ヒューマニエンス 選「“聴覚” 世界をつかむ精緻な進化」母親の胎内にいる頃から活動を始め、世界と私たちをつなげて…
出典:EPGの番組情報
ヒューマニエンス 選「“聴覚” 世界をつかむ精緻な進化」[字]
ヒューマンとサイエンスの造語「ヒューマニエンス」。人間という不確かで不思議な存在とは何か? 科学と未知の領域を行き来しながら、その真の姿に迫っていく新シリーズ!
詳細情報
番組内容
今回のテーマは「聴覚」。母親の胎内にいる頃から活動を始め、世界と私たちをつなげてくれる能力だ。真っ暗闇の世界で私たちの祖先が獲物を捕らえ、危険を察知するため発達。人間は、人の声の領域を中心に聞き分けられるように進化し、わずかな音程や音色、響きをとらえ、心の豊かさを生み出すまでになった。脳と耳の驚きの連係プレーで、独特な能力へと成長してゆく「聴覚」。その不思議な進化の物語から、人間の根源を妄想する。
出演者
【司会】織田裕二,藤井彩子,【出演】佐渡裕,【解説】岡ノ谷一夫,古川茂人,明和政子,【語り】藤井千夏ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
情報/ワイドショー – 健康・医療
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織田裕二さん。
はい。
突然ですが…
音楽ですか…。
まあ 昼間は ボサノバ聴いたりとか
夜は ジャズ聴いたりとか。
その時々で チョイスしますけど。
聴けなくなったらですか? 音が。
まあ それはそれでもう 割り切って
受け入れるしかないですよね。
そうですよね
そういう日が来るかもしれませんよね。
やめて下さいよ もう なんか
この番組に来ると
どんどん削られていくんですけど。
今日は その音を聞く「耳」のお話です。
はい。
<「閑さや岩にしみ入る蝉の声」。
そんな句が詠まれてから300年。
この世界は音にあふれている。
みんな何かを聞いている。
誰もが音とともに生きている。
今 世界から音が消えたら
どうなるんだろう?>
<音が世界とあなたを つないでいるのかもしれない>
もしもし。
あ 取り損なっちゃった。
♬~
♬~
♬~
この世界と私たちをつないでくれる「耳」。
それは 母親のおなかの中から
活動を始める。
これは 妊娠25週ごろの胎児の映像。
耳はここ。 すでに形がぼんやり見える。
このころから私たちは 少しずつ
音を聞き始めていると言われている。
そして 生まれたあと。
耳から入ってくる音は
私たちの心を揺さぶる。
♬~
実は この時同時に耳の中の「ある細胞」も
揺さぶられているという。
その細胞とは
V字形にずらりと並ぶ細胞。
私たちは この細胞を駆使することで
人間らしさを手にしたという。
音を通して私たちと世界をつなぐ聴覚。
今回は その知られざる能力と
進化の秘密に迫っていく。
♬~
♬~
始まりました新番組「HUMANIENCE」。
藤井さん。
はい。
今回のテーマは「耳」ですね。
そうです。
聴覚がテーマなんですけれども。
聴覚っていうことを
意識する時って
織田さん どんな時ですか?
今 季節がね ちょうど
気持ちいい季節になってきて
ああ 虫の音が聞こえるとか
風が ちょっと吹いて 木の葉が揺れてる
音とか聞くと ほっとしますけど。
今回 聴覚から人間の不思議を
妄想して頂くのは…
これまで世界で一流オーケストラを
指揮してきた指揮者だ。
また 耳が大きいですよね?
(佐渡)そうなんです。
よく 聴力がどうこうじゃ
ないんですけど
耳たぶが 福耳だというのは
よく言われます。
はいはいはい。
これもやっぱり でも一流の指揮者の…。
(佐渡)いや どうなんでしょうね。
いやいやいや 分からないですね。
今日 いろいろ なんかそういう謎もね
もしかしたら
関係あるのかもしれないとか。
まあ 例えば 音程を合わせるだとか
タイミングをそろえるとか
あるいは まあ 音色のことですよね 音色。
これから どういう課題を持って
オーケストラと音作りをしていくのか。
そういう意味では すごく耳の判断。
その耳を守るために ふだん何か
ケアされたりはしてるんですか?
気をつけてることとか。
いや 特にしてない。
特にない?
耳を鍛えるっていっても 何かこう
トレーニングメニューが
あるわけでもないですし。
ただですね 僕の場合は やっぱり
母親が家でピアノを教えてたりとか
歌を教えてたっていう環境があったので
そういう教育は受けてたのはあります。
じゃ 同級生と 「おい ちょっとお前だけ
なんか違うぞ」とかって言われたこととか。
例えば テレビで
テレビのアニメソングとかを
「昨日あれ見た?」みたいな話になった時に
すぐ縦笛で「タイガーマスク」とかを
ペラペラペラって。 そういう意味では
全然違うレベルにいたと思いますね。
かっこいい。
そして 聴覚について
さまざまな視点で答えてくれるのは
東京大学で 言葉の起源や
コミュニケーションについて
研究をしている…
佐渡さんレベルの方が
いっぱいではないと思いますけど
人間の耳の能力っていうのは 岡ノ谷さん
高いというふうに考えていいんですか?
