NHK地域局発 ラウンドちゅうごく「withコロナの観光新戦略」コロナ禍の今でも人が集まる観光地には、一体どんな秘密が…

出典:EPGの番組情報

NHK地域局発 ラウンドちゅうごく「withコロナの観光新戦略」[字]

コロナ禍の今でも人が集まる観光地には、一体どんな秘密があるのか?観光地の舞台裏と、最新のトレンドを紹介しながら、コロナ時代の新しい時代の観光戦略をご紹介する。

番組内容
7月から始まったGoToトラベル。観光地に人は戻りつつあるが、実は宿泊者の数は前年比でまだ半分ほどしか回復していない(9月調査)。番組では日本初の「城泊」などコロナ禍でも人であふれる観光地を取材し、最新のトレンドから観光復活のヒントを探る。さらに安価な宿は恩恵を受けづらいという「GoTo格差」の問題も考える。格差是正に役立つとされる新しい予約システムなどを紹介し、コロナ時代の観光戦略を伝える。
出演者
【出演】東京女子大学教授…矢ケ崎紀子,専門家…村木智裕,【司会】出山知樹

ジャンル :
ニュース/報道 – 報道特番
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

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さまざま活躍することになると思
いますんで、目が離せない状況が

7月から始まった GoToトラベル。

観光地は にぎわい始めているとも
言われていますよね。

でも 実は 全国の9月の宿泊者数は
去年の同じ時期に比べて およそ50%。

まだまだ厳しい状況が続いています。

そんな中 好調な所には
ある傾向がありました。

出陣じゃ!

それは 旅の中に
体験の要素があるかどうかだといいます。

一方で GoToトラベルは

意外な格差を生んでいることも
分かりました。

格差を是正し 地域全体の魅力を高める
新しい予約システムの導入が

始まろうとしています。

最新の観光トレンドをひもときながら

苦境に立つ観光業復活の
ヒントを探ります。

「ラウンドちゅうごく」
今回は 観光について お伝えします。

7月から GoToトラベルが始まって

宮島の高級旅館など 年末まで予約が
取れないという所も出てきています。

ただ 全体で見ますと
観光業は まだ厳しい状況にあります。

こちらをご覧ください。

全国の宿泊者数の推移を見てみますと
新型コロナウイルスの影響で

今年春から大きく減少。

GoToトラベルが始まった7月以降
回復傾向にありますが

9月の速報値でも 前の年と比べて
まだ半分ほどしか回復していません。

そんな中でも 観光客が戻ってきた
人気のスポットもあります。

それは なぜなのか 秘密を探りました。

尾道と今治をつなぐ しまなみ海道です。

今年10月 観光客であふれていました。

多くの人のお目当ては
サイクリング。

タイとか ハマチとか いろいろ…。

10月に しまなみ海道で

自転車を借りた人の数です。

去年と比べて 外国人観光客は

大きく減りましたが 逆に日本人客は

去年より増えていることが分かります。

こちらの尾道市にあるホテル。

もともと 外国人サイクリストにも
人気だった このホテルですが

7月以降 日本人だけで
予想を上回る回復具合だといいます。

実は こういった
自然の中での体験型の旅が

コロナ禍の今 人気を集めています。

アドベンチャートラベルと
呼ばれています。

アドベンチャートラベルは

もともと欧米で
人気の旅のスタイルでした。

その市場規模は 世界で70兆円。

密閉空間ではない
自然の中の旅ということで

コロナ禍で
更なる伸びが期待されています。

更に 体験型を宿泊施設に取り入れ

人気を集めている町もあります。

愛媛県大洲市に
今年7月にオープンしたホテル。

城下町の 古民家8棟を改修しました。

この日 宿泊に訪れた 20代のご夫婦。

近隣の県から やって来ました。

この建物は 築100年以上。

2人が泊まるのは 蔵を丸ごと
ホテルとして活用した部屋です。

すごくない?

