クローズアップ現代「自由な仕事というけれど フリーランス急増の裏で」[字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

クローズアップ現代「自由な仕事というけれど フリーランス急増の裏で」[字]

自由な働き方として広がる「フリーランス」。政府も成長戦略の一つに位置づけてきた。しかし、取材からは労働の尊厳を奪うような事態も見えてきた。急増の裏で一体何が。

番組内容
いま「フリーランス」に転身する人たちが急増している。民間調査では2年前と比べて1.7倍の推計500万人。自由で柔軟な働き方として個人も企業も期待を寄せ、政府も成長戦略の一つに位置づけてきた。しかし取材を進めると、転身した人たちがさまざまな誤算に見舞われ、生活が立ちゆかなくなったり、働く人の尊厳を奪われたりする事態も見えてきた。“自由な働き方”の裏で何が起きているのか。フリーランスの実態と課題に迫る
出演者
【出演】東京大学教授…水町勇一郎,【キャスター】桑子真帆,【語り】中井和哉

ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ニュース/報道 – 経済・市況

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解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

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自由で柔軟な働き方として
今 急速に広がるフリーランス。

しかし その裏で 思いがけない実態が。

おはようございます。

おはようございます。

コロナ禍の今
人気を集めている講座があります。

ネット記事や ホームページの作成。

参加者が目指すのは…

会社に雇われず 自身の知識や経験
スキルで収入を得る働き方です。

フリーランスは コロナ禍で急増し
推計で500万人。

政府の成長戦略の一つにも
位置づけられています。

ところが 今。

自由な働き方とは名ばかりの
長時間労働や低報酬。

そこから抜け出せないという声が
広がっています。

生き残りをかけた企業が
コスト削減のため

正社員から切り替えている現実も
見えてきました。

自由とされる働き方のもとで
一体 何が起きているんでしょうか。

ある民間会社の推計によれば

500万人に上るともいわれるフリーランス。

この数は 働く人全体に当てはめると
13人に1人にあたる数字です。

そもそもフリーランスとは
どんな働き方なのか。

働き方には
社長など 人を雇う経営者を除いて

主に 正社員を指す正規雇用や

派遣や日雇い労働のような非正規雇用

そして 個人で仕事をするフリーランス
この3つがあります。

で このうち フリーランスが
ほかの2つと決定的に違うのが

会社に雇われていないことです。

音楽家や作家など

専門的な技術や能力が必要とされる
職種に加えて 今では

スマホ一つで仕事が請け負える
この配達員や

ウェブライターなどにも広がっています。

この広がった部分で さまざまな問題が
浮かび上がっているんです。

フリーランスという働き方の実態を
まずはご覧ください。

フリーランスの活用で

多様な働き方を実現しているとして
注目を集める企業があります。

社員本人が希望し 会社が合意すれば

フリーランスとして働ける制度を
5年前に導入しました。

この会社の主力商品の開発に携わってきた
西澤美幸さん。

正社員からフリーランスになった
一人です。

その働き方は 大きく変わりました。

まず 働く時間と場所を
自分で決められるようになりました。

今では 家事の合間に
仕事を済ませることもできます。

子供と夫がお風呂入ってる間に
メールのやり取りをして…。

収入は 給料とボーナスから
成果に応じた報酬に変わりました。

年金や健康保険は自己負担ですが

それでも 収入は
3割以上増えたといいます。

会社では
本社で働く人の15%にあたる33人が

フリーランスになりました。

売り上げも伸びているといいます。

一方 フリーランスが急増する中で

自由な働き方とは名ばかりだという声が
広がっています。

1年半前に作られた
フリーランスの相談窓口です。

これまでに
6, 000件近い相談が寄せられました。

その多くが 働き方や契約条件で

不利な立場を強いられているという
訴えです。

対応する弁護士は
専門性が高くない人にまで

フリーランスという働き方が
広がっていることが

問題の背景にあると指摘します。

思い描いていたフリーランスとは
かけ離れた働き方になっていると

訴える人がいます。

運送会社と契約を結ぶ宅配ドライバー
米倉 誠さんです。

おはようございます。

契約は 割り当てられた荷物を
その日のうちに配達すること。

配る順序や 休憩を いつ取るかは自由。

荷物を配り終えさえすれば帰宅できます。

当初 割り当ての荷物の数は
1日70個ほどで

以前 会社員だった時よりも
早く帰宅できていました。

ところが 数か月後 会社から求められ

ある契約変更に応じてから
状況が一変します。

報酬を1個単位から1日単位の固定額に
変えるという変更でした。

すると…。

程なくして荷物の数が急増。

多い日には 当初の3倍近くになりました。

(取材者)早くやってくださいという…。
そうです。

朝から夜遅くまで 13時間に及ぶ仕事が
連日のように続いています。

しかし フリーランスは
働く時間は自由とされるため

長時間に及んでも
法律で守られることはありません。

更に
ガソリン代などの経費を差し引くと

収入は…

こうした米倉さんの働き方を
家族も心配しています。

以前 サービス関連会社で
管理職を務めていた米倉さん。

フリーランスになったのは

2人の子どもと過ごす時間を
持つためでした。

しかし…。

米倉さんは 一旦フリーランスになると

働き方を変えるのも難しいと
実感しています。

雇われていたら受けられる
失業給付がないため

生活のことを考えると
仕事を辞めることはできません。

フリーランスを成長戦略の一つに
位置づけている政府は

こうした事態をどう捉えているのか。

フリーランスの人たちの
こんなはずではという

深刻な実態
ご覧いただきましたけれども

相談窓口は 画面左のQRコードで
ご覧いただけます。

今日は 働き方の問題に詳しい

東京大学の水町勇一郎教授を
お招きしています。

よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。

会社に雇われていない
フリーランスの問題を考える上で

雇われている いないで 何が違うのか
まず見ていきます。

こちらの雇われている 正規雇用
非正規雇用の人たちというのは

労働基準法上の労働者とされ

こういったことが
守られています。

最低賃金。 それから 労働時間の上限。

そして 解雇規制。

まあ 簡単に解雇されないなど
こういったことが守られている。

一方で 会社に雇われていない
フリーランスの人たちというのは

こうした保護の対象には
なっていないんです。

水町さん これ
なぜ フリーランスの人たちは

保護しなくてよいと
されているんでしょうか?