人間の能力は 高いって言えば高い。
つまり音の高さの違いが分かるというのと
大きさの違いが分かるという
そういうのは 高い能力を
持ってるんですけど 実は…
狭い?
はい。 なので…
狭いけど 高いんですか?
(岡ノ谷)そうですね。 はい。
何だろ。 もっと知りたい。
ではまず ほんの僅かな音の違いを
聞き分ける
音の達人をご紹介しましょう。
人間の耳は
どこまで音を聞き分けられるのか。
静岡県浜松にある楽器メーカーに
繊細な耳の持ち主を訪ねた。
すご腕の調律師だ。
♬~
花岡さんは 調律師になって40年以上。
数々のピアノコンクールやコンサートで
ピアノの調律をしてきた。
プロのピアニストの注文は
とても繊細だという。
明るい中には きらびやかな部分も
あるかもしれないし
そうじゃなくて艶っぽくて強い音が
明るいというふうに表現する方も
いらっしゃるかもしれないし。
その音の微妙な違いを 鍵盤一つ一つ
耳で確かめながら進めていく。
(ピアノの音)
耳の感度は 何より大事なのだ。
(ピアノの音)
では 皆さんの耳の感度はどうだろうか?
まずは 初級編。
比較的簡単な響きの違いを
聞き分けてもらおう。
調律する前の音の響きがこちら。
(ピアノの音)
そして 調律したあとは。
(ピアノの音)
お~。 全然違う。
えっ 分かりますよね?
実際 どれほど違いがあるのか
可視化したものがこちら。
全然 音の伸びとか明るさが違うけど。
横軸は時間。
色は音の大きさ。
白いところは
音が最も大きくなっている部分。
調律したあとは
確かに音が伸びているのが一目瞭然。
更に 音の響き以上に
聞き分けが難しいのが「音色」。
いわゆる「音色」だ。
花岡さんが長くつきあってきた
坂本龍一さんも音色にこだわる。
♬~
音色でいったら…
若干モノトーン気味でもいいんですけど…
では その難しい 音色の違いを
聞き分けてみよう。
調整前は。
(ピアノの音)
一方 調整後は。
(ピアノの音)
膨らんだ。
(ピアノの音)
再び可視化してみると
どこに違いがあるのか。
あんまり変わって見えないな。
実は このあたりに 僅かな違いがある。
もう一度聞いてみよう。
調整前は。
(ピアノの音)
調整後は。
(ピアノの音)
皆さん この違い 分かりましたか?
こういうのあると
テレビの前で つい音量ボタン
ガーッと上げて聞いちゃうんですけど。
今の このスタジオの音響がいいのか
分かりやすかったですね。
分かりやすかった!?
全然最初は
鼻に詰まったような音だったのが
そこが ふわ~って
最後 膨らみましたよね?
佐渡さんは
もう明確に違うって分かりました?
いや それはもう
織田さんと一緒だと思いますけど…
ピアノの場合は
3つの弦があるんですけど…
私もちょっと…。 先生も。
まあ 耳って言っても
脳まで含んで聴覚ですよね。
で 耳そのものは 生物学的にできていて
限界はあるんですけど
その耳が分析したデータを
脳でどう処理するか。
これがあの 訓練が
効いてくるところだと思います。
その音だけに集中すると
違いは分かりますよね?
いや そこがね…。
あれ? あれ?
人によるんです。
ピーンって聞こえてくるピッチだけに
注目してたら分かんないですよね。
多分広く もっと高い音も低い音も
聞いてらっしゃるんだと思います。
佐渡さんも。
さすが その耳たぶ すごいなと。
(笑い声)
耳たぶは ちなみに関係あるんですか?
関係ない。
(笑い声)
さっき先生がちょっと
おっしゃってたんですけど…
それがたくさんあれば やっぱり
豊かな音がしていって
そういうものを持ち合わせた集団が
響き合う音って言われるんですね。
調律師の花岡さんも やっぱり
ピアノをはじめとした
いろんな音を聞いて
分析するという訓練を重ねて
今のような耳を持つに至ったというふうに
おっしゃってました。
あと 指揮者のコンクールで
フランスのブザンソンで行われている
国際コンクールでは
みんな たくさんの楽器の中で
1つだけ間違えた演奏をしてもらって
それを聞き分けるという そういう試験の
ようなものがあるって聞いたんですけど。
意地悪なラウンドがあるんです。
例えば 弦楽器の1つのパートだけが
半音 音が間違ってるとか
そういうのを演奏してみて
はい どこどこが間違ってました
ということを
指摘しなきゃいけないんですね。
で 僕の試験の時も
多分7~8か所はあったと思うんです。
それもすぐ分かったんですね。
で もう1回やろうと思って
「あ~ 快調快調」と思って
最後の音をバーンってやったら
気持ち悪かったんですよ。
管楽器がクラリネット2本
1番クラリネット 2番クラリネット。
オーボエが 1番オーボエ 2番オーボエ
っているんですけど。
2番オーボエが吹かなきゃいけない音が
2番クラリネットが吹いてて
2番クラリネットが吹かなきゃいけない
音を 2番オーボエが吹いてたんですよ。
それで 「はい!」みたいな状態で
「入れ替わってます」って言ったら
これは 拍手が起きました。
お~!