蔵の中に泊まるという
非日常を体験しに来た ご夫婦。

誕生日のお祝い旅行なんだとか。

ちなみに お値段は
1泊2食付きで 1人 2万8, 000円から。

大洲市で 古民家改修を主導した
井上陽祐さんです。

実は 古民家ホテルは もともと
外国人をターゲットにしていました。

で そういうものが 結構…

特に大事にしたのは
元の暮らしを感じられる部屋作りです。

歴史を感じてもらいたいと
色あせた壁の風合いは

あえて残しています。

更に 表札や防犯用に使っていたと
思われる木刀なども

当時のまま。

このホテルがオープンしたのは

外国人観光客が消えた
コロナ禍の今年7月。

しかし 予想に反して
日本人観光客が訪れ

10月は
目標の2倍近くの稼働率になりました。

そこには 日本人の旅行に対する
変化があるという指摘もあります。

翌朝 泊まった感想を
ご夫婦に聞いてみると…。

多分 こういう民家を楽しんでみたいな
システムやったと思うので…

更に この町では
究極の文化体験プランも用意しています。

なんと 大洲城で一晩
殿様体験ができるんです。

お城では 鉄砲隊による お迎え。

夜には 宿泊客のためだけに
神楽が振る舞われ

殿様御膳も堪能できます。

更に 一晩 天守閣を独り占め。

夏限定のお楽しみとして
エアコン代わりに

当時 使われていたとされる
氷柱が用意されます。

この日本初の城泊。

神楽や鉄砲隊の演武も含めて

お値段は なんと 1泊2人で100万円。

(2人)乾杯。

もともとは
外国人富裕層向けの商品でしたが

7月以降 日本人だけで 既に2組宿泊し

今月も
既に2組予約が入っているそうです。

実際に 今年の夏に宿泊した人に
感想を聞きました。

ゲストをご紹介します。

東京から 観光政策がご専門の

東京女子大学教授 矢ケ崎紀子さん。

観光マーケティングの専門家
村木智裕さんにお越しいただいています。

まず 矢ケ崎さん 今 自然の中で
こうした体験型の旅に

人気が集まっている
ということなんですけれどもね

どういった理由があるとお考えですか?

体験型の旅は 以前からの
旅行のトレンドではありました。

しかし
この度のコロナウイルスの影響で

そのトレンドが後押しされていると
いうところが あるというふうに思います。

やはり 少人数であるとか
人がたくさん集まる都会ではなくて

地方の方へであるとか
そして その先の自然へというような

そういうトレンドが
世界的な旅行の傾向として

そういう方向にシフトしてきているという
実態があるというふうに思います。

村木さんは 瀬戸内の魅力を
世界に発信する

その立て役者にも
なってらっしゃる方ですけれども

今 コロナの状況でですね
逆にサイクリングが楽しめたり

自然がいっぱいある この中国地方

追い風になっている状況
ということが言えるんでしょうか?

この中国地方は
瀬戸内海は もちろんのこと

中国山地の山間部まで含めて
非常に自然豊かな地域です。

そういった
それぞれの地域の自然を生かした

新たな取り組みというのが
こちらになりますね。

これは
広島市内の湯来町という所にある

温泉街で始まっている
新たなアクティビティーなんですね。

これは シャワークライミング
というふうにいいます。

これ 何かというと 温泉街の中に
本当にきれいな川が流れてるんですが…。

水が大変 透き通ってますよね。
透明度は 抜群ですね。

こちらの川にウエットスーツを着た形で

ガイドがついて 川を上っていくんですね。

もともと温泉街ですから

当然 温泉が1つの
もともとあった魅力なんですが

温泉街だけではない魅力を
開発をしてこうということで

特に 来年春に向けて サービスを
展開していこうというふうにされてます。

村木さんによると 中国地方には
まだまだ観光資源が眠っていて

工夫次第で観光客を呼べるといいます。

例えば 岡山県宇野港でのヨット事業。

コロナ禍の前は 2泊3日程度の
ヨットクルージングを提供し

客の9割が外国人でした。

インバウンド収入がなくなったことで
ターゲットを日本人に変更。

食事をしながら 短時間
クルージングする商品に変えてみました。

3時間5万円程度と 少しお高めですが

それでも 日本人だけで
稼働率が戻ったといいます。

多少 お金がかかることであっても
楽しもうということに

だんだん 日本人の志向が変わってきてる
というふうに考えていいんでしょうか?

