NHK地域局発 かんさい熱視線▽破綻の危機はなぜ起きた?第4波 医療体制の教訓[字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

NHK地域局発 かんさい熱視線▽破綻の危機はなぜ起きた?第4波 医療体制の教訓[字]

新型コロナの第4波で、破綻の危機に直面した大阪の医療。病床不足が常態化し、適切な医療を受けられずに亡くなる事態はなぜ起きたのか。第4波を検証し、次の波に備える。

番組内容
新型コロナウイルスの第4波で、医療体制が破綻の危機に直面した大阪府。重症患者は確保病床をはるかに上回るほど急増し、自宅療養中の感染者は症状が悪化しても入院できず、在宅死が相次いだ。死者は全国最多の2400人を超えた。病床不足が常態化する事態はなぜ起きたのか、適切なタイミングで必要な医療を受けられるためには何が必要か。第4波の検証から、“大阪の教訓”を見いだし、次の感染拡大期への備えとする。
出演者
【キャスター】近田雄一

ジャンル :
ニュース/報道 – ローカル・地域
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

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NHK
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エンスカイ(ENSKY)

担当は今井純子解説委員です。

新型コロナウイルスの第4波で
全国最多の1, 440人が亡くなった大阪。

破綻の危機に陥った
医療体制を検証すると

新たな事実が浮かび上がってきました。

府内最大規模のコロナ病床を持つ
医療機関。

第4波で受け入れた患者の半数以上が
直接 自宅や施設などから搬送。

必要な医療を受けないまま

病院に到着した時点で
心肺が停止していた

未治療死と呼ばれる事態も
起きていたことが分かりました。

医療の手が届かずに亡くなる異常事態を
どう防ぐか。

大阪府は
医療体制の新たな強化策を打ち出し

次の感染拡大期に備えようと
模索を続けています。

第4波の検証から見えてきた
命を守るための教訓。

今 何が求められるのか 考えていきます。

「かんさい熱視線」です。

大阪 兵庫 京都に出されている
緊急事態宣言は

あさって20日で解除されて

まん延防止等重点措置に移行することが
決まりました。

引き続き
感染対策を徹底することが重要です。

そうした中で感染の次の波
第5波を懸念する声もあります。

こちらをご覧ください。

3月以降の大阪府の
新たな感染者の数の推移です。

2回目の緊急事態宣言が解除された時

大阪の1日の新たな感染者は
50人前後でした。

それが 3月下旬から再び増え始めて

4月の中旬には 1日1, 000人を超えます。
その後も感染者は増えて

第4波で亡くなった方
大阪府は全国で最多となりました。

では 今の状況は どうか?