今 聞いても拍手。
それは テストされちゃったわけですね。
テストだったんですね。
いやだな~ いやらしいですね。
(佐渡)いやらしいですね。
そうですね。 何でしょう…
あたってる音は 合ってるわけですもんね。
そうです そうです。
でも 楽器が違うから なんか…
そうですね。
色か~。
音色っていいますけどね。
そうですね。
まあ だからオーケストラが
ちょっとニヤニヤしてたっていうのも
あるかもしれないです。
(笑い声)
顔で当てたんですか?
あいつ怪しいなぁって あの2人って。
では そもそも 私たちは…
耳に入ってきた音は 鼓膜を揺らし
その振動は 人体最小の骨「耳小骨」から
渦巻きの形をした 「蝸牛」に届く。
そして 蝸牛の中にある細胞が
音の振動を電気信号に変え
脳に伝えていく。
この蝸牛管の中に入ってる膜が
揺れまして
膜の上に のっかっている細胞が揺れて
それが電気信号に変換されて
脳に伝わっていくと。
そうやって聞こえるというわけですね。
冷静に聞いてるとすごい話ですよね。
よく音を聞き分けられますよね
そんなもので。
この揺れ方をした時は
高音だよ あの音だよとかっていうのを
脳がもう勉強するんですか?
そうです そうです。 私たちの…
ある程度 基礎的な勉強しなくても
音の聞き分けはできるけど
そっから先の 先ほど言ってた
調律師の方の域は 訓練によって 脳が…。
学んでいく。
そのセンサーを磨いてというか。
そうですね。
より そこに神経を集中しろっていう。
佐渡さんが 「ん? なんか違和感がある
色が違う」って お思いになったのは
そういうことですね。
音が大脳皮質に行って
佐渡さんなんかの場合は
音と言っても
空間的に配置されているし
空間の混ざり方が色として
感じられているという可能性が
なんか あるんではないかなと
思います。
音の記憶って 先生どうなんですか?
音の記憶って ものすごく強いですよね。
あの曲は どこで聴いた
あれがよかったなとかね。
自分が一生忘れられないような演奏会
っていう記憶をたどる時に
その時に 例えば
どういう気温だったとか
そういうことも
いろいろ思い出すわけじゃないですか。
自分の中には 具体的に あの時に 例えば
ホルンがどういう音を吹いたかとか
そういう音の記憶みたいな
演奏会の記憶とはまた違う
なんか複合的なんですけど それは。
そういうものがあるのか。
普通の人は 例えば
あのラーメンうまかったなと。
その時に ラーメン屋の看板
黄色かったよなとか
そういうことは 覚えてるんだけども…
さて人間の耳が高性能だって
話がありましたけれども
音の種類だけではなくて 音がする方向を
感知するのにも優れているんです。
はい。 どうやらですね
耳のこの形は やっぱり大事らしいです。
生きていくためには 音がする方向を
正確に把握しなければならない。
雪原にいる…
何やら 耳を澄ませている。
何を聞いているのか。
あっ!
見事 獲物をキャッチ。
雪の下に隠れていた獲物を
耳だけで探り当てたのだ。
お~ これは すごいや。
私たち人間の耳も 音のする方向を
かなり正確に把握できる。
ヒトの聴覚と生体反応を研究している
通信事業社の上席特別研究員…
12個のスピーカーを
360度ぐるりと置いた実験室。
そのうちの1つから音を鳴らし
どのスピーカーが鳴っているのかを
当ててもらう。
じゃあ 始めます。
一体 どれぐらい正確に当てられるのか。
(音)
(音)
(音)
迷うことなく
どんどん当てていく。
結果は 90%以上の正答率だった。
私たちの耳が 音の方向を
正確に知るようになったのはいつなのか。
それは 今から数億年以上前にまで
遡るという。
恐竜が大地を支配していた時代。
私たちの祖先は
ネズミのような姿をした
生き物だった。
祖先たちは
この過酷な時代を生き抜くため
恐竜が寝静まった夜に
活動するようになった。
ほとんど何も見えない暗闇の中
頼りは 耳。
(虫の羽音)
エサとなる獲物を見つけ
更には 危険も避けたのだ。
(虫の羽音)
そう 音の方向を割り出す耳は
恐竜時代を生き抜いた祖先の
進化の産物だったのだ。
しかし この優秀な私たちの耳も
ある仕掛けをすると
ガクンと成績が落ちてしまうという。
そこで早速 被験者の耳に仕掛けを施し
再び実験をしてみた。
すると…。
(音)
(音)
(音)
後ろからの音を
間違えるようになってしまった。
(音)
正答率は 70%。
一体 耳に どんな仕掛けをしたのか。
答えが こちら。
耳の穴は塞がないように
くぼみの一部を埋めていたのだ。
なぜ 耳のくぼみを埋めると 音の方向が
割り出せなくなってしまうのか。
さあ 織田さん
自分も挑戦してみたいですよね?