自然や歴史や あるいは
本物を体験する所には

それなりの対価を
お支払いするということに

やはり 皆さん 抵抗がなくなってきた
というところではないかなと思います。

1泊100万円の
城泊というものもありましたけれどもね。

海外では 有名な所で言うと フランスで

私たち日本人の中にも シャトーに

お泊まりになったことがある方は
いらっしゃると思いますね。

キャッスルステイなんていう言い方をして
コロナ前から

広く欧米では行われてきている
そういうものであります。

その地域の歴史や文化を体験するという

そういう旅にもなるということだと
思いますね。

日本人の志向の変化ですね

文化とかに どんどんお金をかけてもとか
という志向の変化と

あるいは コロナの状況で 地方にも
どんどん人が来る素地が出来てると。

この両方で 客単価というものを
上げるチャンスにも

今なってるというふうに
考えていいんでしょうか?

おっしゃるとおりですね。

私たち日本というのは ものづくりが
大変 上手な国民でありますので

良いものを安く提供する
っていうところがね

とても得意なんですけれども

観光の世界常識は
良いものは 相応の値段がする。

良いものは 高いというのが
世界常識ですので

こういったところに
近づけるという意味も

客単価アップということにはあります。

また あの コロナの この状況下では
人数が呼べませんので

そうなりますと 1人あたり あるいは
1グループあたりの客単価を

しっかり上げていくことが
非常に大事になってくるんですね。

そういう意味では 先ほどの
1泊100万円という大洲のお城は

日本の中でも 究極の客単価アップ大戦略
ではないかというふうに思って

非常に期待をしてるところですね。

続いては 7月から始まった
GoToトラベルについて考えていきます。

改めて このGoToトラベル
どういうものかといいますと

こちらをご覧ください。

旅行代金の総額から
35%が割り引かれて

更に 10月以降

総額の15%の地域共通クーポンも
もらえるという事業なんです。

上限は ありますけれども

宿の値段が高いほど
割引額も高くなりますので

この機会に 今まで手が届かなかった
高級宿にも

泊まってみようという人が多いようです。

一方で もともと値段が
低く設定されている宿では

お得感が少ないという声もあって

宿泊客が戻ってきていないという
傾向があります。

そうした宿を どう救っていくのか。

地域全体の売り上げを伸ばす
新しいシステムを導入して

その解決を目指す
山口県の温泉街を取材しました。

山口県北部にある 長門湯本温泉です。

600年の歴史を持ち
山口県で最も古い温泉街とされています。

5年前から
温泉街全体の再生事業を行ってきた

この長門湯本温泉。

日帰りの入浴施設なども
リニューアルしました。

今年7月以降 GoToトラベルの割引が
始まったことで

高級旅館を中心に客足が徐々に回復。

8月は 温泉街全体で
去年の8割まで宿泊者数が戻りました。

しかし
いまだに厳しい状況にある宿もあります。

こちらは 温泉街にある
100年以上の歴史を持つ旅館。

1泊2食付きで 1人1万円程度の
リーズナブルな値段で

地元の食材を ふんだんに使った料理と
かけ流しの温泉が 魅力の宿です。

GoToトラベルが始まりましたが

8月の宿泊者数は
去年の5割にとどまっています。

更に 女将の原田さんを苦しめたのは
インターネットでの手続きです。

GoToトラベルの割引の申請が難しく

直接 宿に予約してくる常連客の対応が
最初はできませんでした。

常連客には
大手旅行サイトの利用を勧めましたが

その分 手数料が およそ10%かかり
負担に感じていたといいます。

地域全体の事業者をどう支えていくか。

すいません 遅くなりました。

今回 スタジオに
