100分de名著 折口信夫“古代研究”(2)「国文学の発生」[解][字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

100分de名著 折口信夫“古代研究”(2)「国文学の発生」[解][字]

人々がマレビトをもてなすのは、マレビトが他界からのメッセージを伝えてくれるからだ。「呪言」と呼ばれるその言葉が、記憶に残るよう一定の形式をもって伝えられてゆく。

番組内容
マレビトからもたらされた「呪言」が一定のリズムや形式をもち変化していく中で、和歌や物語の原型が形作られていく。その際に「うたう」「かたる」という二つの方向性があり、それぞれが叙情詩、叙事詩に発展していくという。第二回は、「マレビト」についての考察を発展させた折口の洞察から、国文学発生の現場に迫り、和歌や古典の物語が私たちにとってどんな存在なのかを明らかにしていく。
出演者
【講師】國學院大學教授…上野誠,【司会】伊集院光,安部みちこ,【朗読】渡辺いっけい,【語り】小坂由里子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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  18. 原文
  19. 言霊信仰
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折口信夫の著書 「古代研究」。

折口は この中で
「日本の文学は 常世神・まれびとが

人々に授けた言葉から生まれた」と
説いています。

それは 従来の日本文学研究とは
一線を画した 新しい考え方でした。

第2回は そんな折口の
「国文学発生論」をひもときます。

♬~
(テーマ音楽)

♬~

「100分de名著」
司会の安部みちこです。
伊集院 光です。

今月は 折口信夫の「古代研究」
という本を読み解いています。

指南役は 國學院大學教授の
上野 誠さんです。

上野さん よろしくお願いします。
お願いいたします。

よろしくお願いします。

第2回は
どのようなことを教えて下さいますか?

そうですね 折口信夫は
その学問は 独特の体系を持っていて

その中でも
まあ 非常に その核になっているのは

日本文学の発生
ということなんですね。
ほう。

この「発生」というのが
かなり キーワードなんですね。

キーワードなんですね。

近い言葉にはね
「成立」っていう言葉がありますね。

例えば 「万葉集」の成立は いつですか。

それはですね 奈良時代の後半に

4, 516首の歌を集めて 大体 このころ
出来たんでしょうねというのが

これが「成立」なんですね。

ところが 「発生」といった場合には

そうでないものが
そうなるということなので

その「万葉集」の歌の形が
なぜ そういう形なのかというものを

説明するわけですね。

それぐらいの感じなんです。

大谷翔平選手は
どこから始まったっていう時に

初めて ボールを握った時なのか ねえ

メジャーリーグの どこどこのチームで
何勝した時なのか。

まあ まあ難しいですもんね
そう考えたら。 そうですね。

さあ では 国文学は どのように
発生したのか見ていきましょう。

例えば あなたが交差点にいます。

通りすがりに ふと最初に聞こえた言葉に
なぜだか 神の導きを感じ

自分のことに引き寄せて 考える…。

そんなこと ありませんか?