いや 別に…。
(笑い声)
もう むちゃ振りだわ~。
協力してくれるのは
先ほどの実験も行った…
では お座り下さい。
これが間違ってたら えらいことですね。
では 古川さん お願いします。
はい よろしくお願いいたします。
なんか緊張しますね。
みんな見てる。
(古川)音が来る方を当てるだけですので。
はい 分かりました。
はい 出ます。
(音)
あっ この辺… 4番です。
(古川)はい 4番ですね。
合ってますか?
ドキドキしますね なんか。
(音)
あっ 真横。 7番です。
(古川)7番ですね。
(音)
あっ 横。 3番。
迷うことなく どんどん答えていく。
え~と 5番。
結果は…。
(古川)これ 以上 終わりです。
100%正解 おめでとうございます。
よかった。 ほっとしました。
(拍手)
これ 普通ですよね? ほぼほぼ。
ちゃんとした耳されてます。
で これからが本当の実験ですね。
(古川)そうですね。
では 織田さん
耳のくぼみを埋めて頂きます。
怖い… なんか怖いですね。
埋めて頂きます。
ここで 耳の穴を塞がずに
くぼみを埋める。
さあ 聞こえは どうなるのか。
(古川)じゃあ いきます。
(音)
あ 真後ろ。
5番。
(音)
あっ 3番。
あれ? 合ってんじゃねえか これ。
(音)
あ 真後ろっぽい…。
いや どっちか分からない 今
4か5か。
4番にしときます。
(古川)4番。 はい。
(音)
あっ これが4番でした。
さっきの5番ですね。
(音)
ん… ん? んん?
どっちか迷いますね さっきと違って。
6番ぽいです。
(古川)6番。
はい。 さっきより分かりにくい。
(音)
あ 真横。 7番。
(音)
ん… 4番。
(音)
6番。
はい 終了です。
お疲れさまでした。
つまんない結果になってませんか?
大丈夫かな。
では 結果発表を
古川さん お願いします。
ええ~っ そんな低いんですか!?
うそでしょ!
それで あと もっとですね
正答率だけではなくて…
え? え? ごめんなさい
もう取っていいですか これ。 前の音が?
(古川)前に音が出ているにもかかわらず
後ろだと 織田さんは解答されてました。
思いっきり実験向きな男でしたね。
(笑い声)
俺 今 全然これ 忖度なしで
真面目に答えてたんですけど。
すごい こんなもので
変わってしまうんですね。 そうですね。
これは どういうことなんですか?
ですから じゃあ…
(古川)前から来た音っていうのは
例えば
すぐに全部の音が
耳の穴に入るんではなくて
耳のひだ 複雑な形してますよね
それのどっかで反射して
それが混じって
入ってくるんですね。
ちょっとだけ遅れてるとか
そういうことですか?
混じった音も含まれる。
含まれるんですね。
だから 前だって認識ができる。
(古川)そういうことです。
後ろから来た音は
また別のとこで反射して
別の遅れ方をして入るので…
前から来た音は
この反射のパターンで
後ろから来た音は
この反射のパターンっていう。
更に 耳のくぼみを埋めた時
前の音を 後ろと間違えるか
後ろの音を 前と間違えるか
人によって違いが出るという。
織田さんの場合は なぜか常に 後ろって
自信を持って答えられましたよね。
そうでしたね。
実は それって人それぞれで
前に聞こえる人と
後ろに聞こえる人もいて
もしかしたら 織田さんっていうのは
すごく怖がりで
暗闇で敵が襲ってきたら
逃げなきゃいけないって
常に思ってると…。
思ってます!
例えば 後ろから敵が襲ってくると
思った方が
生き残る確率 高くなるんですね。
なるほど!
背後に気を付けてると。
ですから
何か迷った時は 後ろって答える
自信を持って 後ろって答えるふうに
なってるのかもしれない。
なるほど。
素朴な疑問なんですけど
生まれたての赤ん坊とか
そういう子は
分かるんですか? 前か後ろか。
最初は分からないと思います。
分からないんですか。
ですけども 自然の生活の中で
いつの間にか そういう学習して
その反射と パターンと
音の空間ってのを結びつけるのが
地図が脳の中に出来てる
ということになります。
今 ひだを潰しましたけど
これに慣れてしまえば
また前後っていうのを学習し直せば
そのままで また 正しい認識ができると。
はい。 大体1か月半後ぐらいたつと
正しくできるようになる。
そんなにかかるんですか。
(古川)でも それ取ると
実は 前の耳も覚えてて
両方の耳で対応できるようになります。
へえ~。
ラグビーとか柔道の選手などで
耳の形が変わってしまう方いますよね。
ああいう方々は…。
もちろん 急にけがして使えなくなると
最初は困るかもしれないですけど
まあ 1か月もたてば多分…。
慣れる?
(古川)正しくできますし あとは
だんだん耳の形が変わってく…であれば
少しずつ脳の方は微調整をしながら
調整しますので 多分それほど
日常生活には支障はないと思います。
アップデートし直すわけですね。
(古川)そうですね。
脳すごいって話ですよね。
そうですね。
先生 人間の耳の この形自体は
意味があるんですか?