大阪府の今日の新たな感染者の数は
79人です。

前回と違うのは
ワクチンの接種が今 進んでいること。

一方で インドで確認された
変異ウイルスのデルタ株による感染が

関西でも確認され始めています。

このウイルス イギリスで
最初に見つかった変異ウイルスよりも

感染力が高いといわれます。

ワクチンの接種が広がって 感染を
抑え込めればいいんですけれども

もし 再び感染が拡大した場合

第4波のような事態を
繰り返さないためには

何が必要なのか。

番組では今回
改めて行政や医療機関を取材しました。

第4波の検証を進めて見えてきたのは
命を守るための教訓です。

感染者の健康管理や
入院先の調整を担っている

豊中市の保健所です。

この辺 めちゃめちゃ忙しかったから…。

第4波に入り 市内で
陽性が判明した人は およそ1, 500人。

急増する感染者の対応に当たる中で

第3波までは経験しなかった事態に
直面しました。

国の診療手引きでは
血中の酸素飽和度が96%を下回ると

入院することが前提となっています。

しかし この条件に該当しても
入院できない人が続出しました。

大阪府では 第4波で 自宅や施設で
療養や待機をしていた人は

最大で1万8, 000人を超えました。

医療の手が届かない感染者の急増。

それが 多くの命が脅かされる事態に
つながったことが

検証から見えてきました。

府内最大規模のコロナ病床を持ち
軽症から重症の患者まで治療している

関西医科大学総合医療センターです。

第4波で受け入れた
300人の治療記録を分析しました。

中森医師が注目したのが
病院に搬送された時点の患者の容体です。

第4波では血中の酸素飽和度が
80%台まで低下し

呼吸不全となって 直接 自宅や施設から
運び込まれる患者が続出。

患者の半数以上が
必要な医療を受けていない

未治療の状態だったといいます。

中森医師は こうした初期治療の遅れが

深刻な状況を引き起こしたのではないかと
考えています。

国の診療手引きでは
肺炎の症状が現れた場合は

ウイルスの増殖を防ぐ 抗ウイルス薬の
有効性が認められています。

肺炎が進行し
呼吸不全が見られる段階では

免疫を抑制して炎症を抑える

ステロイドの投与が強く推奨され
酸素療法が必要となります。

ところが
治療の開始が遅れると

いずれの治療法も
有効性が低くなることが

研究から
明らかになっています。

中森医師が 発症から入院治療を
開始するまでの日数を調べると

第3波では6日だったのに対して

第4波では8日。

中には 発症から14日間
治療を受けられていない患者もいました。

検証を進めると
治療の遅れにとどまらない

致命的な事態が起きていたことが
明らかになりました。

自宅などから搬送された時点で

心肺が停止していた患者が
6人いたのです。

中森医師は
必要な治療が行われずに亡くなる

未治療死が起きていたと見ています。

NHKが
府内で重症患者を診ている主な病院へ

アンケート調査を行ったところ

搬送時点で心肺が停止していた患者は

少なくとも
11人に上ることが分かりました。

大阪府は 第4波で自宅などで
死亡した人は 19人と発表しています。

府は自宅などで療養中だった人が
病院に救急搬送されて死亡した場合は

医療の管理下にあったとして
その数に含めていません。

しかし 中森医師は
搬送時点で心肺が停止していた患者が

複数確認された事実から

公表されているよりも多くの人が
必要な治療を受けられずに

亡くなっているのではないかと
指摘します。

なぜ治療を受けられずに亡くなる事態が
起きたのか。

第4波でコロナ病床が
どのように ひっ迫していったのか

病床の運用率を示したグラフです。

感染者が急増していた4月初め

重症の病床運用率は80%を超え ひっ迫。

一方 軽中等症は50%台と
ベッドに空きがある状態でした。

病床に空きがありながら
入院できない事態が起きた理由について

大阪府は
主に2つの要因があるといいます。

1つ目は 重症病床のひっ迫を受けて

軽中等症の病院でも
重症患者を治療するよう

府が要請を出したことにあります。

重症者の治療には
より多くの人手がかかるため

軽中等症の病床が空いていても

実際には使うことができない状態があった
といいます。

2つ目の要因は 軽中等症の病院が

患者の受け入れを
断るケースがあったことだとしています。

軽症や中等症程度の症状でも

高齢者や基礎疾患がある人など
容体が悪化するおそれがある場合

入院の調整に難航することが
少なくなかったといいます。

その後も感染の拡大に
歯止めがかからず

病床は 更にひっ迫。

それが自宅療養者の増加を招き
医療の手が届かない中で

重症化する人が次々と出る
悪循環に陥ったのです。

関西医科大学の中森医師は
第4波の教訓として

早期に医師が診断する
体制づくりの重要性を訴えます。

正しく症状を見極めることが

治療や入院先の調整をする上で
欠かせないと考えるからです。

ここからは りんくう総合医療センターの
感染症センター長で

医師の倭 正也さんに お話を伺います。

倭さんは 大阪府のコロナ対策専門委員も
務めてらっしゃいます。

よろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。

倭先生 まず 第4波の 必要な治療を
受けることができないという事態ですね

日々
治療に当たってらっしゃる倭先生は

現場で どのように
受け止めていらしたんでしょうか?

そうですね。
本当に当院のような病院に運ばれるのが

1週間 10日近くたってから
全く治療がされてない状況で

コロナという病気の診断が
ついているのに

例えば インフルエンザのような
病気でしたら

早期に治療ができますけれども

コロナでは 本当にもう
初期の治療ができずに

こんなに悪くなってから 病院に
来られるんだなということを

本当に強く実感いたしました。

その VTRで
中森先生がおっしゃっていた

早期に診ることの重要性を
やはり 倭先生も お感じでしょうか。

そうですね 本当に こういう感染者は
早期の治療が 一番大事かと思います。

第4波で起きました 医療体制の危機。

これ そもそも 原因はどこにあると
倭先生は ご覧になってますか?