私たち日本人の中には 潜在的に
「言霊信仰」があるのかもしれません。

かつて古代人は 言葉に 現実を引き寄せる
力があると信じていました。

それを 「言霊」と呼びます。

言葉に対する
絶対的な信頼を持っていた彼らは

歌を詠むことで
言霊の力は増幅すると考え

祭祀には
欠かせないものとなっていました。

大嘗祭は
天皇が 新たに即位した年に行われる

古代から続く 日本伝統の儀式です。

かつては それぞれの土地の代表者が
歌を奉納して 忠誠を誓ったといいます。

折口が この 古代人の歌に宿る力を
見いだす きっかけとなったのが

「万葉集」でした。

早くから 歌人としての才能を発揮し

学生時代には
「万葉集」を読みあさったといいます。

やがて 歌作りの旅に出た折口。

たどりついたのが
常世を発想した あの大王个崎でした。

こうして 言霊信仰と
まれびと論が つながり

文学の信仰起源説を
提唱していくことになるのです。

まあ 自意識的には
おしゃべりを仕事としてるので

すごく深いとこですね。

だから 例えばですね
もう 子どもが泣いて泣いて 困ると。

その時に 「よしよし いい子だね
いい子だね」って こう言うわけですよね。

泣いてる子は 良い子じゃないですよね。
あの~ 泣いてるわけだから。

でも その
「良し」という言葉を言うことによって…

はあ~。
そういうこと ありますよね。

だから 言葉に魂がある。

そういうふうに
理解をしていくといいかもしれない。

で 例として挙げられていた一つが

大嘗祭で 歌を捧げる
というのがありましたよね。

そうですね。 例えば 今でもですね
その宮中の儀式で

一番 国民と密接に結び付いているのは
歌会始なんですね。

今でも それは簡単にね
歌会始 やるって

全国から 国民が歌を提出しました
それを ネットにあげました。

それだけでいいはずなんですよ。
はい。

でも わざわざ集まって 声に出して
トゥーンという その節回しでやって

それで みんなが聴くと。

そういうようなところにもですね
言霊信仰というのがあるんですね。

うわ~ 何か すごい知りたいな。

その節をつける そもそもの理由

聴き心地だったりとか
何か そういうこととか あるのかしら。

恐らくですね その 近い人が聴いても
遠くの人が聴いても 聴ける

その歌い方って 伸ばす
ということなんですよね。
なるほど はい。

例えば 昔のね 駅員さんって
マイク よくなかったんで

「新宿~ 新宿~」って こう
伸ばしてたじゃないですか。

はい はい。
そうでしたね。

これはね みんなが大切な言葉だから

みんなが よく分かってもらうように
ということですよね。 へ~。

そういうことだったんですね。
うわ~ 面白いなあ~。

折口は 随分早くから「万葉集」に注目して
傾倒してたんですか?

これね…

ああ そうなんですか。

「口訳万葉集」の初めにね 折口信夫はね
私は 関西で育った人間だ。

だからね
関西弁で訳しているところがある。

で それは 自分の言葉だ。

…というのが やっぱり
実感を大切にする折口の学問で

それ自身が やっぱり その言霊を
大切にするっていうことにも

つながるんでしょうね。

しかも その辞典を読みながら
読んだら分かるだろうというので…

と同時に この折口信夫という人は
生涯ですよ

自分も歌を作るっていう。
それを忘れない。

面白いですよね。 その 原文のままですよ
という形を 一回崩す代わりに

その 原文を読んだ人たちの魂を
入れ直すために

多分 関西弁があるんでしょうね。
そう。

それで多分 今度は
それが分かったうえで

原文を読んでほしいってなるから
辞書を作るんでしょうね。 はい。

でいて 作るっていうことに関する苦労や
楽しみを知るために

自分も読むっていう この感じ。
そうなんです。

古い言葉の持っている
奥深さというものを

やっぱり 最後は
実感できるかできないかにくるんですね。

やっぱり 実感なんですね。

さて 古代人の歌に宿る
言霊 見てきましたが

そもそも どうやって歌が発生したのか。

折口は その起源も探ろうとしました。
見ていきましょう。

日本の文学は なぜ生まれたか?