あのね キツネとかネコとか
耳動きますよね。
僕らは もう 耳動かなくなっちゃった。
この辺の筋肉なくてね。
人間は 耳をピクピクって動かさなくても
よくなったってことですか?
恐らく 顎の筋肉 退化したのと同時に
耳を動かす筋肉も
退化していったのかなと。
それで 動かさなくても ある程度
場所が分かるようになっていったのかな
というふうには推測できます。
昔の人は もしかしたら もうちょっと
つるっとしてたかもしれない。
昔って いつぐらい?
相当 昔ですね。
ほんの400万年か500万年前ぐらい。
それ いい線いってますよ 多分。
ほんとですか。
生物によって形も場所も
いろいろなんですよね。
いろいろですよね。 例えばコオロギ。
足に耳ですか!?
ご覧のとおりですね
前足に このように
鼓膜がついています。
え?
ちょっと見ていいですか。
どこだ?
傷みたいな
縦のラインですか?
この白っぽい。
(岡ノ谷)
どうして あんなとこに
耳ついちゃったんだと
思います?
分かんないんですけど
コオロギはね
それこそコウモリに食われるんです。
(佐渡)ほぉ~。
(岡ノ谷)そのコウモリが
どこから来るのかっていうのを
彼らは知ってる必要がありますよね。
あと もう一つ メスのコオロギは
オスのコオロギが歌う そっちに
近づいていく必要がありますよね。
うん。
そういった生殖の目的と
生き残る目的とで 耳はとても大事で
特に 音がどこから来ているかって
とても大事です。
コオロギ ところが
頭ちっちゃいですから
もし 頭に耳がついていると
距離が近すぎて
どっちから音が来てるのか
分かりにくいんですね。
あ~ なるほど。
一番 左右離した位置にあるのが
足だったと。
(岡ノ谷)そうそう そうそう。
聞こえる範囲も
生き物によって違うんですね。
いろいろですね。
カエルは 100~2, 500と
ちょっと低めですね。
人間は 20~20, 000と。
イルカが 200~100, 000
ぐらいまでですね。
イルカ 「ププププ…」というような
音を出して
これに超音波が含まれてます。
これが 獲物の魚に当たったり
海の中のいろんなものに当たって
跳ね返ってきたものを聞いてるんですね。
いわゆる潜水艦の ボーンってやつですね。
(岡ノ谷)そうですね。
なんか 人類って すごい退化してるなって
感じるんですよ。 自然の中いくと。
他の動物は全て 優れてるなって。
確かに人間は 狭い範囲の音しか
聞こえないんだけれども
その狭い範囲の中で
敏感になっているということですね。
なるほど。 じゃあ 浅い部分は
向こうが優れてるけども
こっちは深さで負けてないぞと。
(岡ノ谷)そうですね。
その聞こえる範囲なんですけども
なぜ 生き物によって
こんなに差があるのか
ということなんですが
その謎を解くヒントは
私たちが よ~く知っている
ある動物にありました。
(悲鳴)
予期せぬ津波によって多くの人が
命を落としてしまった この大災害。
しかし その中で
津波にのまれることなく
集団で生き残った動物がいる。
ゾウだ。
当時 ゾウの不思議な行動が
多数目撃されていたという。
震源地から遠く離れた
スリランカでは…。
津波が来た時
私は この海岸にいました。
しかし ゾウは 津波の来る1時間ほど前
急に騒ぎ始めて
群れをなして
高台へと向かっていったんです。
今思うと ゾウが まるで
津波が来ることを予感していたようです。
本当に ゾウは
津波が来ることを予感できたのか。
答えを求めて向かったのは
新潟大学。
教えてくれるのは
医学部で
耳の「内耳」について
研究をしている
日比野 浩さん。
恐らく…
これまでの研究で
広大な土地で暮らすゾウは
遠くにいる仲間との
コミュニケーションに
「超低周波音」を利用することが
知られている。
ご存じのとおり ゾウは体重が重いため
地面を踏んだ時の振動が
超低周波音となって伝わり
遠くまで届いていくという。
すると
遠くにいるゾウは
足に伝わってくる
振動をキャッチ。
その音は
足から耳へと
骨伝導で
伝わっていくという。
この ゾウが利用する
超低周波音の周波数に近い音が
津波で発生する。
ゾウは その音を手がかりの一つとして
危険を察知。
仲間に伝えることで集団で生き残ることが
できたのではと考えられている。
一方 小さな動物は
高い音を巧みに利用している。
ジリスは 遠くに敵を見つけた時…。
近くにいる仲間に 警戒音を発する。
(警戒音)
人間には聞こえない 50, 000Hzの音を含む
高い音を使っている。
高い音は
遠くまで届かない性質があるため
敵に悟られず 近くの仲間にだけ
メッセージを届けられるのだ。
体の大きさが 両者の中間である私たち。
聞こえる領域は 20~20, 000Hz。
その中でも 特に大事だと思われるのが
200~4, 000Hzの音。
人間にとって欠かせない目的のために
使われているという。
それは何か。
「助けて」。
「オギャー!」とか 要は
「助けて!」っていう声だったりとかの。
それが一番大事じゃないですか?