そうですね
2回目の緊急事態宣言が解除されて

ちょうど この解除されるぐらいの時に
英国型といわれているアルファ型ですが

変異ウイルスが まあ 実は
水面下では広がってきてるってことが

指摘されていました。

ただし ちょうどですね 年度末で
人の 人流の動きが活発になって

そこへ 本当に 感染力重症化の
スピードが速い

変異ウイルスが入ってきて
大阪のベッドが

患者さんの数に追いつかなかった
ということが原因かと思っております。

その結果 何が起きたのか
こちらで 改めて まとめますと

重症の患者さんが増えまして
重症の病床で

患者さんの受け入れが難しくなります。

そうしますと 軽中等症の患者さんが
重症になっても転院ができない。

で 人手の不足もありまして
ここも 受け入れが難しくなる。

そうすると 自宅で療養している方
宿泊施設で療養している方に

必要な医療が届かなくなる
ということが起きました。

先生 この構図からですね どんな点が
課題だったというふうに考えていますか?

そうですね やはり こう 病気の早期に
患者さんをですね

入院していただく 軽症 中等症の病床が
足らなかったんではないかと。

そこを もっと増やす必要が
ございますし

また それ以上にですね
あふれた場合では

やはり 自宅療養 宿泊施設療養での
在宅ですか

そういう早期の治療が必要だと。

本当に活用できるリソースを
全て 導入して

この治療 病気にあたるっていうことが
大事かと思います。

少し映像が乱れてますけれども…

あっ 戻りましたね
ありがとうございます。

第4波で 今 倭先生も
話してくださいました

課題がさまざま浮き彫りになりました。

その大阪の医療体制 第5波に備えて
どう臨んでいくのか

取り組みが始まっている現場を
取材しています。

今月9日に行われた 大阪府の
新型コロナウイルスの対策協議会です。

第4波の教訓を踏まえて
議題に上がったのが

自宅療養者への往診体制の拡充です。

第4波のさなか
往診の重要性に いち早く気付き

動き出していた病院があります。

発熱外来で 陽性が確認された
13人の患者を 往診してきました。

すいません こんにちは。

取り組みを続ける中で
患者の容体の変化を素早く捉え

対処できるようになったといいます。

5月初めに感染が確認された
60代の患者です。

当初は 肺炎の症状がない軽症で

自宅での療養が妥当だと判断しました。

しかし 数日後に往診すると

患者は 呼吸困難に陥っていました。

再度 検査すると 重症の一歩手前まで
肺炎が悪化していたのです。

この時 病床は
府内全域で ひっ迫していましたが

医師が直接診断し
入院の必要性を伝えたことで

受け入れ先を調整することができました。

大阪府は 自宅療養者への医療を
充実させるために

輪番による往診の体制案を作成。

コロナ医療に従事していない
地域の診療所にも協力を要請しました。

しかし…。

現段階では 輪番で
往診体制を組むには至らず

電話やオンライン診療での対応に
とどまっています。

想定される第5波に向けて

コロナ病床を 効率的に運用するための
対策も 始まっています。

第4波で課題となったのは

コロナ患者の長期入院の問題です。

感染症の症状がなくなったあとも

コロナ病床で療養が続く状況を
解消することが求められていました。

現在の退院基準では

発症から10日間経過していることが
条件の一つとなっています。

しかし コロナ病床に
入院している患者のうち

15日以上 入院が続いた患者は

医療がひっ迫している時期でも
20%を超えていました。

こうした事態を解消するため
府が打ち出したのが…

これまでは コロナ病床を持つ病院が

直接 地域の病院に
転院要請を行ってきましたが

新たに 転退院サポートセンターを設置。

患者の転院の調整などを一元的に行う

司令塔の役割を担うシステムです。

さまざまな取り組みが始まっています。

今もありましたが 今月9日に
大阪府の対策協議会が開かれました。

そこで出されました 主な対策案
主なものです。

今ご覧いただいた こちら…

…という案が あります。

重症病床 それから 軽中等症病床の
確保目標も示されました。

これが 非常事態 一番大変な時には

重症病床で
500床を確保するとしています。

倭先生 この数 第4波では病床の確保も
課題になりましたけれども

この確保っていうのは
実現できる数字なんでしょうか?