フリーランスは もともと事業主として
企業と対等な立場で交渉をし

働く時間や場所も

自分で 基本的に選べる働き方だと
考えられてきました。

対等な立場なんですね。
そのため 労働者と同じような保護を

及ぼすことは
必要ないというふうにされてきたんです。

しかし 今 増えているのは
配送ドライバーやウェブライターなど

企業と対等に交渉できない
立場が弱いフリーランスです。

必ずしも 専門性が高くないため

企業と対等な立場に立つことが
難しい状況に置かれています。

そういう人たちが 法的な保護を
受けることができない状況に

今 置かれています。

企業に対して 立場が弱いという問題は

派遣や日雇いなど 非正規雇用でも
あると思うんですけれども

なぜ 今 フリーランスで
言われているんでしょうか。

非正規雇用の保護が強くなったことが
その背景にあります。

非正規の保護が強くなった。
はい。

日本の企業は これまで
柔軟な労働力を利用することで

景気の変動などに対応してきました。

2008年のリーマンショックでは いわゆる
派遣切りや雇い止めが横行して

非正規雇用の利用のしかたについて
大きな社会問題となりました。

それが きっかけとなって
2010年の雇用保険法改正。

更には 2018年の
働き方改革関連法によって

非正規雇用への
雇用保険の適用拡大や

同一労働 同一賃金が
法律上 定められました。

しかし フリーランスについては
自由な働き方とされているため

法的な保護は 強くありません。

2021年に 政府が
フリーランスガイドラインを作成しましたが

強い規制ではないため
フリーランスの利用のしかたは

基本的に企業に任せられているのが
現状です。

あくまでガイドラインだ
ということですよね。

そうした中でも フリーランスの人たちは
急増しているわけです。

その背景を探っていきますと
新型コロナの影響で

企業としても フリーランスを
活用せざるをえない現実も

見えてきたんです。

イベントの企画やグッズの販売を行う
ベンチャー企業です。

コロナ禍で イベントの自粛が相次ぎ

年間4億4, 000万円あった売り上げが

2億7, 000万円にまで落ち込みました。

そこで会社は 13人いた正社員を
2人減らします。

こちらのPR動画の作成。

そして カスタマーサポートなど
もともと正社員が担っていた業務を

その都度 フリーランスに委託する形に
変えました。

その分 資金を 事業や運営費などに
振り向けられるようになり

売り上げは 8割以上にまで回復しました。

…せざるをえなかったという
企業もあります。

ワンベッドの部屋が 2つ並んでいます。

都内のエステサロンです。

コロナの感染拡大前は

5人のエステティシャンを
正社員として雇い

年間1億円の売り上げがありました。

度重なる緊急事態宣言で 客が激減。

売り上げは
年間3, 000万円にまで落ち込み

赤字が続きました。

国の助成金や融資を利用し

社長の報酬をカットするなどして
対応していましたが

限界に達したといいます。

そして 去年5月
弁護士などに相談した上で

社員に ある提案をしました。

売り上げに応じた出来高払いの

フリーランスの契約に変えられないか
というものです。

会社の状況を説明し
本人の意思を確認したところ

1人は転職し 4人は契約に応じました。

契約が変わることで 働く時間は
スタッフが決めることになり

店舗の清掃など エステ以外の業務にも
報酬を支払うことになりました。

それでも 経費は 大幅に抑えられ

経営を維持することができました。

業務委託にするか 有期雇用にするか…。

都内の企業 およそ80社の労務管理を
サポートする

社会保険労務士のもとには

今 社員をフリーランスに切り替えたい
という相談が相次いでいます。

この社労士事務所では 社員の合意が
最低限の条件だと説明しています。

ただ その場合も 働く側が 不利に
ならないように アドバイスしています。