あぁ~。
200~4, 000Hzぐらいでしょうね。
この辺は
人間の会話の音が含まれていますね。
人の声 つまり会話 言葉を聞くために
そこが重要視されていると。
そこが結果として 言葉に使われる
領域になってきたということですね。
音楽の世界で
人の心を揺さぶる音域とか
人の耳に心地いい音域っていうのは
あるんですか?
やっぱり それは すごいシンプルな話で
人の声の音域だと思いますね。
へえ~。
へえ~。
非常に安心するし やっぱり
誰もが持ってる楽器ですから
そういう意味では。
岡ノ谷さんが お聞きになっても
人の声の音域は 音楽としても心地いい
というのは納得ですか?
まあ 納得ですよね。
神の声
ヴィオラ・ダ・ガンバっていう
昔の楽器なんか ほんとに…
(佐渡)あと面白いのは
CDあるじゃないですか。
僕らの子供の時はLPレコードが
CDっていうのに変わって
デジタルになるんですけど
上のカットが 22, 000かな?
22, 000…いくらかのとこで
カットされてるんですね。
もちろん CDの方がノイズはないし
いいんだけど
レコードの方が 何か
人間は それ以上の幅のものを
感じてるような気にはなるんですよね。
いや なると思うんですけど。
耳としてはね
20, 000Hz以上は聞こえないです。
けれども 皮膚も含めた感覚
体全体の感覚が 音を聞くことに
貢献してるんだと思いますね。
(佐渡)なるほど。
でも なんか今 面白かったですね。
ゾウは足で音を聞いてる。 低い音。
あれはですね 確かに
音も手がかりの一つなんですが
津波の音が 果たして
本当に聞こえていたかどうか
ちょっと分からんのです。 ただ
ゾウは低い音も聞くことはできることは
確かですね。
すっごい遠い山の外れと外れで
結構ゾウは会話できてるよって話を
昔 実は アフリカゾウに
ちょっと興味がありまして
行った時に…。
なかなかゾウの研究 難しくてね。
「難しいゾウ」とか言う
場合じゃないですけども…。 はいはい。
しゃれ。
(笑い声)
飛びましたね。
(笑い声)
ただ 確かに 音は一つの手がかりとして
津波を検出して
逃げるのに役立っていただろうとは
考えられています。
結局 この先 人間って
耳は どういう進化を遂げるとかって
あるんですかね?
逆に 今 こういうデジタルなものが
いっぱい入ってきましたよね。
人間は 逆に退化する?
僕 ちょっと難聴かもしれないって
思う瞬間もあるんですけど
でも 聞き取ろうと思う音に関しては
「あれ? 聞き取れてるぞ」。
でも 人と会話してると
たまに
「え? ちょっと よく
聞こえないんだけど」って
近寄ってしまうことが
あるんですよ。
どっちに
向かってるんですか?
耳のハードウェアとしての
外耳から中耳 内耳 あの辺は
ほとんど変わらないと思いますよ。
けれども だんだんと
脳の方の対応のしかたは
変わっていくでしょうね。
脳の方が 進化なのか退化なのか
分からないけれども…。
変化はしていくでしょうね。
さあ 次のお話にまいりましょう。
次は
音を聞く上で欠かせない
「細胞」のお話です。
「踊る」細胞だそうです。
(笑い声)
何だ?
踊る細胞は どこにあるのか。
それは 耳の中の… ここ。
蝸牛は引き伸ばすと
筒状になっていて
中には 膜が広がっている。
その膜を拡大してみると…。
列をなしている
V字形の不思議なものが見えてきた。
これが 踊る細胞。
V字形をしているのは細胞の先端部分で
下には 細胞体が埋まっている。
まるで
毛が生えているように見えることから
「有毛細胞」と名付けられている。
有毛細胞には 音が到達すると 音の振動を
電気信号に変えて脳に送る役目がある。
実は その時 不思議な動きを
見せることでも よく知られている。
それを実験的に捉えた映像がある。
聞かせるのは この曲。
♬~
これを 有毛細胞に
電気信号にして聞かせると…。
♬~
♬~
ハハハハ 面白い。
♬~
え これ 何の映像?
