100分de名著 折口信夫“古代研究”(3)「ほかひびとの芸能史」[解][字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

100分de名著 折口信夫“古代研究”(3)「ほかひびとの芸能史」[解][字]

折口信夫の理論は「芸能史」にも新たな視角を与えてくれる。芸能は元来マレビトの言葉やふるまいを模倣する行為「もどき」から始まったという。

番組内容
マレビトを模倣する行為「もどき」は日常性を超えた異世界性を帯びているが故に聖性をもち、その裏返しとして賎性をも合わせもつ。諸国を流浪する念仏踊りの聖や琵琶法師、門付け芸人らは、聖人的な側面をもちつつも「河原乞食」とも蔑称され疎外されてきた。こうした聖と賤が入り混じったダイナミズムこそが日本の芸能の特質なのだ。第三回では、現代の芸能文化や風俗にまで深く影響が及んでいる「聖と賤のダイナミズム」に迫る。
出演者
【講師】國學院大學教授…上野誠,【司会】伊集院光,安部みちこ,【朗読】渡辺いっけい,【語り】小坂由里子,【声】柳沢三千代

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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日本には 数多くの芸能があり
今に受け継がれています。

「日本の芸能史のはじまりには

『ほかひびと』という
流浪の民の存在があった」。

折口は「古代研究」の中で
こう説いています。

第3回は
日本の芸能は いかにして発生したか?

その壮大な謎に迫ります。

♬~
(テーマ音楽)

♬~

「100分de名著」
司会の安部みちこです。
伊集院 光です。

今月は 折口信夫の「古代研究」という本を
読み解いています。

指南役は 國學院大學教授の
上野 誠さんです。

上野さん よろしくお願いします。
お願いします。

よろしくお願いします。

上野さん 今日は
どんなことを教えて下さいますか?