折口は 芸術的欲望からではなく
神から授けられた 呪力のある言葉

すなわち 「呪言」を伝えるためだと考え

その言葉には 「律」
つまり リズムがあると説きました。

まれびとは 地上にやって来ると
人々に 「呪言」を述べます。

呪言とは
その土地に住む人々の幸せを願い

土地や農作物 村の長を祝福する言葉。

その言葉は 最初は意味をなさない音を
反復して 重ね合わせ

まれびとの内なる高ぶりを
リズムで表現したと 折口は考えました。

やがて 意味と音が整理され
言葉が磨かれ

五と七の音で韻を踏む
「律文」が発生したといいます。

まさに 「歌」の原型です。

そして それは信仰の対象として
人々によって語り継がれ

後の世まで 口承文学として
保存されていったのです。

折口は 呪言について
更に一段 議論を進めています。

まれびとは
土地の精霊と呼ばれる者を「問答」

すなわち 言葉の応酬によって
制圧することで

村に 祝福の言葉を与えるといいます。

そして 神と精霊の問答を起源として

問いと答えを歌で詠み合う
和歌の形式が発生したと説きました。

精霊というのは
神と人々が 土地を開拓しようとする時

常に邪魔をするものだと
考えられてきました。

そこで まれびとは人々のために
精霊を 「問答」によって打ち負かし

服従を誓わせます。

こうして まれびとは

その土地の平穏無事な生活を約束する
言葉を述べることができるのです。

現在も 愛知県の祭りでは

まれびとと精霊との問答を彷彿とさせる
掛け合いが行われています。

祭りを司る人々と鬼が

問答をしています。

まことか?
まことに。

何度も この祭りに足を運んだ折口。

神と精霊との問答が やがて

神に扮する者と人との問答になり

人と人が歌で掛け合う 和歌の形式へと
つながっていく道筋を実感します。

歌の発生をひもとくと
「人は 神から言葉を学んだ」という

折口のメッセージが
聞こえてくるようです。

壮大な話ですね。
ハハハハハ…。

いや この説が
すごく こう 腑に落ちるのは

文字のない頃 普通に みんな
おしゃべりしてると思うんですよ。

これでも 別にいいじゃない。

その代限りの そこでもう
捨てられちゃってもいいけど

大事な言葉の方には
リズムが ついてるということは

彼らが 口語で話してる時に
節がついてたわけではなくて

そこを みんな覚えとけよって
こういう掛け合いをしたんだよっていう

一番大事なこととして…。
いや まさかと思いますよね。

普通は 普通の日記みたいな文章が
先にあってから

ルールのある文章が来るような
気がするけど

その逆になる理由は
すごく よく分かりました。

は~。

つまり それは なぜ そうかというと

これ
「神授の呪言」というわけですけれども

神様から伝えられた言葉を 大切に
何世代にもわたって 伝えるためには…

忘れないというか…

落語家さんの修業の時に

同じリズムじゃないと
語れなかったりなんかして

それじゃ駄目だよって
よく言われますよね。
はい はい。

言われます 言われます。
やっぱり そこですよね。

でも そういうことを利用して
何とかして その…

これが 発生なんですよ。

でいて 一番心地よく
覚えやすいリズムは 何なのってなって

それが 研ぎ澄まされてって
五・七・五だったり

五・七・五・七・七だったり
七五調だったりに なってくわけだから。

日本の話芸でも あるところになると
五音句 七音句に区切って

そして 調子を出していく
ということ ありますよね。

…と こう言っただけで

何とはなしに 歌になって
覚えられるというか。
られる。 はい。

とにかく
覚えやすくて 伝えられるように

伝わるようにと思ったら
そうなりますね 多分。
うわ~…。

だから その 何で長く伝えたいのか
ということを折口は考える。

「常陸国風土記」の中に

御祖神 祖神が旅行をしていると。

その時に 「ちょっと
宿を貸してくれないかな」と言った時に

富士山は 「忙しいから駄目だ」って
こういうふうに言ったわけですね。

ところがね 筑波の山の神様は
「どうぞ」って

こういうふうに受け入れてくれた。

そうするとね 御祖神は感謝をして

「いいかい 今日は
これから 大切な言葉を授けるよ。

筑波の山はね 春になると
若い男女が登って 歌を掛け合い

おいしいお酒を飲んで
おいしい食べ物を食べる

よい山になるだろう。

富士山を見てみろ

雪の中に閉じ込められて
誰も登らない山になるよ」。

この話って…

それが 「常陸国風土記」が出来た時に
書きとどめられる。

物語というのは
古代の人たちの生活そのものだし

なぜ自分が この地域に住んで

こういう職業で 頑張っているのか
というのを説明する

これも もう大切な話なんです
そのところでは。
う~ん。

律文で伝えられた
神の祝福の言葉 「呪言」は

やがて
語部と呼ばれる人々によって

その土地の歴史として
語り継がれていきます。

そして 文字が用いられるようになると

「古事記」や「日本書紀」に
古代史として残されていきました。

その中で記されているのが

旅の途中で困難に直面した神が
どう克服したかを語る 「辛苦物語」。

折口は これこそが
「伊勢物語」や「源氏物語」などに見られる

「尊い身分の者が 困難な旅をして
試練に打ち勝つ」という

日本文学の物語の型を生み出したと
考えました。

そして これを 「貴種流離譚」と名付け

後世に 広く知れ渡るようになったのです。

すごいなと思ったのが

今 家に帰ってのお楽しみでやってる
ゲームがあるんですけど。 はい。

もう まさに そのままの
ストーリーなんですよ。 貴種流離譚。

侵略されて その星を追われた主人公が
モンスターを倒したりとか

他の星で 仲間を連れたりとかしながら
元の星に戻っていく話なんですけど

すごいね そうやって考えると。
貴種流離譚。

もちろん 日本製のゲームなんですけど
そこまで つながるかもしれないし。

いや ほんとですね。
うん。

その型は ずっと綿々と
いろんなものになってるんですね。

よく考えてみると 「伊勢物語」は

自分は 身を ようなき者に思って
東へ東へと旅立つ話。

「竹取物語」だって 月から やって来て

月に帰るという形に
なってゆくわけですよね。

これ みんなですね…

そういう
その物語になっていくわけですね。

あと 先ほどは 語部という人たち
出てきましたけれど

あれは
どういう人たちと言えるんですか?

語部という言葉は
平安時代の言葉ですけれども

語部的な存在というのは
もう 太古の昔からあったわけですよね。

その 昔から伝わっている物語を
語ってゆく人々で…

その「ほかふ」ということをする人のことが
「ほかひびと」で

この人たちこそ 日本の芸術・芸能を
作っていったんだと考えたのが

折口信夫なんですね。
(伊集院 安部)う~ん。

「ほかひびと」というのが
出てきましたけども

その人たちが
日本の芸能を作ったというのは

次の 第3回で。
あら。 お話を進めようと思います。

僕らと つながってくる
話じゃないですか。 かもしれません。

次も楽しみですね。
はい。 もう。

上野さん 今回もありがとうございました。

ありがとうございました。
ありがとうございました。

♬~

今夜の「スイッチインタビュー」は…。