お越しくださった村木さんは

5月から この温泉街のサポートを
続けています。

この日は 旅館組合の代表や
地元のまちづくり会社の人たちに

新たな予約システムが披露されました。

オーストラリアやイギリスで
既に使われているものを

村木さんの会社が
日本向けにアレンジしました。

これは 村木さんがモデルとした

オーストラリアの自治体の
ホームページです。

街にある 宿 体験商品
レストランの全てが

このページで 一括予約できるのが
特徴です。

システムへの登録も簡単です。

専用ページに登録すると

世界80社以上の旅行会社のサイトに
自動的に掲載できます。

宿だけでなく 地域の飲食店や
体験施設なども登録でき

宿の予約客に対しては

体験商品などを
メールでおすすめ。

地域全体を
セットで売り出そうというねらいです。

この予約システムは
自治体のホームページを利用しているので

手数料も 民間の旅行サイトより

安く抑えられるメリットがあります。

この温泉街では
来年3月までの導入を検討しています。

このシステムは 金沢や八戸など

既に 全国7か所で
導入が計画されていまして

例えば 奈良県では
県全域をカバーするシステムとして

導入が計画されている
ということなんですね。

この予約システム 海外では
どのように利用されているんですか?

オーストラリアではですね
大体 7, 000件ぐらいの

事業者の皆さんが
登録をされて使ってると。

7, 000件のうち 大体8割近くが

実は 地方の事業者の方が
登録をされてるというものになります。

大体 都市部の事業者さんで言うと

もともと よく知られてる地域ですから

大手の旅行サイトなどから
予約が入ってくることになるんですが

やはり 地方は 自ら
発信をしなきゃいけないということで

この仕組みを使って
国内外に発信をすると

こういう使われ方がされてます。

矢ケ崎さん 地域全体の売り上げを
上げていくということを考えますと

ほかにも 何か方法っていうのは
あるんでしょうか?

地域全体の売り上げを上げていく大前提に
その地域が提供する旅行商品の質が

非常によろしいというところが
大前提にあるんですけれども

今 GoToという国の取り組みだけでは
救えていないところを

地域の皆さんが
総力戦で 地域の魅力を総動員をして

1万円の宿の周りに 付加価値の
高いサービスを組み合わせていって

全体として 価値のある

相応の値段のあるような
商品に組み立てていく。

そうすると そこで お得感を
GoToとかでもですね

出していくことができると思いますので

合わせ技で生き残っていく
っていうことを

お考えになるっていうことが
大事じゃないかなと思います。

これから その先を見越した上で
どんなことが大事になるというふうに

矢ケ崎さん
お考えでいらっしゃいますか?

そうですね 今回は コロナ禍ということで
これまでに経験したこと以上の

感染症ということになりましたけれども

外部要因から 大変な影響を
受けてしまうっていうことは

観光の分野においては
実は 災害であったり

いろいろ
これからも起きてくると思います。

しかしながら 地域というのは

これから 30年も 50年も
100年も 200年も

ちゃんと その地域で暮らしていって

そして しっかり人々の営みが残っていく
長い目で見ながら

今 まさに直面している この教訓を
どのように将来に生かしていくのか

観光地域づくりを
行っていかれている地域が

これからも強い地域に
なっていくのかなと思っています。

今日は どうもありがとうございました。

ありがとうございました。

コロナ禍の中で 観光業
厳しい状況が続いていますけれども

中国地方にとっては 工夫次第で

その魅力を生かせる機会というのがある
時期と言えるのかもしれません。

「ラウンドちゅうごく」お伝えしました。

♬~