まあ あの 大阪にあるICUが
およそ600といわれておりますので

その中の500となりますと
残り100で それ以外の

三次救急の疾患ですね
心筋梗塞とか 脳卒中とか。

それを 診ることになってしまいますから
現実的には 本当に厳しいです。

これができるのは
本当 1週間 2週間とか

本当の災害の極期の時しか
厳しいのではないかと思います。

ですので その下にありますように
中等症 重症

一体型病院を指定してですね
もう そうならないように

早い段階で
しっかりと治療介入して

重症にならないような取り組みが
大事ですね。

それから その下にありますように

転退院サポートセンターで
病床を早く空ける

隔離解除ができる患者さんに
関しましては。

それから 早期の治療を
訪問診療っていうことを

始めていただくということが
大事になるかと思います。

この目標数について 本当に非常事態
ということですけれども

重症500床 そして 軽中等症3, 000床。

これも上積みする必要が
ありますけれども

この病床の確保には どんなことが課題だ
というふうに 先生お考えでしょうか?

やはり 一般病院であるとか

より 病気を診る コロナを診る
裾野を広げるということが

大事かと思います。

裾野を広げるためには どんな取り組みが
必要になっていきますか?

やはりですね 大阪全体で
まだ このコロナを診ていない

病院の先生方
あるいは スタッフの方にですね

我々の経験を 研修 人材の育成ですね

それが やっぱり 今後
ますます必要になるかと思います。

実際に 倭先生も オンラインで
経験がまだない医師の先生の方に

オンライン研修を行ってるというふうに
伺いましたけれども…。 そうですね。

経験が… もっともっと多く
診ていただきたい ご施設さんを中心に

先日 大阪府の方で そういう研修の
オンラインで始めさせていただきました。

また引き続き行います。
そうした取り組みが

どんどん広がっていく必要がある
ということですね。

それから 今後 波が
もし来た場合ですけれども

ワクチンが接種が今進んでいます。

もちろんワクチンの接種は
任意ですけれども

インドで確認されました変異ウイルス
デルタ株といわれてますけれども

そのワクチンの接種が進んでも
この体制っていうのは

必要ということなんでしょうか?

ワクチンをですね
一人でも多くの方に打っていただいて

それを進めることができれば
次の波の前にですね

ここまで多くの病床は
必要にならないと思います。

その変異ウイルスに対して
ワクチンも有効

というふうに
見て取れるんでしょうか。

そうですね デルタ株 インドで見つかった
変異ウイルスに対しても

およそ90%効く
といわれておりますので

どんどん打っていただきたいと思います。

もちろん ワクチンの接種は
任意ですけれども

広がっていくことを
今後も期待したいと思います。

先生ですね 今後ですね
来週から 大阪 兵庫 京都

まん延防止等重点措置に移行されます。

まず 医療の体制で
今後 必要になってくること

改めて 教えていただけますか?

そうですね。 やはり 早期に患者さんを
入院していただくような

病床の確保をしっかりとするということが
一番大事かと思います。

そのためには 人材育成ですね
研修の方も進めていきたいと思います。

そして 我々ですね 生活において

もちろん 制限は
解除されるんですけれども

引き続き 感染対策徹底が
必要だと思います。

どんなことが大事になってきますか?
最後にお願いいたします。

やはり 3密
最近では 1密といわれてますが

マスクをしっかりして
マスクをしてない状況で

人との会話 食事の方を
注意していただくと。

そういったことが大事です。
ですから 変異ウイルスであっても

基本的な感染対策は変わりませんので
お願いいたします。

今日は りんくう総合医療センターの
倭 正也さんに お話を伺いました。

倭先生 今日は ありがとうございました。
ありがとうございました。

「かんさい熱視線」
今日は これで失礼します。