今日は 芸能の起源 発生を
どのように見るか。

そういう話になります。

このお話は 大体
この辺りということで

合ってますか? 上野さん。
そうですね。

その まれびとを迎えて
食事も出さなきゃいけない

歌を聴いてもらって
踊りも見てもらって

そういうものが…

さあ では
どういうことか見ていきましょう。

常世から 「祝福の言葉」を述べに
やって来る まれびと。

古代の人々は その土地で得た作物を
まれびとに捧げ

共に食べることにより 感謝と同時に
来年の新たな恵みを依頼します。

更に この時 舞を踊り
神を歓待したといいます。

折口は 芸能は
神々に気持ちよく過ごしてもらうための

こうした もてなしから
発生したのだと考えました。

古くから続く奈良の祭りに
その様子を見ることができます。

一年に一度 たった1日だけ訪れる神様に
人々は さまざまな舞を披露し

夜を徹して おもてなしをするのです。

全国に残る神楽の中でも
折口が 特に強い関心を示したのが

長野県の雪祭です。

数多くの写真を撮り 後年
この祭りの映画まで手がけました。

そこでは 神を迎え もてなすと同時に
人々も もてなし合って 楽しみます。

翁面をつけた人物は
常世から訪れた神。

次に現れたのは 「茂登喜」と呼ばれる
別の翁。

先ほどの神の舞をまねつつも
意図的に崩し 笑いを誘います。

折口は そこに注目しました。

日本の芸能は
同じ事柄を 少しずつ変形させることで

発展したと考えた折口。

人々が見て 聞いて 楽しんでもらうために
演じる「もどき」に

今日の芸人の源流を見いだしたのです。

いや~ 興味深かったですね。

あの長野のお祭り あるじゃないですか。

あのVTRが出た時に その前のに比べると

あれ 厳かというより
楽しげだなと思ったんです。

分かりやすい。

で 何か 笑いが起きる瞬間は
緊張と緩和ですって

必ず言うじゃないですか。
はい はい。

あれで言うと 神様役の人は
そこまで ふざけちゃ駄目だけども…

なんだ お前
神様じゃねえじゃねえかよっていう

この緩和が 多分 もどきが
その度を上げていくところで

ここが笑いですよね 恐らく。

ですから…

面白いですね。
面白い。 すごく面白いです。

ちょっと 続いて 一つ 見て頂きたい
折口の記述があるんですけれども。

…と書いているんですね。

ここに 芸能の秘密が
すごい集約されている気がして。

まあ その 神様をもてなしたいから

その神様が うっとりするような
踊りができるのが

まあ 一番 分かりやすいんだけれども

「あの人は 恐らく
神様を楽しませてるんだろう」って

思えないと意味がないわけですよ。

普通の農民とかが 「上手だな」
「楽しいな」と思うレベルの

踊りが入ってない人は
信用されないんだと思うんです。 ああ~。

そうすると こう
分かりやすい手ぶりを入れたりとか

こんな面白いことをやるんだから
神様も見てらっしゃるだろうという。

この…

僕は ここをつながないと
芸能じゃない気がする。

実際に…

ですから 神事というものと
その演劇というものが結び付いていて

今でもですね 落語会などで 神社やお寺で
奉納という形をとってんだけど

例えば 屋根の葺き替えをする時のお金を
集めるというようなことがありますよね。

ですから そういうような…

笑いで 神や人をもてなす もどきに

現在の芸人の源流を見いだした
折口ですが

もどきのルーツは
どこにあるのかというと

ひもとく鍵が 「ほかひゞと」です。

この人たちのことを
「ほかひゞと」と呼んだんでしたね。

一体 どういう つながりがあるのか
見ていきましょう。

折口は 「ほかひゞと」について
こんな記述を残しています。

「ほかひゞと」とは もともと
神の代わりに祝福の言葉を述べる 神人

すなわち 宗教者でした。

しかし 大和朝廷が
各地で豪族を併合し始めると

庇護者が滅ぼされて
集落を追放される人が出てきます。

同様に 新しい宗教への改宗を拒んだ者も
故郷を追われました。

やがて 彼らは家々を回って
ほかひを行い

金品を受け取る 芸能者の道を
歩み始めます。

多くの人に
ほかひを聞いてもらうために

祝福の言葉に 滑稽な身ぶりを加えて
「笑い」を誘い

徐々に 宗教的な在り方から
脱却していったのです。

一方で彼らは 流浪しながら施しを受ける
卑しい身分の者として

差別を受けたと考えられています。

彼らの 「蓑笠をかぶる
妖怪のような異様な恰好」も相まって

忌み嫌われる対象になったのだと
いいます。

折口が雪深い集落で見た あの もどき芸は
そんな ほかひゞとが

険しい道のりの果てに伝えたものの
一つでした。

彼らの生きざまは 今も
日本各地の祭りに息づいているのです。

いや~ 何か 心打たれるVTRですねえ。

まあ そうですよね。

その 日本が束ねられていった時に
できてるルールと うまく合わないと

急に 世に災いをもたらす者に
されちゃうわけですよね。

僕は そこで どんどん…

真面目に その朝廷と違うことを
各地で触れ回ってるやつだから。

そうすると やっぱり…

頑張らなきゃって
ちょっと思ったりとかしますね。

体制に反発するところがないと
お笑いとして 成り立たないんですよね。

逆に言うと そういうような

その 差別されてるという視線を
押し返す芸というのが また そこから。

で 旅芸人の物語って

どっかに 何か寂しいところが
あるじゃないですか。
はい はい。

だから 移動式のサーカスなんて
そんな感じで言われてましたよね。

サーカスの あの芸を見ちゃうと
憧れるわけですよ。

めちゃめちゃ憧れるんだけど…

やっぱり ここでいて
たまに 我々を見てくれることが

一番 楽しい 幸せですよ みたいな この
何か両方ある感じって すごいですよね。

そう。 だから やっぱ折口信夫の視線って
よく見てるんですよ。

見てますね。

そこに その芸人の側の悲哀も感じ

そこが 折口信夫の著作の
ファンになる人は そこなんですね。

すごいと思う。

ちょっと ほかひびとの話
ちょっと戻っちゃいますけれども

ほかひびとが
実際 どんな祝福芸をしていたのか

今回 上野さんに 「万葉集」から
ほかひびとのセリフを意訳して

朗読してもらいます。
お願いします。

「さあ さあ お立ちあい
一座お立ちあいの皆々さま方よ

お元気で お元気で生きながらえて

さてさて どこかへ行こうかと

行くのは カラ国 そのカラ国の

虎という神さまを生け捕りで

そいつを八つも捕えて
その皮で敷物を作る

その敷物は 八重畳
その八重畳ではないけれど

平群の山ではないけれど」。

…くらいの感じで いかがでしょうか?

はあ~!
おお~! 面白いなぁ~。

ここの部分は 恐らく
その 門づけをする芸人たちは

村に入った時に
まず みんなに聞いてもらうために

最初に こういうところを入れるんだと
思うんですよね。

この話って
どういうふうになっていくんですか?