会社を維持するための苦肉の策として

フリーランスの活用が進んでしまっている
という実態でしたけれど

これ いわば その調整弁のような
扱いになってしまっていいんでしょうか。

働く人が コスト削減の
犠牲にならないような方策を

考える必要があると思います。

ただし フリーランスという働き方自体を
規制することには

慎重になるべきだと思います。

フリーランスには
働き方の自由度を高めたり

これまで働くことが難しかった人たちが

フリーランスという働き方を通じて

働くことを可能にするという
メリットもあります。

まず 大切なのは 企業と対等でない
立場が弱いフリーランスの人たちを

きちんと保護していくことだと思います。
どう保護していけばいいでしょうか。

保護される労働者にあたるかどうかを
分かりやすくするということが大切です。

そのための一つの方法として
海外で広がりつつあるのが

推定規定というものです。
推定規定。

推定規定では まず
自分の労働力を提供して働く人を

全て労働者と推定します。

その上で 本来のフリーランス
すなわち 企業と対等に交渉ができ

働き方を自由に選べる人たちを
そこから除くという方法です。

この方法を取ることで より広い人たちを
安定した形で保護することができます。

この海外で広がりつつある考え
ということでしたけど

これ世界的に見ると フリーランスの
問題って どうなんでしょうか。

フリーランスは 今
世界最大の労働問題ともいわれています。

ヨーロッパや アメリカでは
数年前から フリーランスの保護を巡り

激しい議論が展開されてきています。

その中で
この推定規定に基づいて

配送ドライバーなどの
フリーランスを

原則として 労働者と捉えて保護する
という流れが生まれてきています。

そうですか
実際に生まれてきてるわけですね。

一方で その 企業と対等で

自由に働く人たちのことも
守っていく仕組みっていうのが

必要なんじゃないかなと
思うんですけれども…。

私は フリーランスとして働く人全体を

一定のセーフティーネットのもとに置く
ということが必要だと考えています。

本来の意味での
フリーランスの人たちであっても

例えば 不慮の事故とか
突然 仕事がなくなるなどによって

経済的に困窮する可能性があります。

2020年以降のコロナ危機は まさに
その一つの例だと言えるものです。

そういう事態に対する生活保障も
必要になります。

具体的に その海外での例というのは
どんなことがありますか?

例えば フランスでは
フリーランスの人たちも 労災保険への加入

教育訓練を受ける機会の保障

更には 仕事を失った時に
失業手当を支給する仕組みなどを

新たな法律を作って整えています。
そうですか。

日本でも こうした仕組みを整えることを
考えていくべきだと思います。

一番 大切なことというと
どんなことになりますか?

働き方の自由度と多様性っていうのが
一方で大切になります。

でも 同時に働き方に対する
セーフティーネットを整える

ということが大事になります。

安心して 働ける社会を
作っていくためには

自由度とセーフティーネットの両立
というのが大切だと思います。

ありがとうございます。

働き方を選んだのは
確かに その人なのかもしれません。

しかし 経済状況が急速に変わる中で

弱い立場に置かれた時に
働き方の選択を

本当に その人のせいにして
いいんでしょうか。

正社員からフリーランスになって
働いている

エステティシャンの女性です。

この15年間
あらゆる働き方を経験してきました。

アルバイトから
少しでも待遇のよい仕事に就きたいと

25歳の時に派遣社員になりました。

しかし 時を同じくして
リーマンショックが起きると

派遣切りが問題に。

正社員になり 安定した生活を送りたいと
就職活動を開始。

しかし 去年 今度は コロナ禍で
正社員を続けられなくなりました。

社会に翻弄され続けた末のフリーランス。

それでも
なんとか前向きに捉えようとしています。