
何かに陥りやすいという意味でも。
あ~ でも あれか 一番よく言われたの…
(笑い声)
知らん 知らん 知らん。
あぶない あぶない あぶない。
聞きたくないですよ。
模範解答は water 水なんですけどね。
こういう例題が いくつもあって
連想ゲームですね。
連想ゲームの成績が どれだけ
こういう言葉から
どんな連想をするかっていうのを
やったっていう テストしたっていう実験で。
正解率は ほぼ同じ。
でも 回答の速度や 洞察力に富んだ
ユニークな答えが多かったのは
アルコールを摂取した
グループだったんだって。
♬~
抑制が取れて こんな発想しちゃいけない
っていう そのアイデアを出すときに
箍を その しがらみを削るっていうのも
なくすっていうのも
抑制の解除だろうし この課題でも 多分
このジャンルと このジャンルは
別々のジャンルにある言葉を 垣根を
取り払って こっちに混ぜてしまう
そういうのが連想だと思うんですよね。
その連想が自由になるっていうのも
その抑制が ほどほどに外れるところに
あるのかなあというふうに
考察されてます。
確かに そうじゃないかなというふうに
思ってます。
…んだっていう
そういう結論だったんですね。
うん。
お酒が いい影響も与えるってことがね
知れたんで。
それが聞けて よかった。
間違ってなかったです。
お酒と 上手につきあっていくと
人生は豊かになるし
もしかしたら 創作活動も
亢進するかもしれない。
「知識の身体化」は図れましたでしょうか。
そうですね。
僕は でも 僕にとってのお酒って
口実であり 言い訳ではあるんですけど
でも 確かに その 抑制が どうなると
まさにだなと思いました。
考えて飲みたいな でもな。
飲み過ぎずね。 無理でしょうね。
二日酔いにならないように。
だから それが 酔いの程度をはかる
何て言うんですかね 指針になっていて
あっ 考えが止まってきたなと
思ったところで やめるべきですね。
先生ね 又吉さんって
お酒の別に 必ずしも 量で抑制が
毎回 ここまで行ったら 取れるってよりは
例えば 同じ量 飲んでても
僕と飲んでるときは
その 変な声 出すんですけど
もう1人 先輩がいたら 同じような量でも
その変な声が出ないってのは… 抑制が…。
まだ 抑制 取り切ってないんです。
それは お酒の量だけじゃなくて
精神で抑制を保てるということですか?
そうですよね。
僕が解放するかどうかだけの あれやから。
朝まで飲んでも 先輩とやったら
僕は変わらないんです。
そういうお話でしたね。 う~ん。
♬~
「叱られず
呑めると祖父は 年酒注ぐ。 村上健志」。
うん。 あ~ なんか
お正月とか 大みそかとか。
このおじいちゃんが ふだんは
あんまり飲み過ぎたら 駄目よと
おばあちゃんに叱られているけれども
親族が集まって 孫がいると
まあ 今日ぐらいは いいかと。
で お酒を飲むと。
おじいちゃんのね 人柄が見えますよね。
なんかね。
「カーテン閉めてたら夜」。
お店で飲んでても 家で飲んでも
そうなんですけど
空が明るくなってくると みんな
帰ろうとしたり 時計見たりするんですよ。
はいはいはい。
僕はね 時計 全部隠して
カーテン 完全に閉めて
夜みたいにしちゃうんですよね。
はいはいはい。
そしたら もう ずっと夜が続くんで。
なるほどね。
いつまでも飲めるっていう。
又吉くん そろそろ
ちょっと控えようよ…。
僕は なんか 今日 先生と お話しして
ちょっと もう飲まんとこうかなと。
ウソつけよ。
お酒やめます。
なんで そんなウソつくんすか。
飲むじゃん。 今晩 飲むんでしょ。
たぶん 今晩 飲みますよ。 やめたほうが
いいですよ そういうウソをつくのは。
いやいや。 いや 決意はね。
決意は。 やめるぐらいの覚悟で
やめないんですけど ちょっと
こう 緩和させるというか
ちょうど いいところ ちょうど
いいところを目指したいですね。 はい。
ぜひ お酒も うまくつきあってですね
いい作品に反映させていただいたら
な~んて。 はめ外すほうが面白いですね
でもね。
そうなんですよね。
たまにはね。 話が崩れてしまった。
人に迷惑かけない かけることが
お酒 飲みすぎてあるんだということは
認識しとかないと いけないんですよね。
又吉くん お酒をやめるのは
2022年からにしましょ。