このあとね 鹿がやって来てね

「私の体の この部分はね
なますで食べると おいしいよ。

この部分はね 塩辛にすると おいしいよ」
なんていうふうに

「切り裂いて 使ってくれ」
っていうふうに言うんですよ。
はい はい。

やっぱり その 祝福の中で…

なるほど。
このストーリーも よくできてんな。

何か その…

その流れ者からしてみたら…

あ なるほど なるほど。

やっぱり 対等か
その ちょっと下ぐらいが

何か ちょうどいい
位置なのかもしれないですね。

そう思いますよ。

だから 少なくとも僕らの時代の いわゆる
自虐的な お笑いみたいなものは

自分より 全面的に
幸せな暮らしをしてるやつの話なんか

聞きたいか? っていう。
ああ~。

そうですねえ。
そう思うんですけどね。 うん。

他にも 結構 鹿というのは
出てくるんですよね。 そうなんです。

東北を中心に伝わる伝統芸能で
鹿踊りとあるんですけれど

これも 祝福芸に関連するものなんですね。

文献で たどってゆくとですね

中世にある さまざまな踊りの中の一つが
まあ残ったとも言えなくはないのですが

折口信夫は いやいや…

…って言いたいんですね。

さあ 折口は ほかひびとが
芸能史に果たした役割を

高く評価していました。

その温かいまなざしは どのように
生まれたのか 見ていきましょう。

折口が 生涯 集め続けた
コレクションがあります。

歌舞伎役者の絵葉書。

歌舞伎とは かつて
市民社会から外れて 諸国をうろつく

「ごろつき」と呼ばれた 流浪人の
生き方を見せる芸能でもありました。

定住しない ごろつきは
常に迫害の対象となっていました。

しかし 時の権力者の圧力に屈せず
反発する 彼らのエネルギーは

新たな文学者の原動力となり
その文学の担い手として

歌舞伎という芸能が発生したと
折口は考えたのです。

一方 折口の生きた時代

芸能は
学問的視点で論じる対象ではなく

芝居小屋は 教養のある人は
出入りすべきでない

「悪所」と見なされていました。

大阪の裕福な商家に生まれた折口は
芸事に明るかった叔母に連れられ

幼い頃から
劇場に通い詰めていたといいます。

そして 家では
父のなじみの元芸者だったという女が

よく やって来て
顔なじみになっていました。

彼女は 既に 50を超えた
当時では高齢の女性。

容姿は崩れ 足を引きずり歩く姿を
人々は見下し からかいますが

女は 平然と言い放ちます。

侮蔑の言葉を軽くはね返す 玄人の意気地。

彼女の姿に 折口少年は
憧れと蔑みの目を向けられる

芸能者の存在を
肌で感じ取っていたのかもしれません。

社会から疎外された人々の中に

芸能の担い手として生き抜く
生命力を見た折口。

文章の最後を こう締めくくっています。

いや~ この折口が
その芸能に対して 芸人に対して

こんなに優しい目を向けて
こんなに ちゃんと見てくれてるというか。

そうですね。 だけど じゃあ それは
どうしてあったのっていうと

少年時代が関わっていたんですね。

折口信夫の少年時代
大阪の木津という所なんですけれども

そこで やっぱり
いろんなものを見てるわけですよね。

日本の文化の明るい方面だけを見ていては
全体が見えない。

そこはね その 相手が
どういうふうに蔑んできても

相手にしたら終わりだという
ピーンとですね 胸を張って…

ちょっとした
この 意地を持って生きるっていうか。

あの~ 意気地というのは いいですね。
はい。

その 年取った芸者さんの
あのセリフの きっぷのよさと意気地。

立川談志師匠が
ある日 タクシーの運転手さんから

「いいよね 芸人なんていうのはさ
好き勝手なことをさ

ペラペラ 口先だけで言って
たくさん 金もらえてさ」って言われて。

そしたら 「そうだよ。 お前も あしたから
やった方がいい」って言って。 ハハハ…!

「何で やんないんだい」って言ってね。
「楽だよ やったらいい」。

いや 何か 意気地のあるというかね
何か かっこいいというか。

憧れますよね やっぱり そういう人って。

そして この言葉が出てきましたね。

上野さん 解説を
お願いします。

「ほかひ」というのはですね
祝福するという芸能をして

ものをもらう時に
受け取るための入れ物なんですね。

それは 他の 一般の人たちが
持たないものなので

ほかひびとが来たって
分かるわけですよね。

その人たちは…

これが 私の実感だというわけですよね。

だから 時々出てきますよね。

まさに 一番最初にも出てきた
この景色を見た この感じという。 感じ。

この 心の動く感じって
何か あるじゃん みたいな。 そう。

だから 時折 ロマンチックだったり

時々 センチメンタルだったりとか
するんですよね。

まあ ここがね
折口信夫の折口信夫らしいところですね。

さあ 第3回は
芸能史の発生についてでしたけれども

いかがでしたか?
うん。

芯のところは持ってたいですね
やっぱりね。

そもそも 芸人のはじめは
何だったんだっていう

上手に考え方を変えられなかった
語部たちが 旅を始めてっていう

そこで 何とか笑わせながら 自分の
言いたいことを言ってく みたいな

そこは持ってたい。
はい。

上野さん
今回も ありがとうございました。

ありがとうございました。
ありがとうございました。

♬~