♬~
まるで曲に合わせて 踊っているかのよう。
実は この動きこそが 私たちの…
あらゆる音を聞けるよう うまい具合に
ボリューム調整をしているという。
例えば 小さい音が入った時
細胞は大きく振動。
これによって音は増幅される。
しかし 大きい音が入ると
細胞は振動せず そのままの音で伝える。
実は この有毛細胞
コミュニケーションの場面で独特の働きを
することが 最新研究で指摘されている。
それが 騒々しい場所でも
特定の人の声が聞けるという現象。
名付けて カクテルパーティー効果。
皆さんも 経験があるはずだ。
騒々しい中なのに自分の名前が呼ばれたり
知っている人の声が聞こえると
その声だけが くっきりと浮き上がって
聞こえてくる現象のことだ。
なぜ特定の音だけが聞こえるのか。
新潟大学の 日比野 浩さんは
この不思議な
「カクテルパーティー効果」には
脳の働きに加え 有毛細胞の震えも
関わっているのではないかと考えている。
どの音を際立たせるかは
この脳と有毛細胞の連携プレーが
重要かもしれないというのだ。
そのときに 恐らく絶妙な
脳と 感覚器であります内耳との…
具体的に有毛細胞は
耳の中で何をしているのか。
例えば 知っている人と知らない人の声が
同時に聞こえた時。
脳は 有毛細胞に指令を出し
知っている人の声だけを増幅。
その一方 知らない人の声は
振動を抑制して
増幅しないようにする。
このようなことも加わって
私たち人間は
知っている人の声を
はっきりと聞くように
進化してきたのではないか。
さあ そのカクテルパーティー効果の
不思議 スタジオで体験してみよう。
また体験ですか。
体験です。
「踊る」有毛細胞 いかがでしたか。
いや~ びっくりしました。
あの音楽に本当に合ってましたね。
かなり リズム感いいですよね。
あれはね 外有毛細胞といいましてね
あの細胞が 音を聞いているのではなく
もう一つ内側に内有毛細胞ってあって
そっちが音を聞いてます。
そう 有毛細胞には2種類あって
それぞれ役割が違う。
まっすぐな形をしているのが内有毛細胞。
一方 V字形をしているのが外有毛細胞。
先ほど紹介した「踊る細胞」だ。
音の振動を増幅して
内有毛細胞に
その振動を伝える。
あれ 自分の意識で…
踊るというか揺らしてるんですか?
意識と無意識ですけれども…
揺さぶりをかけてんのが さっきの踊る
外にある有毛細胞ですね。
自分が聞きやすくするためなんですか?
聞きたいところに注意が払えるようにと。
それが 「カクテルパーティー効果」な
わけですよね。
さて ではですね…
それを まず聞いて頂きます。
聞こえるかどうか
聞き取れるかどうか 試して下さい。
(5人同時の話し声)
えっ… 聞き分けられなかった。
佐渡さん いかがでしたか?
(佐渡)映画の話をしてるのは…。
おお!
(岡ノ谷)すごい。
まあ それぐらいですけど。
5人分 聞こえました?
いやいや それは分からなかったな。
先生 いかがでしたか?
僕はね 「私と妹は」しか分からなかった。
では 今の中の…
(女性)「せっかく有名なラーメン屋に
来たのに お店が休みでした。
私と妹は とてもがっかりしました」。
あぁ~。
これは当然 聞き取れますよね。
では これを踏まえたうえで もう一度
5人の方の声いっぺんにお聞き頂きます。
(5人同時の話し声)
ダメだ。
俺 カクテルパーティー効果 聞こえない。
佐渡さんは いかがでしたか?
かなり追いかけれました。
1回 その1人だけの声を
認識したことによって
よく聞こえたのではないかと
思うんですが。
これはですね 1回聞いた人の声の性質を
分析し その声が追えるように
先ほどの 踊っている外有毛細胞さんが
手助けをしている ということと
あと あの声自体を
もう覚えており…
(佐渡)でも 例えばパーティーに行って
例えばですよ
気に入った女の子がいたりすると
離れてても… 10人ぐらいで みんなで
ワイワイやってても そこだけ
スポットライトが当たったみたいなの
ありますよね。 耳ダンボですね。
限界はあるけど ある程度 増幅してる…
駆け引きをしてるってことですね。
気になってる人がいれば その人の声に
耳 動かないんですけど
耳 向いてるなっていう感じはしますよね。
では私たち人間は いつから「聞く」
ということが できるようになるのか
生まれる前 聴力が備わる瞬間のお話です。
私たち人間は
生まれる前から外の音を聞いている。
そのことを 今 実感しているのが
2歳のゆりこちゃんの母…
今 妊娠7か月の2人目が おなかにいる。
おなかの中の子が特に反応して動くのは
長女 ゆりこちゃんに話しかけている時。
寝かせる時は 絵本読んだりとか
歌 うたったりとか
一緒におしゃべりしながら寝ることが
多くて。
ぐるんって回ってるような。
なんかあとは 足で蹴られてる 中から。
蹴られてるような。
実際 おなかの中では何が起きているのか。
教えてくれるのは 京都大学で
ヒトの発達と進化について
研究をしている…
明和さんによれば 胎児は母親の声にだけ
「ある反応」を示すという。
これは 妊娠25週ごろの胎児を
調べた時の映像。
4次元エコーで見てみると
胎児の顔は この辺り。
目や鼻 口が ぼんやり見えている。
この胎児に
見知らぬ女性の声を聞かせると…。
特に反応は見られない。
では 母親の声を聞かせると
どうなるのか。
この場合 顔は横向き。
動きに注目して 見てみると…。
胎児が活発に体を動かし始めた。
そして…。
(母親の声)
大きく口を開けて反応。
そう 胎児は
母親の声をちゃんと聞き分け
まるで その声に応答するかのように
口を動かしていたのだ。
更に おなかの中で
母親の声を聞いていた赤ちゃんは
誕生直後から そのまねをする
という事実が 最新研究で指摘された。
これは 2009年に発表された
ドイツ人研究者の論文。
調べたのは 出産直後の泣き声。
なんと フランス語圏と
ドイツ語圏の赤ちゃんでは
泣き方が異なるという傾向が
見られたのだ。
フランス語圏のお母さんから生まれた
赤ちゃんは こんなふうに泣くんです。
(上がり調子で)「ぁあ~」って
泣くんですね。
それに対してドイツ語圏で生まれた
赤ちゃんは
(下がり調子で)「あぁ~」って
泣くんです。
実際の泣き声が こちら。
(上がり調子の泣き声)
(下がり調子の泣き声)
違い お分かり頂けただろうか。
波形で分析してみると
フランス語圏では 後半になるにつれて
大きくなっているのに対して
ドイツ語圏は
このとおり。
前半が
大きくなっている。
例えば フランス語の特徴は…。
(フランス語)
一方 ドイツ語の特徴は…。
(ドイツ語)
(明和)恐らく…
お母さんの…
これは間違いなく 胎児期からヒトは
いわゆるお母さんの言葉を聞きながら
学習しているということの
証拠になるかと思います。
なるほど。
いや フランス語圏の聞いた時 最初に
ああ 普通に赤ちゃんって
ああいう泣き方だよなと思ってたら
そうか ドイツ語圏の「あぁ~」っていう
そっちの方が 日本には遠いのかな…。
全然関係ないですけど。
なんか フランス語の方が日本語に近い?
私 関西ですけれども
関西圏で生まれた赤ちゃんは
フランス語圏に近いんです。
はいはいはい。
(明和)多分 佐渡さん イメージぴったり。
(佐渡)僕 フランス人です。
このデータがはっきりと示しているのは…
まねしてるんですかね?
まねしようとして だんだん
成長していくじゃないですか 子供って。
恐らく おなかの中で学習をして
それに合わせて
生まれたあとに それと同じような言葉
泣き声を話すっていうのは
多分 生存に深く関わっているかと
思います。
同じ種だよ
仲間だよっていうことを
証明しようとしてる
本能かもしれませんね。
そうですね。
皆さんご存じのように
ヒトの赤ちゃんっていうのは
他の霊長類に比べて
すごく身体的に未熟な状態で
生まれてきます。
お母さんの体に こう
ぎゅっと しがみついて
逃げることも おっぱいもらうことも
できないわけです。
聞こえてくる音の中から
「聞いたことのある音だ 声だ」
っていうところに注意を向ければ
養育される可能性が すごく高くなる。
恐らく こういった説明が最も有力では
ないかというふうに考えられています。
やっぱり そこにも
生き抜くための知恵というか。
ということですよね。
さっきのフランスとドイツとあんだけ違う
というのはすごい面白かったんですけど…
へえ~!
はぁ~。
今 オーケストラのメンバーも
どんどん国際化してますけど
でも確かに ドイツのオーケストラの
音の鳴らし方は こういう波形で
フランスの音の出し方は
こう 後膨らみする。
あと もう一点 面白いのは
やっぱり胎教にいいっていうので
妊婦さんが演奏会に来られるんですけど
僕なんか ベートーヴェン
やってたりすると
あとで「ものすごく おなか蹴ってました」
ということは よく言われますね。
いい音楽を胎児に聞かせることが
胎児にとって いいかどうかは
分からないです。
でも 明らかに
それを聴くお母様にとっては
副交感神経系
リラックスモードになれば
胎盤を通して 胎児にとって
いい感じが生まれますし。
多分お母さんが
何かワクワクしてたりとか
そうしたものが
伝わってるっていうこと…。
そうすると胎盤 やはり伝わって
胎児も元気に動くっていうことは
分かっています。
でも 最も大事なことって
ホモ・サピエンスというヒトだけが
これほど日常的に音声を使って
しゃべるわけなので…
一方 親の方は
人間はもちろんそうですけど
赤ちゃんが泣いていれば
構ってあげたいって気持ちになるように
そっちに耳がいくように
なってるんですね。
それ 無視できないような
信号となっていますよね。
それ 無視していたら
ホモ・サピエンスとして
残っていなかったはずで
我々は それに注意を払うように
なっているということですね。
そうですね…
今 パッと出てこないけど
もうちょっと酒飲みながら
ゆっくり話したいというか。 (笑い声)
でも 何でしょうね
やっぱり自分で思うのは
親に注意を向けてる子供と
結構 子供って 気遣ってますよね 親に
小さな頃から。
だから それも
やっぱり動物として生き抜くための
原点は そこなんだなって。
お母さんに守ってもらう
お父さんに守ってもらわないと
生き残れないっていうふうに
もう ちっちゃいうちに理解してるんだな。
耳が 心と直結してるっていうことを
なんか改めて知った気がしましたね。
なかなか これは
解明できないものかもしれないけど…。
なぜか 耳と心は直結してる感じが
するんですよね。
いや~ だから
人間っていう器は すごいんですね。
いろんなものを同時に もう消化吸収し
新しいエネルギーとして
放出する みたいなのを
あっという間に 感覚でやっちゃってる
ぐらいのスピードで。 これ すごいな~。
それなのに粘土を入れるだけで
分かんなくなっちゃう。 (笑い声)
そこですよね。
もう 一番のショックは 今日これです。
♬~